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04.抹茶オレンジの恋心

七海と別れた陽咲と美鈴は、カフェに向かう。その道中、陽咲は少し顔を赤らめながら、ちらりと美鈴を見た。

心の中で、何度も自分を振り返り、言い訳をしていた。

それは、新堂くんと会った後のことだった。

彼に話しかける勇気が出せなかった自分に、少し後悔の気持ちがあった。

カフェの店内には、穏やかな音楽と共に、カフェラテの香りや焼きたてのパンケーキの匂いが漂っていた。

陽咲はその静かな雰囲気にリラックスし、心の中で少しだけ新堂くんとのことを考えた。


「ねぇ、陽咲。本当に抹茶オレンジを頼むの?」

陽咲は当然のような顔をして、すぐに答える。

「頼むに決まってるじゃない。淡路島のオレンジが使われてるんだよ。すごくフレッシュで、抹茶の苦みとオレンジの甘酸っぱさが絶妙にマッチするんだから。」

美鈴はその説明を聞いて、思わず目を輝かせた。

「それなら私も飲んでみる!すごく気になる。」

陽咲は美鈴の反応に満足そうにうなずきながら、返事する。

「あっ、これも注文しようよ。」

陽咲は、カフェのメニューを見ている美鈴の手を軽く叩いた。

目の前にあるメニューの中で、もう1つ気になっていたものがあったからだ。

「見て、美鈴。これ、抹茶オレンジのケーキだって。絶対、これも頼まないと!」

陽咲は興奮気味に言った。

美鈴はそのケーキを見て、また目を輝かせた。

「うわぁ、すごく美味しそう!でも、ちょっと甘いかもしれないね?」

「それが良いんだよ。甘いだけじゃない、抹茶とオレンジの絶妙なバランスが味わえるんだって!」

陽咲は断言しながら、すでにケーキの注文を心の中で決めていた。

美鈴は少し考えてから、にっこりと笑った。

「よし、じゃあそれも頼んじゃおう。今日は抹茶オレンジ祭りだね。」


二人は笑いながら店員を呼び、オーダーを済ませる。

しばらくして、待ちに待った抹茶オレンジのドリンクとケーキがテーブルに運ばれてきた。

陽咲は、まず抹茶オレンジのドリンクを一口飲んで、その味にうっとりとした表情を浮かべた。

「ああ……やっぱり、美味しい!このオレンジのフレッシュな甘さと、抹茶の深い苦味が絶妙に絡み合って、ほんとに幸せ。」

美鈴も一口飲んで、同じように顔をほころばせた。

「本当に美味しい。オレンジってこんなに抹茶と合うんだね。でも、これって新堂くんに会った後だから、余計に思い入れが強くなっちゃってるんじゃない?」

陽咲はその言葉に少し驚き、顔を赤くしながら答えた。

「そ、そんなことないよ!ただ、何だか……不思議な気持ちになってるだけ。」

美鈴はクスっと笑いながら

「でも、陽咲が新堂くんのことを考えてるの、分かるよ。顔に出てるもん。」

と、冗談めかして言った。

陽咲は必死にその話題を避けようとしたが、心の中で美鈴の言葉がぐるぐると回る。

確かに、新堂くんに出会ったことが頭から離れない。

彼と会ったあの日、何か心に残るものがあった。

そして、それが今、自分の中でどんどん大きくなっていることに気づいていた。


「でもさ、美鈴……」

陽咲は少し照れくさそうに話を続けた。

「実は、新堂くんにどう話しかけたらいいか分からないし。」

美鈴は静かに陽咲を見つめた後、ゆっくりと口を開いた。

「陽咲、それが恋ってもんだよ。最初はみんな緊張するし、何を言っていいか分からない。でも、勇気を出せば、きっと心が通じるよ。」

陽咲はその言葉を噛みしめるように聞いていた。

「うん……そうだね。でも、どうしても勇気が出なくて。」

美鈴は優しく笑った。

「でも、陽咲が迷っている間にも、時間はどんどん過ぎていっちゃうんだよ。勇気を出して、話しかけてみたら、きっと後悔しないよ。」

陽咲は美鈴の言葉をしばらく黙って聞いていた。

カフェの窓からは、穏やかな午後の日差しが差し込んでいる。

陽咲はその光の中で、美鈴の言葉がゆっくりと心に響いていくのを感じた。

「ありがとう、美鈴。」

陽咲は心の中で、少しずつ前に進む勇気を持てた気がした。

そして、次に新堂くんに会ったとき、少しだけ自分を出せるかもしれないという希望が芽生え始めていた。

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