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雲上の楼閣、千里の長江  作者: セフィロト


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雲上の楼閣、千里の長江

五彩の祥雲しょううんの上に築かれたその街では、優美な楼閣がそびえ立ち、反り上がった軒先は遥か天界を突いていた。城内の王宮庭園には、この世のあらゆる珍獣や霊鳥が集められている。透き通るような木の葉の上を黄金の光が流れ、深い夜になっても、園内は白昼のように燦然さんぜんと輝いていた。

城主は漢白玉かんぱくぎょくのバルコニーに立ち、眼下にうねる雲海を指さして、雲逸うんいつに語りかけた。

「人々は言う。この万丈の深淵の下には、大陸を貫く長江が流れていると。それはさながら一頭の巨龍のごとく、千里の彼方まで途切れることなく続いているのだそうだ」

雲逸は画室に籠もり、手元にあるすべての徽墨きぼくを使い果たした。翌日、城主が画室の扉を開くと、そこに広がる光景に息を呑んだ。

画の中では、千里にわたる大河が遥かなる地平線から横たわるように流れ込み、それと対峙するように、雲を突く城郭がそびえ立っていた。筆は命の源泉を捉えていた。それは大自然の息吹であり、言葉では到底尽くしがたい、蒼茫そうぼうたる生機であった。

雲の切れ間から、地上の山河がかすかに顔を覗かせている。それは雄大で、それでいて静謐であった。

華美な言葉も、精巧な建築も、この壮大な山河の前では、結局のところ大海の一滴ひとしずくにすぎなかった。

画像のURL:https://50514.mitemin.net/i1136916/

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