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執着  作者: コメマシンガン


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2/5

第2話 なんで?

 『ここで速報です。先程午前9時30分ごろに、東区で交通事故が発生しました。被害者の情報などが入り次第、随時連絡します。えーではまず、事故発生時の映像をご覧ください。えーっとですね、はい。こちらの映像に映っている様子では、車が交差点を曲がったところに、、、被害者が突然出てきた。というとこですかね、、、あ。たった今、被害者の情報が入りました。えー、今回の事故の被害者は、東区、藍西高等学校2年生、中島菜乃花です。病院に搬送されましたが、搬送途中で死亡が確認されました─』昼につけたばかりのテレビから、信じられない内容が、、、流れてきた。

 「え、、、え ?い、いやいや、、、お、同じ名前のやつだよな?うんうんうんうん、、、そうそうそう、、、大丈夫、、、大丈夫、、、、、、、菜乃花は家についたらすぐに連絡するねって言ってたし、、、今頃なんか忙しいんだろう、、、そうだそうだ、、、こんなニュースでたらめだよ、、、」そう言いながらも、テレビから目が離せなかった。

 『本当にひどい事故ですね、、、たった今被害者の姿が映っている映像が入りました。ご覧ください』アナウンサーはこっちのことも知らずに、映像を流した。白いシャツ、、、青いスカート、、、は?

 「は?いやいや、、、は?なんで菜乃花と同じ服装してんだよこいつが、、、ぱくんなよ、、、ちょ、、、いやいや、、、は?え?なんなんだよ!!!このクソテレビが!クソニュースが!デマばっかり流しやがって!」俺はテレビに物をひたすら投げた。しまいにはテレビ自体を床に叩きつけ、壊した。俺はしばらく立ちすくんだ。

 すると誰かから電話がかかってきた。

 「はい。もしもし」

 『お、おい!山下!ニュース!ニュース見たか!』学校の友達からだった。

 「黙れ。」俺は今もうどうでもよかった。友達が最後まで言うのを聞かずに、電話を切った。気持ち悪いなあ、、、なにを言ってるんだよ、、、。

 すると次はインターホンが鳴った。

 「どちら様?」

 『や、山下くん?私、菜乃花のお母さんよ』家に来たのは菜乃花のお母さんだった。

 「あ、、、ど、どうも、、、お世話になってます」

 『あ、あのね?ニュースって、、、もう見たかしら?それでね、、、菜乃花の、、、お、お葬式に、、、来てくれないかしら?』菜乃花のお母さんは目が真っ赤になっていた。相当泣いたんだろう。

 「ええ、もちろんです、、、」俺はそういった。

 『ありがとう、、、菜乃花も喜ぶわ、、、ほんとに、、、ありがとうね、、、じゃあ、私はこれで、、、ありがとう、、、』菜乃花のお母さんは見えなくなるまでペコペコお辞儀をしていた。本当に礼儀正しい人だ。あーあ、、、菜乃花、、、。

 

 学校にて〜

 「みんな、知ってる通り、中島が、、、交通事故で亡くなった、、、本当に、、、先生はなんて言ったらいいか、、、」担任の先生は元から涙もろいけど、今日はいつもより泣いていた。長く。長く。「それじゃあ、、、今日は自習で、、、学校の方でも色々としなきゃいけないからな、、、」先生はそう言って職員室へ行った。

 「なあ、山下。大丈夫か?」友達たちは口を揃えて聞いてきた。

 「ああ、大丈夫だよ」

 「まあ、俺は中島のこと元から嫌いだったから、べっつにどうでもいいんやけどねぇ、なーんつって!あははははは!!!」クラスのヤンキーがぎゃはははと笑っていた。

 「おい!やめろって!」他の友達たちはやめさせようとしていた。まあどうせ口だけだろう。普通はヤンキーのところへ行って言うだろう?みんな、その場から離れない。一歩も動かずに。

 「なんだよ?思うのも言うのも勝手だろ?どうせもう死んでんだから、変わんねえよ!ぎゃははは!!!」

 「黙れよクソヤンキー」俺はそういった。

 「あんだとこら?文句あんのか?あ!そうか!そうか!お前の奥さん!だもんな!ぎゃははは!!!ぶふぉっ、、、っ!?て、てめえ!」俺は気づけばヤンキーの顔面を殴っていた。

