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二十一.パーティ再び

小林さんと話をしてから帰ってきた2人は。

夜のパーティーの準備をしていた。


「リエルー? お前もう大丈夫なのか?」


「うん。僕って人を助けたいだけ、それしか考えてなかった。その先の事とか何にも考えてなかったんだって気付かされた。昨日の人も助けた後に話を聞いてあげれればよかったのに……大丈夫だといいんだけど」


「でもよぉ、この神社でその小林さんに紹介された人の相談に乗るんだろう?」


「そう。出来ればいいなって」


「まだ先の事じゃと思うぞ?」


えんじいが会話に割って入る。


「あぁいった命を預かる現場が紹介するんじゃ。相当信用されるところじゃないと紹介などされん。小林くんが働きかけてくれるが、実現するかどうか……」


「うん。そうなんだよね。でも、噂は流してくれるって言うから」


「そうか。まぁ、一先ずパーティーを楽しむとするか!」


「うん! そうだね! 昨日はごめんね」


「元気になったからいいんじゃねぇか? 日向も分かってくれるだろ」


「うん! よーっし! 美味しいの作るぞぉ!」


3人でパーティーの為の料理作りをしていた。

麺料理を作り、肉を温め、スープを作る。

そうこうしているうちに日向がやってきた。


「おはよー!」


「あっ! おはよう!」


リエルが笑顔で迎える。


「リエル! あんた大丈夫!? 昨日のリエルは相当おかしかったわよ?」


「うん。えんじいのおかげで吹っ切れたよ」


「ふぅーん。ま、元気になったならいいんだけどぉ」


「うん。心配かけてごめんね?」


両手を胸の前で合わせる。

上目遣いで言われた日向はその破壊力に胸がやられる。


「ぐふっ」


胸を抑えてよろめく。

キュンが止まらない状態である。


それを見ていた渉は横で呆れている。

またやってるよ、と。

リエルのその素の行動で日向の心臓はバーストしそうになっている。


「い、いいわよ。気にしてないわ」


「うん! ありがと!」


ニコッと笑うその笑顔に。

再び心臓が暴れる。


「は……入っていい?」


「あ、もう少しでできるから待ってて!」


「いいわよ。私は飾り付けしてるね! 折り紙持ってきたんだぁ!」


「えっ!? なになに?」


日向の出した折り紙を見ると色々な模様や色々な色の紙をひろげた。


「こんなに色んな色の紙があるんだねぇ」


「そうよ。そして、これをテープみたいに切って、丸めて繋げるの」


出来たのは折り紙の輪っかだ。


「おぉー! すごい日向! 繋げる?」


「そう。もう一個切ったのをこうやって」


そう言って2個目を繋げる。


「ホントだ! ずっと繋がるじゃん! 凄いねぇ!」


目を見開いて驚いている。

日向からしてみたらこんなの常識だと思ってしまうが。

紙のない所から来たリエルは。

切れるハサミにも驚いたものであった。


日向と一緒になって飾りを作り始めてしまった。

集中している2人。

30分ほど作っていただろうか。

長々とできた飾りを部屋の壁に等間隔で画鋲を止める。


「おぉぉぉーーー。キレイだねぇ」


「うん! いいんじゃない?」


それなりに、パーティーっぽくなった。

台所からやってきた渉。


「リエルー! なんで来ねぇんだよ!?」


「ごめん! 飾り付けに夢中になっててさ……」


「ん? 確かにきれいな飾りだな」


「そうでしょー!? 私が用意してきた折り紙で作ったんだからねぇ!」


腰に手を当て胸を張りながら答えた。

それは凄いドヤ顔で。


「はいはいー。ありがとーございまー」


「なんなのよ! その返事は!?」


また喧嘩を始めそうになっている2人。

リエルが間に入る。


「はぁいはぁい! 料理できたの? 出来たんなら早く運んでこようよ! お腹空いたよぉ」


そう言いながら台所へ行く。


「えんじい? 準備できた?」


「できたぞい。皆で持って行くんじゃ」


「はぁい! 2人とも、運ぶよー!」


台所から2人を呼び、皆で料理を運ぶ。


「では、いただきます」


「「「いただきまーす!」」」


リエルはさっそくローストチキンから食べる。

ガブと被りつく。

皮はパリパリ、中がジューシーで。


「うんまぁぁぁぁぁぁ! なんじゃこりゃ!」


肉が上手いと急に男らしくなるリエル。

どういう生体なのか。


「リエルって面白ぇな」


ケラケラ笑いながら見ている渉。


「こうなってるリエルはなんか好きじゃないのよねぇ。可愛くなくて」


「ははは! 男らしくて俺はこっちの方がいいけどな」


「むぅ。リエルは可愛いのがいいんだから!」


静かに言い合っている2人を後目に。

パスタと肉を交互にパクパク食べている。

うんめぇぇといいながら。


日向は割と少食なので。

チビチビ食べていた。

実はケーキを楽しみにしているのだ。


ご飯を食べ終わると。


「ねぇねぇ! ケーキっていうの食べよう!」


「ホールで買ってきたんじゃろ? ナイフを持ってこんとな」


立ち上がろうとするえんじいだったが。


「ううん。小さいの1個ずつにしたよ? みんな食べたいのをそれぞれ買ってきたんだぁ」


そう言って持ってきた箱を開ける。


「私、チョコレートケーキ!」


シャッと奪っていく日向。


「日向! お前はほんとにはしたない!」


「いいじゃない! 楽しみにしてたんだから!」


「後は、ショートケーキだろ? 分けようぜ」


「うん! 自分でとって食べよう!」


自分のお皿に乗せ。

フィルムが付いているのを知らないリエルは。


「ねぇ、この透明なやつ食べるの大変じゃない? 噛みきれないよ?」


「ブッ! それは食うやつじゃねぇんだよ!」


「えっ? そうなの? モグモグ」


「口から出せ! 捨てろ! それは剥がすだけなの!」


「へぇ。てっきり食べるのかと……」


今度こそケーキである。

スっとフォークを入れ。

口に運ぶ。


「!?」


硬直する。

目を見開いて固まっている。


「どう? リエル? 美味しいでしょ?」


日向が感想を聞くと。


「おいひぃ~」


フニャンとした顔になる。


「なんて顔してんだよ……」


渉が半笑いで見ている。

日向は笑いながら。


「あっはははは! ふにゃんってなってる! その顔可愛い! 甘いの食べるとふにゃんってなるの!? 新発見!」


なんかの動物のようだ。

リエルの顔はふにゃんとなったままだが。

その顔のまま食べている。


「リエルも甘い物には目が無いようじゃのぉ」


えんじいもニコニコしながらケーキを食べている。

甘い物が嫌いではないようだ。


「んーーー! やっぱりチョコレートケーキよねぇーー! 美味しい!」


日向もリエルに負けず劣らずふにゃんとしている。


「あははは! 日向可愛いね!」


指をさされて笑われる。

可愛いという言葉に反応し顔に血液が流れてしまう。


プシューーーーッ


と顔から湯気をあげる日向。

可愛いという言葉に慣れていないのだろう。


「ホッホッホッ! 日向もそんなに顔を赤くすることもあるんじゃのぉ!」


「えんじい! うるっさい!」


「日向。口が悪いよ?」


リエルに宥められる。

急に大人しくなる。


「ホッホッホッ。日向も形無しじゃな。流石はリエルじゃ」


むぅといいながら大人しくケーキを食べている。

今日は遅くなってしまった。


また、渉と2人で日向を送る。


「あー! 楽しかったね!?」


「うん! そうだね! 楽しかった!」


「あぁ。そうだな」


同年代でこんなに仲良くできるのは。

それぞれ初めてであった。

綺麗な星を眺めて3人の出会いに感謝したリエルであった。

ほかの2人も同じ気持ちかな?

3人の物語はまだまだ続く。

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