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おじさんという生き物が異世界に転生し若返って無双するキモい話  作者: 埜上 純
第六章 ロストダンジョン編

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第217話 何一つ届かない何か

「こ……この、ニヤけてんじゃねえぇ!!」

 ジンは再び拳をミズトに叩き込む。


 しかし、ミズトに攻撃が当たっても、ビクともしていない。

 ジンは何度も何度も攻撃を続けるが、ミズトは身動き一つせず、ジンを見下すような目で見ている。


「ば……ばかな……。どうなってやがる……クソが……!」

 ジンは息が切れ、大きく肩で息をしながら言った。


「どうした? そんなもんか? 脳みそに栄養が足りねえと、ノロマなだけじゃなく貧弱みたいだな、ふっふっふ」


「何笑ってやがんだぁっ!!!」

 ジンの膝蹴りがミズトの顔面を直撃するが、傷をつけることさえできない。


「クソがクソがクソがぁ!! てめえだけは、てめえだけは許さねえ!! 必ずぶっ殺す!!!」

 ジンはポケットから覚醒石を取り出すと、青い光に包まれた。


「お子ちゃまの切り札か? ほら、最後にしっかりやってみな」


「舐めんな、コラァァァ!! 爆裂破ぁぁぁぁぁっ!!!」

 ジンの拳が輝きながらミズトに命中した。同時に周囲へ衝撃波が広がりテントや物資が吹き飛んだ。


 それはレベル75のノワール幹部すら大きなダメージを負う攻撃だったが、ミズトには子供に叩かれたほどすらも感じない。

 ミズトとジンには天と地ほどの実力差があるのだ。


「なっ……!? なにが……どうなって……んだ……?」

 ジンは何一つ状況が理解できない。


 元の世界でも腕っぷし一つで生きてきた。

 喧嘩の強さだけが自慢だった。


 この世界でも大きな力を手に入れ、拳一つでてっぺんを取るつもりでいた。

 しかしどういうことだろうか。自分の拳が何一つ届かない何かが、目の前にいるのだ。


「じゃあ交代だ」


「ぐえぇっ?!!」

 今度はミズトが拳を叩き込むと、ジンは巨体を大きくくの字に曲げ血を吐いた。


「な……? な……?」

 ジンは体重を支えるのがやっとのように、身体を曲げたまま一歩一歩、足が下がっていくが、ギリギリのところで倒れない。


 ミズトの攻撃は、当然マジックシールドによりダメージを減らされていた。

 しかしケンスケたちの時よりも、少しだけ動けるようにエデンは加減していた。


(よしよし、エデンさん、良い調整だ)


【五発まで耐えられる調整にしております。六発目で死亡します】

 エデンは事務的に報告した。


「ならあと四発だな」

 ミズトはそう言って、二発殴り、二発蹴り飛ばした。


「ぐはっ…………」

 ジンはミズトの攻撃に耐えきれず倒れた。


 ケンスケたちと同じように、気を失うことなく地面でピクピクと痙攣している。

 ミズトは倒れたジンの元に立つと、見下しながら初級ポーションをかけた。


「…………!?」

 傷が治り、体力が回復したジンは、慌てて立ち上がりミズトから距離をとった。

「て、てめえ……何を考えてやがる……。今さらポーションで回復させたからって、許すつもりはねえぜ……」


「五発じゃ足りないんだよ」

 ミズトはジンに近づいていった。


 ジンは一瞬躊躇したが、近づくミズトに攻撃を仕掛ける。

 だが、それを遥かに凌ぐ速さで、ミズトはジンを殴った。


「ぶわっっ!? ぐわっっ!? がっ……!! おげっ?! っっ!??」

 五発連続で殴りつけると、ジンは力尽きたように倒れ掛かる。


 しかし、倒れるジンの髪を掴んで、ミズトはそれを許さなかった。

「五発でこのザマか?」

 ミズトは戦意のないジンの顔を覗き込むように言うと、再び初級ポーションをぶっ掛けた。


「なっ!? なっ!? なんなんだ……てめえ……!」

 回復したジンは、明らかに戸惑いを見せる。


「安心しろ。初級ポーションはいくらでもある」

 ミズトはそう言うと、一瞬でジンとの距離を詰め殴り飛ばした。

 そして、今度は連続ではなく一発一発を大事にするように四発殴り、倒れたジンを十秒ほど眺めてから初級ポーションをかけた。


「次は蹴りだ」

 今度は五発蹴り飛ばし、初級ポーションをかける。


「半々ってのはどうだ」

 三発殴り、二発蹴り飛ばす。

「蹴りが多めのほうがいいか?」

 二発殴り、三発蹴り飛ばす。


 ミズトは五発攻撃して初級ポーションで回復させることを、それから何十回と繰り返した。

 途中、十五回を越えたあたりから、回復直後にジンは逃げ出そうとするが、ミズトはとっ捕まえて、それを許さなかった。


「ま……待て……。て、てめえは人間ってのも偽装か? 異界人いかいびとのマネ事なんかして……いったい何もんだ……?」

 ジンがミズトに手の平を向けながら言った。


 ミズトは怯えだしているジンに近づき一撃を入れた。


「ぐぇっ!??」


「誰がしゃべっていいと言った?」


「ま……待て……待ってくれ……」


 ミズトは問答無用でジンを四発殴ると、地面に這いつくばるジンを見下しながら、

「しゃべるなと言ったんだ」

 と、そのまま数十秒放置してから、初級ポーションをかけた。

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― 新着の感想 ―
いいね。読者的にもここまでで溜まったヘイト&ストレスを解消するために、徹底的に「お話」してもらわないとね。
ヒュー!おじさんかっこいー! 死人もいるだろうし後処理は被害者の会にでも任せる方が精神的にも良さそう
力こそ正義的には、新たな長みたいな感じになれるかな?ジンだけは逃げそうだけど。 ヤバ騎士たちに異世界人が蹂躙されないように、ある程度強い異世界人には死んでもらっちゃ困るのが難点だね。
2026/01/03 22:02 退会済み
管理
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