表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/48

二十三.楽しい年始

休息の一時に嵐がやってきた。


「あけおめーーー!」


騒がしい者がやってきた。


「ん?……あっ。僕寝ちゃってたんだ」


ドカドカとあがってくる。


「あっ! リエル、あけおめー!」


「あぁ。おはよー」


布団にくるまりながら返事をする。


「ねぇ、お餅持ってきたんだ! 食べよ?」


「お餅? 何それ?」


「モチモチしてて美味しいんだよ?」


「食べる!」


飛び起きて、布団を片付ける。

すると、渉も起きてきた。


「騒がしいぞ日向! 俺らは朝まで働いてたんだからな!?」


「わかってるわよぉ。だから、お餅持ってきてあげたんじゃん」


唇を尖らせながらいじけている。

両手を腰に当てながら。

怒っているぞアピールをする渉。


「リエル、着替えてきた方がいいぞ? それ、汚れると不味いぞ?」


「あっ、そうだね! 着替えてくる!」


奥にドタドタと着替えに行く。


「初めての年末のお仕事はどうだったの?」


「あぁ。こんなに忙しいとは思わなかった。リエルにも絡んでくる奴がいて忙しかったし」


「何それ?」


「レイン交換してくださいって人が何人いたかな? 覚えてないくらいいた」


「ふぅーん」


また唇を尖らせて不機嫌になっている。


「お前さぁ、今はリエルがまだ恋愛とかかんねぇからいいけど、分かり始めたらモテてしょうがねぇと思うぞ?」


「リエルはそんな風にはならないよ」


「まぁ、たしかに想像は出来ねぇな」


「でしょ?」


「でもよぉ、他にも仲が良くなる人がいるかもしれねぇよ?」


「んー。そうなんだけど、なんか独り占めしちゃいけないような気がしてるのよね。なんかリエルって神様みたいって言うか、人を超越してる気がしてて……」


「あー。なんか分かるわ。達観してるよな?」


「うん。だから、この前みたいに落ち込んだ時とかに助けてあげれればいいなぁって」


「そうだな」


二人で話していると。

奥からリエルがやってきた。


「何話してたのぉ? 良く喧嘩しなかったね! エライエライ!」


2人にそういうと。


「子供じゃねぇんだから喧嘩しねぇよ」


「そうよ?」


「いつも喧嘩してるくせに……じゃ、お餅やろう! どうすればいいの?」


「ここってトースターあるっけ?」


「あるよぉ」


台所に3人で向かう。


「焼くの?」


「最初に食べるならそれがいいかなって」


「定番だよな?」


トースターに3つ餅を置きハンドルをひねる。


「よしっ! あとは、つけるの……どうしよ?」


日向がオロオロし始める。


「どうやって食べるか考えてなかったのかよ?」


「うぅ。どうしよ」


リエルは食べ方が分からないため首をひねっている。

渉は少し考えている。


「砂糖醤油でいいんじゃね?」


「そうね! それならあるわよね!」


「へぇ。醤油に砂糖入れるの?」


「そう! 美味しいわよぉ!」


「楽しみだなぁ!」


キラキラした顔をしながら。

皿に砂糖醤油を作る。

トースターがチンッとなった。


餅を取り出す。

膨らんでいていい感じである。


「凄い! なんか膨らんでる!」


「食べよ食べよ!」


リビングに戻りテーブルを囲む。


「「「いただきます!」」」


熱いが、素手で餅を掴む。

砂糖醤油に餅をつけて食べる。


「あふあふ……」


噛んだ後の餅が伸びる。


「うーん! モチモチしてる! おしひぃね!」


嬉しそうなリエルを見て。

日向は嬉しそうである。


「良かった! これだからお正月は良いのよね!」


「お正月しか食べないの?」


「そうだな。それ以外で見た事ねぇかな」


ふぅーんと言いながら餅を食べている。

美味しかったようでニコニコして幸せそうである。


「美味しかったぁ」


「ね? 持ってきてよかったでしょ?」


「ありがと! 日向!」


この笑顔にドキドキしてしまうのは慣れない。

渉に言われたことが頭をよぎる。

やっぱり独り占めしたくなってしまう。


玄関が開く音がする。

誰か入ってきた。


「なんじゃ、日向。来ておったのか」


「えんじいお疲れぇ。餅持ってきて食べてたんだぁ」


「ワシも昼ご飯に、貰おうかのぉ」


「喉に詰まらせるよ?」


「大丈夫だとじゃわい! みんな分の雑煮を作ろうかのぉ」


そういうと台所に消えた。


「まだ違う食べ方があるんだねぇ!」


「そうよ! 汁の中に餅を入れるのよ」


「柔らかくて美味しくなりそう。手伝ってくる!」


リエルは台所に行くと。

再び2人っきりになった。


「リエルのことどう思ってんだ?」


「何よ。急に」


「いやぁ、少しはフォローしてやれるかなと思ってよ?」


「いいわよ! そんなの! 自分でも分かんないのよ。独り占めしたいし、笑顔を見るとドキドキする。でも、告白は怖くて出来ない。っていうか、言ったところで恋愛としての好きとか、分かんなそう」


「そう……だな。今のところ女の人に興味があるわけでも無さそうだし、かといって男に興味があるわけでもなさそう。食い物に対する執着はすごい」


「ははは! そうね。特に」


「「肉!」」


「「はははは!」」


「あれは、衝撃よね?」


「あれが本性なんじゃねぇかと思えてくるけどな」


「それは怖いわね」


「まぁ、これからどうなって行くかだな。あっ、そう言えば何時だか神社継ぐとか言ってた気がするな」


「えぇ!? そうなの?」


驚いて目を見開いている。

この神社を継ぐなど家族はみんな拒否したのに。

そこにリエルがやってきた。


「できたよぉ! 美味しそうでしょぉ」


お盆に乗せて雑煮を持ってきた。


「美味しそう! じゃなくて、リエル! あんた、神社継ぐってホント!?」


「んー。継ぐことが出来ればいいなとは思うけど、色々手続きが必要みたいで。どうなるかわかんない」


「どうにか出来れば継ぐのね?」


「うん。そのつもり。ここが好きなんだ」


外を見ながら答えるリエル。

その顔は外から光が差し込み。

神のような様相をしていた。


「そう。ありがとう」


「ん? なんで日向がお礼を言うの?」


「一応、うちの家系だから」


「あっ! そっか! いいんだ。ここの仕事すきだし。ここで、相談窓口みたいなの作ろうと思ってるんだ。もっと、色んな人を救いたくて」


「そう……なんだ。なんか色々考えてるのね」


「うん。この前救急隊の人に相談した時に、そういう事をしたいって言ったらいいんじゃないかって言って貰えたから」


「えんじいはなんて?」


「やってみればいいって言ってくれた!」


「そう」


日向はリエルが遠くなっていく気がしていた。

人ではない高みへ行ってしまいそうな。

そんな、予感がしていた。


「早く食べよ?」


「うん!」


雑煮をパクリと食べる。

これも餅が伸びるがさっきと違い柔らかい。


「うーん! これも美味しい! 柔らかぁーい!」


パクパクと食べていく。


「リエルや、喉に詰まらせるでないぞ?」


「ゴホッゴホッ!」


「言わんこっちゃない!」


餅を出すリエル。

笑いながら再び食べ始める。


「これ、危ないね!」


楽しそうに食べるリエル。

それを見ていた日向は。

今年も1年、皆で笑って過ごせる。

そんな楽しい1年になればいいなぁ。

そう思って今の一時を過ごすのであった。

面白いと思って頂けた方、ブックマークと下の評価を して頂ければ、大変励みになります!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=952606491&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