僕と1匹の猫との新たな生活
照りつける太陽。
聞こえてくる蝉の声
立っているだけで汗が出てくる。
本格的に夏が来た。
ベンチに座っている君は
暑さにやられたのか
だらーんと寝転がっている。
ここは日陰で多少暑さが
和らいでいるとはいえ
やっぱり暑い。
「夏だね。
今年もまた暑くなるみたい。」
額から滲み出る汗を拭く。
夏は好きな方だ。
どこまでも高く伸びて、
膨らんでいく雲を
眺めているだけで何だか良いなと思う。
暑いのは嫌だけど。
「もうすぐ初めての試験あるんだ。
大学の試験ってどうなんだろう?」
癒されるために横になっている
君のお腹を撫でさせてもらう。
何の反応もせず、撫でられている君を見て
笑みが溢れる。
春学期の試験がもうすぐ待ち構えている。
講義はできるだけ行っていたし、
ここ出るよと
教えてくれるのもあったけど
やっぱり不安だ。
「講義は計15回あるんだけどね、
途中で人が少なくなっていくんだ。
最後から2回目あたりから人が増えるんだよ。
中々面白かったよ。」
最後に出題場所を教えてくれるなら
それが効率良いよねとは思うけど、
あまりにもわかりやすくて増えるから
思わず笑ってしまった。
出席点があるところは
そんなこともなかったけど。
この試験が終わると夏休み。
出来るだけ会いに来ようと思うけど、
頻度は少なくなる。
今までは毎日講義を入れていたから、
土日以外はここに来ていた。
土日も何も予定がなければ、
ここに遊びに来ていた。
夏休みは実家に帰ってこいと親から言われているからどうしても戻らないといけない。
多分そう言わないと僕は帰らないと思われているのだろう。
確かに帰らないだろうから僕のことをよく分かっている。
となると会える回数が減ってしまう。
だからこそ提案をする。
「ねぇ、僕と一緒に住む?」
君は僕を見る。
君と出会って仲良くなってから
思っていたこと。
元々今住んでいるところは一応確認して
大丈夫だと確認している。
ここの職員さんも大丈夫だと言っていた。
「ここで会うのも凄く楽しいけれど、
もっと一緒にいたいんだ。
ここにも一緒に来ることだって出来る。
君が嫌じゃなければ、どう?」
僕は手を差し伸べる。
君はだらっとした姿勢から僕の手に顔を
擦りつける。
一陣の風が吹く。
僕はそのまま君の頭を優しく撫でる。
「ありがとう。
改めてこれからよろしくね。」
君はにゃお、と鳴いて
僕の足の上に飛び乗る。
これから新たな生活が始まる。
時折吹く風が緑の葉を揺らしている。
その風を感じながら、
新たな生活に思いを馳せる。




