鴨川と大学生と1匹の猫
僕と君との新たな生活が始まった。
君も安心して過ごしてくれているみたいで
嬉しい。
今でも一緒に大学に行ってあの場所で
のんびり過ごしている。
「君と過ごして僕は変わったよ。」
君はお気に入りのクッションの上で
丸まっている。
そんな君に近づいて頭を撫でる。
「そうだ、今から散歩行こうよ。」
君は顔を上げこちらを見てから立ち上がる。
ゆったりとした足取りで玄関の方に向かう。
その姿を見ていたら、
振り返ってにゃお、と
急かしてくる。
ごめんごめんと謝ってすぐに向かう。
夏も終わり、
日差しが遠慮を覚えてくれたおかげで
少しは過ごしやすくなった。
僕たちは鴨川に来た。
ランニングしている人
ギターを弾いている人
ベンチに座っているカップル
もう少し南に下っていくと
等間隔で座る例のあれを見ることができる。
色々な人がいるなかで
僕たちは2人で散歩している。
本当に変わった。
誰かといることの楽しさを知った。
「秋学期になってようやく友達ができたからね。
そう。この前君に会ってもらった人。
いい奴だよ。」
川の流れる音が心地良い。
風が吹くと木々から
綺麗な音色が聞こえてくる。
僕のペースに合わせながら
歩いてくれる君は
尻尾ゆらゆらさせながら
ご機嫌に歩いている。
「散歩って良いよね。
大体歩く時は
どこかに向かって歩いているけど、
散歩はどこに向かうわけでもなく
ただ歩いている。
そして疲れたら帰る。
自由な時間だ。」
色々と制約がある世の中で
疲れた時には丁度良い。
色々な日常を見て、
そこから何かを感じて
また明日からの活力になる。
君との散歩もそんな感じだ。
これからも君と過ごしていく。
「楽しく幸せに過ごそうね。」
君はにゃお、と鳴いた。




