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進化
悲惨なことというのは大抵立て続けに起こるもので、
村に戻った我々を歓迎したのは真っ赤に染まり変わり果てた女子供、そして老人だった。
ここで何があったかを生き残りに訊くのは簡単だった。
しかし訊くよりも先に分かった。
「熊だ」
あいつが暴れたのだ。あいつの爪だ。
俺のさっきまでぶるっていた体が悲鳴と共に動き出した。
走り、走り、走った先、
——————俺は、最愛の妻を失った。
唯一、俺を救ったのはおぎゃあと泣いたその声。
———あぁ、まだ生きてる。
———だから、なんだ。
この子との時間より、妻と過ごした時間のほうが長い。
そんなすんなり心は癒えない。
俺は失意に暮れ、永遠の暗闇を我が魂と脳の中で彷徨った。
人生が、分からない。
孤独が、分からない。
いつの間にか冬になった。
村の連中が身の回りの世話をしてくれていたが、そろそろ慰めるのにも疲れたか、最近どんどん人が減っていく。
その度、わがままだけど、より失意の中に深く深く嵌っていく。沈んでいく。
———何も、できない。
———そしてまた悲劇が生まれるんだ。
熊がまた降りてきた。そして、虐殺したのだ。
———俺の目の届かぬところで。
安心した。




