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おじさんという生き物が異世界に転生し若返って無双するキモい話  作者: 埜上 純
第七章 千年王国交差編

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第231話 誇り高き騎馬民族トゥルガイ

「何者だ、貴様たち!」

 集落に近づくと、馬に乗った男がそう叫びながらやってきた。

 鎧ではなく、見慣れない装飾があちこちに施された、民族衣装のような革の上着を着ていた。手には槍を構えている。


 馬車が止まると、ウィルは剣と盾を馬車に置いたまま降りた。

「驚かせてすまない。我々は通りすがりの冒険者だ」

 ウィルは両手を上げて、男に話しかけた。


「冒険者だと?」


「ああ、そうだ。ハイデルンへ行く途中なのだが、相方の異界人いかいびとが、せっかくの巡り合わせだし寄ってみようと言い出してな」

 ウィルは人懐っこい笑顔を見せた。


(は? たしかに似たようなことは言ったが……)

 ミズトも杖をしまうと、両手を見せながら馬車を降りた。


「ほう、この世界の者と異界人いかいびとの組み合わせか、珍しいな。ここは誇り高き騎馬民族トゥルガイの集落だ。俺たちは敵意のない者を無下にしたりはしない。武器を持たないというなら、族長のところへ案内してやろう」

 男はウィルの迷いのない瞳を見て、毒気を抜かれたように槍の構えを解いた。

 ミズトには警戒心が消えたのが分かった。


(おいおい、受け入れるの早くないか?)


【ウィルさんの持つ特性と思ってください】


(なるほど、たしかに人たらし的な要素があるかもな、こいつ)

 ミズトはエデンの説明を妙に納得した。




 それからミズトとウィルは、男に一番大きなテントへ案内された。

 どのテントも、男の着ている革の服と同系統の装飾が施されているが、このテントだけ特別な装飾なのだとミズトでも分かった。


 中に入ると、その特別な装飾と同じ革の服を着た、三十代半ばの男が座っていた。

 レベル65の人間で、彼が族長のようだ。


「よく来た、旅の方々よ。私は騎馬民族『トゥルガイ』の族長ケイリアスだ。我ら誇り高き騎馬民族『トゥルガイ』は、旅人を同志として迎え入れ、必要であれば手助けをしている。何か困ったことがあれば何でも言ってくれ」


 騎馬民族『トゥルガイ』の族長ケイリアスは、背筋を伸ばし、微動だにせずミズトとウィルを見て言った。

 悪意や敵意は感じない。彼の言葉に嘘偽りはないのだろう。


「おお、それは有難い言葉だ! 俺は冒険者のウィル。こっちが相方のミズトだ!」


「そうか。ウィル、ミズトよ、よろしく頼む。それで、二人はそれなりの冒険者に見えるが、何に困っているというのだ?」

 ケイリアスはウィルに返した。


「いや、なに。俺たちは冒険者だ。キミたちが困っている旅人を助けるように、冒険者ってのは困っている人々を助けるのが仕事だ」


(いや……違うと思うが……)


「だから冒険者である俺たちは、キミたちが困っていないか聞きたい! 困っていることを手助けに来たんだ!」


「なんと!? この我々を助けにだと?」


「ああ、そうだ! 何でも言ってくれと言うなら、困っていることを俺たちに教えてくれ!」

 ウィルは屈託のない笑顔で言った。


「我らの困っていること……はは……はははははっ!! 愉快! なんて愉快な男だ、ウィルよ!! 我らが誇り高き騎馬民族であるように、おぬしは誇り高き冒険者というのだな!!」

 ケイリアスは楽しそうに笑っている。


「そのとおりだ! 俺は冒険者として、人々を救うことに誇りを持っている!」


(誇りって……あなた冒険者としては新人みたいなもんですけど……)


「気に入った! 気に入ったぞ、ウィル、ミズトよ!! 人々を助ける誇りを持った二人を、我ら騎馬民族『トゥルガイ』は歓迎する!!」


(んんん……俺も一緒にくくられるのは……)

 ミズトは逃げたい気持ちでいっぱいになった。


「ウィル、ミズトよ、ちょうど食事の時間だ。食べていくがよい! 我らとおぬしらの旅路が交わったこの瞬間を、一緒に祝おうではないか!! 宴だ! 皆の者、宴を開くぞ!!」


「おおおぉぉぉぉ!!!」

 ケイリアスの言葉に、周囲にいた『トゥルガイ』の男たちは歓声を上げた。


(まさかここで飯食ってけって言ってるのか!? 少数民族の集落なんて、どんなもの食わされるのか……)


【ミズトさん、それは侮辱であり、極めて失礼に値します】

 エデンが注意するように助言した。


(ああ……もちろん分かってるが、そういうの苦手なもんは苦手なんだから、仕方なくないか? ゴーレム飯の方が全然マシなんだけど……)


【ミズトさん、諦めてください。せっかく歓迎してくださっていますので、お気持ちに応えましょう】


(だから、分かってるって言ってんだろ……)

 ミズトは満腹なふりをするか、小食のふりをするか、なるべく食べないで済む言い訳はないか必死で考えていた。

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― 新着の感想 ―
ウィルのような自己中に振り回された経験があるからウィルには嫌悪感しか湧かない せめて自分の行動による他人への影響力と責任を自覚してやってるならまだいいが無知なままノリと気分で動いているのがダメすぎる。…
おじさんと相性悪すぎるw 馬乳酒とか癖強いし羊系も匂いキッツイし土人飯は現代人には無理ゲー おじさんがんばえ!
ウィルに巻き込まれる失礼なおじさん
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