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将校の勇と幽霊少女  作者: 豊田 玲
1/5

君と出会い

将校とは

軍の階級の事で

少尉、中尉、大尉、少佐、中佐

を指す

戦場の最前線にたち

小隊、中隊、大隊の隊長を務める責任者となる


高級将校とは

大佐、少将、中将、大将

を指す

主に司令室から作戦の指揮を取り

戦場においては非常に重要な役割を担う

ムスカはここにあたる

「おい、葡萄とみかんを買って来てくれ。いつもの店だ」


毎週土曜日になると俺は部下にこの命令をする

土曜日の夕方は俺の想い人が好きだと言った日だからだ

部下が買ってきた決して高くもなくキレイでもないこの葡萄とみかんをいつもの場所に持っていく

そこは、寺の中にある墓地だった

その中のとある墓に俺は毎週欠かさずこれを供えている

俺は墓に供える前に住職に顔を出した


「こんにちはーまた来ましたー」

「やぁやぁ、、、毎週欠かさずあなたも一途だ。律儀だねぇ」

「えぇ、これが俺の償いですから」

「君がこれを始めたのはもう10年も前……まだ少尉だったかな」

「はい、もう俺も高級将校の少将ですよ」

「……彼女は怒って居らんじゃろ。君の想いは知ってたんじゃないのかね?よくも、、わるくも、、、」

「知ってたとしても、俺の口から伝えられなかった。この罪は大きいです」

「固いのぉ」

「お互い様です」


そう、10年前俺の身に起きた

不思議で

楽しく

切ない出来事



────10年前



俺は当時山口少尉として小隊を引き連れ戦場に出向いていた

そして自らが立てた作戦により敵小隊を壊滅

近く表彰される予定だった

そんな頃、俺の基地ではおかしな事が起きていた


食べ物が異常に早く腐るのだ


表彰の前にこれの調査を任された

そんなある日の夜


皆が寝静まった夜

俺は一人書類を書いていた

しばらく書いているうちに腹が減ったので

夜食でも食おうと食料庫へと来た

すると中から音が聞こえる


食べ物を早く腐らせてる犯人か

敵かスパイか


銃を握り食料庫の扉に手をかけ耳を立てた


『ハムハムハムハムムシャムシャ』


なにかを食べてる

俺は素早く銃を構え扉を開け部屋に入った


「動くな!!何者だ!!」


「ひゃああああああああああああ!!!!」


猫だったら全身ピーンとしただろう驚き方をしているそれは


「……女の子?」


見た目は、15、16歳くらいで身長は150前後

髪は肩まであり白いワンピースを着ている

両手には食料の缶詰めを持ち

下には食べかすだろうか

ボロボロとこぼした跡があった

そしてそのどれもが黒く腐っていた


「わ、私が見えるんですか……?」


両手の缶詰めをぎゅっとにぎりながら少女は確かにそういった


「お前は何者だ。軍の食料を盗み食いなど、いや、それよりどうやってここまで入った?警備は何をしている」


俺がそう問うと少女は話始めた


「私、幽霊なんです……未練があってここにいてそれでお腹空いて……その……」

「幽霊だと?ふざけたことを抜かすなよ。女の子とは言え容赦はせんぞ」


あまりに現実味のない話だ

信じられるはずがない


「本当に!幽霊なんです……信じられないならその銃を撃ってみて下さい。」


その言葉を聞き

俺は構えていた銃を3発ほど発砲

しかし少女はケロっとしている

すると銃声を聞き警備の二人が走ってきた


「あ!山口少尉!何かトラブルでも!?」


二人は明らかにそこにいる少女に目もくれず俺の方を見ている

いや、少女の姿は見えてないのだろう

そうとしか言えない

二人とも訓練を積んだ者だ

この目の前にいる少女に気が付かないはずがないからだ


「あぁ、いや、ここから物音がしたんでな。敵かと思い入った瞬間発砲してしまった。ただのネズミだったよ」

「はっ、そうでしたか」

「すまんな、戻っていいぞ」

「はい!失礼します!」


警備員は敬礼し持ち場に戻った


「信じて……くれました??」


正直全く信じられないが信じるしかなかった


「……わかった、お前は幽霊なんだな」

「はいぃぃ……」

「お前には触れるのか?」

「わかりません……触ってみてください」


そう言って差し出された手を握った

確かに触れることができたその手は

とても小さくて柔らかかった

そしてまるで氷を握ったように冷たかった


「とりあえず、俺の部屋に来い」


そう言って俺は夜食と少女の手を持ち

自室に入った



「さてと、まずは」


ゴチン

と少女に一発ゲンコツした


「うにゃああああああ!?」


頭を抑えてその場にうずくまる少女


「軍の食料をあんだけ盗み食いしたんだ。普通死罪だがこれで許してやる」


アウアウと頭を抑える少女

冷たいものの俺は触れることが出来て

少女も人と同じ感覚を持っているようだった


「で、お前名前は?」

「アウウ……あき……」

「あきか。俺は山口勇だ、よろしく」

「うん!よろしく!いさむ!」


いきなりの呼び捨てに困惑したが

えへへと笑う彼女の顔を見てたら


「……まぁ、いいか」


こうして俺とあき

生きた人間と幽霊の

不思議な生活が始まった

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