 「おい。クソヤンキー、菜乃花のこと馬鹿にしたらぶち殺すぞ。夜道気をつけろよ、、、あと、、、もう一発殴らせろ、、、ふん!!」俺はもう一回ヤンキーの顔面を殴った。さっきよりも、もっと強く。尻もち着いたヤンキーを見て、少し笑いながら、俺はヤンキーを思い切り蹴った。何発も、何発も、気が済むまでじゃない。こいつが息絶えるまでだ。動かなくなったヤンキーの髪の毛を持って立たせて腹を殴り、また床に放り投げた。「ふん!ふん!ふん!ふん!殺す!殺す!殺す!!!!!」俺はひたすら叫びながらヤンキーを殴り、蹴り、立たせて、転がし、を繰り返した。首根っこを掴んで、目止めを合わせて、グーパンをする。右のほっぺ、、、もっかい、、、もっかい、、、もっかい、、、もっかい!!!「次は、、、左だ、、、はいよいしょ!はいよいしょ!オルァ!ゴルァ!死ね!死ね!」左のほっぺも、ひたすらグーパンで殴った。もっかい、、、もっかい、、、もっかい!!!こんなんじゃ足りないよな?腹をもっかい殴った。まだ足りない。あ、水筒、、、水筒が目の前にあった。俺は気づけば水筒を手に取っていた。「ああ、これ当たれば痛いだろうなあ?なあ?クソヤンキー。返事しろや!おい!クソヤンキー!」俺は叫び、水筒をこいつの頭上まで持っていった。

 「山下ぁ!」クラスの誰かが、水筒で、俺の頭を殴った。痛かった。なにが起きたのかわからなかった。なんで?なんで俺がやられなきゃだめなんだ?俺、なんかしたか?ああ、なんかぼんやりしてきたな、、、ん?なんか手に血がついてる、、、俺の血?いや、、、こいつの血か、、、。そんなことを思いながら、俺はその場に倒れた。

 「おい!おまえら!なにやってるんだ!っ!山下!おい!大丈夫か!山下!!!!誰だ!誰が山下を水筒で殴った!」周りのみんなは黙っていた。誰も答えなかった。一人水筒を持っているやつが居た。「お前かぁぁぁぁぁ!!!!」先生は水筒を持っているやつの方を向いて怒鳴った。「お前!それはもう単なる犯罪だぞぉぉぉ!!!!」

 「で、でも先生!山下が!こいつのこと水筒で殴ろうとしてたから!」水筒を持っていたやつは反論した。

 「なんだおまえら、喧嘩が始まったときに止めればよかったんじゃないか?ん?違うか?こいつが!なんか言って山下を怒らせるようなことをしたんなら!注意するんじゃないのか?そこで怒った山下が!こいつに歩いていったときに!止めるべきじゃなかったのか!お前らは最後に被害者を加害者にするタイプの人間だ。失望したよ、、、早く!保健室につれてくぞ!はよ動かんかいボケナス!!!」


 「あ、目が覚めた?大丈夫?山下くん、どこかまだ痛いところある?」目が覚めたら保健室に居た。隣にはヤンキーが寝転がっていた。こいつは喧嘩では負けた事なかったらしい。

 「あ、はい」

 「だいぶ派手にやられたね、、、頭痛くないの?まだ痛いなら氷持ってくるよ?」先生は優しく声をかけてくれた。学校内で優しい先生はこの先生と担任の先生だけだな。

 「あ、もう痛くないです、、、ありがとうございます」俺は礼を言った。

 「いいのよいいのよ、、、それで!あんたはぁ!なんべんもなんっべんも!なんかい喧嘩すんのや!コラァ!」保健室の先生はヤンキーの方へ行き、ヤンキーの目が覚めたところに思い切り怒鳴っていた。さっきまでとは全く違う鬼の形相だった。二重人格じゃん。

 「あ、じゃあ僕はこれで帰りますね、、、ありがとうございました」俺はペコリとして、保健室から出た。は、はは、、、やっぱり、、、だーれも信用できないなあ、、、

 俺は教室へ戻った。俺が教室へ入るまではぎゃはぎゃは騒がしかった。俺のことを水筒で殴ったやつものんきにみんなと話してる、、、どうせ、『まじで殺しとけばよかったわぁ』とかなんとか話してるんだろう、、、俺の席を見てぎゃはぎゃは笑ってる。クソどもが。

 「あ!山下!大丈夫だったか!」こいつは電話でも心配してくれたいいやつだ。多分、、、もう誰も信用できなくなってきた、、、。

 「あ、うん、、、大丈夫だったよ」

 「や、山下、、、その、、、さっきはご、ごめん!」水筒で殴ってきたやつが謝ってきた。へえ、さっきまであんなにぎゃはぎゃは楽しそうだったのにね。俺が来た瞬間態度変えてきたよ、、、。頭おかしい、、、幼稚なクソガキどもが、、、近くにいるだけで寒気がする。

 なんでかはわからない。気づけば顔では笑っているのに、心のなかでは罵る言葉しか浮かんでこなかった。もう誰も信用できない、、、周りがみんな幼稚に見えてきた、、、。

 もうなにが正解でなにが間違いかがわからないや。もうどうでもいい。

 そもそも、、、なんでああいうクソ野郎共じゃなくて、菜乃花が事故に遭わなきゃいけないんだよ。あのクソガキどもが事故でくたばっちまえばいいのに。

 なんで、、、。


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