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この連載作品は未完結のまま約半年以上の間、更新されていません。
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親不孝高校 3年D組【Forever Yong (追憶の中での青春)』】

作者:野松 彦秋
コロナ明けに、何年かぶりに故郷へ帰った野末良太(46歳)は、実の父との会話の中で高校時代の担任丸井の死を知る。

その日、良太はホテルのベットで恩師丸井と過ごした高校の2年間を思い出す。

『野末、オメェ、何か暗いんだよな、・・・ンダナ、ヨシ、じゃあ、オメエ、委員長やれ、クラスの委員長、副委員長は・・・、そうだな・・・イシイィ、オメェがやってくれ』

高校2年の初日、自己紹介をさせられた後、直ぐに百貫デブの担任が私にそう声をかけて来た。

『・・・・』

私は、初対面の者が大多数の教室で、いきなり目立つ自分が恥ずかしく、何も言えなかった。

そんな私とは、対称的に副委員長に指名された新しいクラスメート(男)は、聞きなれない一人称で、新担任に反論した。

『何でェ、アタシなのよ、アタシ忙しいのよ、色々と』

少し甲高い少年のような、いやオバサンのようなオネェ言葉で、石井と呼ばれた生徒は席に座ったまま、断ろうとする。

『・・タカシ、忙しいって何が忙しいんだ?』

担任丸井は、ニヤニヤしながら、まるで石井を昔から知ってるかの様に親し気に聞く。

(あれ、この二人・・・今日が、初対面じゃないのか?)

私は、確かそう不思議に思ったのを覚えている。

『・・・・、そりゃぁ、もちろん・・・勉強とか』

明らかに、嘘だと分かる様に、石井は大きく言うと、新しくクラスメートになった連中は声を出してドッと笑う。

『ウソこくなぁ、オメエなんか、教科書持って帰った事なんかねぇべ』


『せんせぃ、馬鹿にしないでくれるぅ・・・・・まあソウだけどさぁ』

『・・・ああ、分かったわ、ヤルワヨ、メンドクサイ事は、委員長の子。エェ~と、誰だっけ、アッそう、野末君に頼むから・・』

それが、私の恩師と人生の中で一番の悪友との出会いであった。

1995年、就職氷河期の真っ最中、少子化が不安視され始めた時代、しかし未だ色々な面で緩かった頃の話である。
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