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将校の勇と幽霊少女  作者: 豊田 玲
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2/5

沢山学び

お互いの想いがどんどん募る二人

果たしてあきは成仏出来るのか?

さて、彼女の存在はとても大きかった

ほかの人には見えないうえ、銃弾も通らない

その為、隠れた敵を見つけたり

地雷の位置を把握したり

敵の基地に潜入し作戦を盗み聞くことも可能だった

俺は次々と敵を殲滅して行った


そして半年後

終戦を迎え、自軍は勝利した

俺は功績を称えられ

中佐へと一気に昇格

これは異例の事だった


終戦したおかげで俺にも時間が出来て

あきとたびたび出かけるようになった

そうして過ごしているとあきのことがほんの少しづつ分かってきた


年齢は16歳

みかんと葡萄を売って父、母、あきの3人で暮らしてたこと

戦争で両親が殺され自分は何とか逃げ切ったものの飢えにより死んだこと

すぐそこの寺の住職が墓を作ってくれた事

恋する事が出来なかったのが未練だと言うこと


俺は彼女の墓を見たくて寺の場所を聞いた

基地から歩いて来れる程の距離にあった


「ここかぁ」


決して立派とは言えないが重みの有る見た目の寺

裏手の方にはずらりとお墓が並んでいる

とりあえず俺は家の方に来て尋ねた


「すいませーん!どなたかいませんかぁ?」


すると家の奥から一人の老人が出てきた

住職だ


「おやおや、珍しい。どうか、なさいましたか?」

「あの、あきと言う少女の墓があるとお伺いして来たのですが」

「ほっほっほっ、あの子はあきと言うのかね」

「墓はどこです?」

「君の後ろに隠れてる本人に聞いたらええじゃろぅ」


ほっほっと笑う住職

いつの間にか俺の後ろで服を掴み

隠れるように住職を見ているあき


「み、見えるんですか!?」

「わしゃ、この道50年。成仏出来ない仏さまの姿くらい、見えるわぃ」


そう言うと住職が手を伸ばしてあきを撫でた


「そうかぃ、そうかぃ、君はあきと言うんだねぇ。お墓に名前を刻まなきゃねぇ」


はずかしそうに真っ赤になるあき

こういう姿を見ていると

たまに本当に幽霊なのかと疑いたくなる


俺はあきの案内で住職と共にあきの墓へときた

そこには


『少女の墓 寺の近くで息絶える』


と書いていた


「墓ぐらい作ってやらんと、可哀想だと思うてな。しかし、まさかそこまで鮮明に見えるほどの未練を抱えておるとはのぉ」

「あきの未練は恋が出来なかった事だそうです。何とかなりませんかね」

「おや、それが未練なら、もう……あぁまぁええかぁ。ワシが言えるのは、おぬしにしか、あきを救う事はできないが、それはおぬしにとっても辛い選択になるやも……しれんなぁ」


またほっほっと笑う住職

その言葉の意味はこの時まだ分からなかった


その帰り道


「お前、恋すれば成仏するのか?」

「ふぇ!?え、う、うん……」

「恋ってどこまでを指す」

「え、えーっと、いつも一緒に居たいなーとか、その人の事しか考えられないとか、その……」

「その?」

「え、えっちぃこと……したり…………………………とか」


めちゃくちゃに顔を赤くし伏せた

多分顔面でお湯を沸かせるだろうくらいには真っ赤になってた


「お前幽霊なのにそんな事考えてんだ」

「う、うるさいやい!私だって女の子だもん!」


ポカポカと叩いてくるあき

あははと笑いながら基地に戻った


その夜

自室のベッドで一人考え事をしていた


「恋かぁ」


昼間聞いたあきの恋の定義

それは自身のあきへの想いと重なっていた

だが幽霊と恋をするなど出来ないこと

俺は悶々と想いを募らせた

幽霊に恋など決してしては行けないこと

だがそう思うたび更に想いは強くなった


「おさむ……」


びくっと横を見る

幽霊の癖にやることやること皆人と同じ

夜になるとこうして俺の横で眠る

可愛い寝顔だ

あきが俺に想いを寄せているのは明らかだった


「幽霊と、えっちぃ事……かぁ」


ありえないと首をふり

俺は目を閉じた



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