第43話 最終話 「灯台の微光は、永遠に」
第43話 「灯台の微光は、永遠に」
夜の灯台荘は、いつものように穏やかだった。
二十三人の息遣いと、波の音、そして回転灯の静かなリズムが、すべてを優しく包み込んでいる。海人は最上部で、遥のペンダントを胸に当て、静かに微笑んだ。
遥の最後の行動——冷たい波の中で子どもたちを押し出し、微笑んで灯りを託した瞬間——
そのすべてが、今、ここにいる一人ひとりの胸の中で、確かに生きている。悠真は美咲の肩を抱き、掠れた声で小さく「ただいま」と呟いた。
美咲は涙を浮かべながらも、穏やかな笑顔で兄の胸に寄りかかった。
あかりは二人の間にちょこんと座り、小さな手で二人の指を握っている。
澪は翔太の写真を胸に当て、静かに頷いた。奏と響子は、ギターとバイオリンで優しい調べを奏で続け、
皆の心に、微かな光を届けている。海人は皆を見下ろし、心の中で遥に語りかけた。(遥……
君の予感は波となり、
君の最後の行動は光となった。
ここに集ったすべての痛みと喪失が、
今、互いの灯りで照らし合っている。
この灯台荘は、
「ただいま」を言う場所であり、
「行ってきます」と言える場所になり、
そして、失ったものを優しく取り戻す場所になった。……
ありがとう。
君の残した微光は、
これからも、決して消えない。)風が、皆の頰を温かく撫でた。
回転灯は、静かに、優しく、夜の海を照らし続けた。




