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可惜夜(あたらよ)に君を想う  作者: ウエハース
第二章 自失と再認識
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借り物競争ってこういうものだったっけ?

「おつかれ〜〜」

「お疲れ様〜〜」

「最後カッコよかったぞー!」

クラスのテントに戻るなり賞賛の嵐。女子はともかく男子は俺あんなこと言ったのに……?

「お疲れ様」

「おーサンキュー」

「いや〜最後カッコよかったねぇ」

「喜野に言われるとなんだかなぁ……」

「なんでだよ」

「鏡で自分の顔見てから言え」

「一ノ瀬だけじゃなくて他のみんなも凄かったね」

「うんホントにそう。陸上部2人いたのに勝てたの奇跡」

ホントに助かった。他の3人が速くなかったら負けてたよあれは。陸上部怖い。

『借り物競争に出る選手は集合してください』

「あ、じゃあ行ってくるね〜!」

「あれ?渚出るの?」

「如月さんが休みなんだって」

「ああなるほど。行ってら〜」

借り物競争かぁ。お題次第じゃ地獄見るやつじゃん。あれでしょ、『好きな人』とか引いて公開処刑始まるヤツ。渚が変なのを引きませんように……




『位置について、よーい、ドン!!』

さぁ始まりました。みんな早速お題を確認しに行っています。んでバッと散らばってお題に合うものを探しに行くと。そうそう、借り物競争ってこういうのだよねうん。

『お、早くもゴール!お題は…『好きな人』です!』

「「うおおおおおおおおお!!!!」」

早いって。出るの早いんだって。初っ端から出るお題じゃないでしょ。

「ずっと前から好きでした…」

「私も……」

「「うおおおおおおおおおおお!!」」

「ヒューヒュー!」

面白くなってきたなぁ!!

そういや渚は?まだ見かけてすらいないんだけど……あ、いたいた。…………なんかこっち来てない?うん来てるな。あと俺を見たな?お前のお題多分俺だな?

「遥!ちょっと来て!」

「りょーかい……」

「急ぐよ!」

「うおっ、ちょ、自分で走るから手離せって!」

「え?あ、ごめん」

『さぁここでまたゴール!』

「はぁはぁはぁ」

「はぁはぁ……お題なんだったんだよ」

「え?ああ、それは」

『お題は『仲のいい異性の友達』!』

おーーー?やったな?非常にまずい。どれくらいまずいかと言うと、全てのテントが多少ザワついてるレベルにはまずい。あと男子の殺意に満ちた視線も痛い。リレー終わった時は労ってくれた同じクラスの奴らも。絶対戻ったら袋叩きにされるやつ。喜野の笑顔がウザすぎる。後で一発ぶん殴ってやろうか。

「おい」

「こればっかりは仕方ないじゃん!遥くらいしかいなかったんだもん!」

「はぁ?いや探せば他にも……」

あれ?渚が男子と自主的に話すとこあんまり見たことないかも。喜野は俺を介してくらいで日常的に話す関係でも無いし、クラスの男子ともよくある普通の会話しかしないし。

………なんかあるのかもしれない。けどまぁ詮索するようなことじゃないし他人の交友関係とやかく言うのはマナー違反だし。

「まー仕方ないかぁ」

「そう、仕方ないのです……後でアイス奢るから許して」

「許そう。今なら森羅万象許せるわ。」

「現金だなぁ……」

「この後起きるだろうことに比べたら、ねぇ?」

「許してぇ……」

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