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普通じゃないね

 “完全無能力”、それが私の能力であるらしい。

 でもどんな能力なのだろう、と私が思っているとレイヴンが、


「“完全無能力”それは特殊能力チートが無いという意味では……」

「違うね。全魔法キャンセル能力。全ての魔法や能力がキャンセルされてしまう能力だ。つまり何らかの形でレイヴン、君を魔法で暗殺しようとしても消し去られてしまう、という能力かな」


 と、ミスさんが言う。

 どこかのラノベの主人公が持っていそうな能力だなと私が思っているとそこでレイヴンが震えた。


「そんな……いや、その能力ならば、勝手に冒険にはいかない! だから、もう少しイチャイチャできるはず!」

「え、えっと……確かに相手の能力を消すだけだと私自身が体術の達人だったり、剣術の達人だったりしないと、危険かな」

「そ、そうだ。……だが、実はミキはちょっとした体術が使えたりしないかな?」


 恐る恐る聞かれた私だが、特に体術は……と思って私は、


「授業で柔道を少し」

「それは体術の一種?」

「……はい」


 頷いた顔にレイヴンが見るからに青い顔になっていくのを見ながらそこで、ミスが手を上げる。


「ではでは、僕がミキちゃんに襲い掛かりましょう。何せこれは、ミキちゃんの実力を見るためだから!」

「ちょ、ミス兄さん、やめっ!」


 レイヴンが慌ててミス兄さんと呼んで止めに入るも、ミスは笑顔で私に襲い掛かり、そこで私は彼の服を掴んで、


「せいやー!」


 投げ飛ばす。

 ごんと尻餅をつくミスさんの音がして、


「イタタタ、いやー、やっぱり呼ばれる子は、普通じゃないね」


 楽しそうに、ミスはそう言って笑ったのだった。

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