表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔剣使いの最凶冥王―ワールドアブソリュート―  作者: 神薙リンシア
第3章 魔道学園編
31/48

第25話 記憶の欠片

前回のあらすじぃ~


二刀流を使った。

伊澄の聖剣に穴が空いた。

禁呪を使った。

肺を刈り取った。


終わり。本編をどうぞ!


~創暦 432年 12月24日 23時59分~


とある戦場。返り血に染まった一人の男が血塗れの剣を地に付け、足を引きずる様に歩いていた。周りには死体の山が所々で出来あがっているが、男はそれを気にせず横断する。男はゼェゼェ、と息を切らしているが足を止めない。数分進み、ふと、男は歩みを止めた。男は視線を下にずらすと、そこには血塗れの女が横たわっていた。男はそれを視界に入れると剣を落とし、剣を持っていた右手で女の頬に触れた。そして、こう言葉を紡いだ。


「・・・終わったよ、戦争が。・・・なあ、君がこの光景を見ていたら、何て言ってたんだ?戦争が終わった、と安堵するのか?それとも無意味な戦いだったね、と俺に言うのか?・・・君は何て言っていた?・・・・なあ、この世に蘇生魔法ってあるのかな?降霊魔法ってあるのかな?・・・俺は君が帰ってきてくれるなら何でもするよ?殺人でも、誘拐でも、大罪に手を染めたって良い。だから、帰ってきてくれよ・・・・・ミズキ」

男はそう女に語りかけるが、勿論答えない。すると男の背後からやや長身の男が近付いてくる。長身の男は立ち止まると、男の肩に手を置いた。


「・・・ラインハルト、もうミズキは・・」

と現実を突きつける言葉を長身の男が言い放つと、ラインハルトと呼ばれた男は長身の男の手を(はた)き落し、キッと睨みつける。


「黙れ!」

ラインハルトが一喝すると長身の男は歯軋りをした。


「リカルト!やめなさい」

そこに現れたのは三角帽子を被り、杖を持った女の子であった。長身の男、もといリカルトはゆっくりと振り向く。


「シリア・・・」

リカルトはラインハルトから離れ、シリアの隣に来るとラインハルトを見る。ラインハルトは屍となった勇者、ミズキに声をかけている。リカルトとシリアは悲しそうに眼を細め、この場を去った。するとラインハルトは立ち上がり、落した愛剣を拾う。去ったリカルトの背後に立ち、愛剣を振りかぶった。そして愛剣を―――。


そこで記憶が途切れた―――。そしてまた、別の記憶が流れ込んでくる。


~創暦985年 2月9日 13時50分~


とある研究所の一室。この部屋には様々な薬品があり、中には国でもおいそれと手を出せる代物ではない物まである。そして魅かれる物がもう一つ。それは特殊な機械の上に乗った一振りの剣。剣身から柄まで真っ黒な剣が一振り置かれていた。そしてその剣の真正面に立っている女は目を細め、機械の出した結果を見て目を細める。その女は剣に訊かせる様にそっと問うた。


意思のある(インテリジェンス)武器(ウエポン)よ、そなたは何故此処に居る?」

すると剣の中央にある高純度の魔石が赤く点滅する。まるで言葉を発している様に・・・。そしてその剣の光りは無くなり、代わりに剣から幼い声が発せられた。


「私が此処に何故居るのか?・・その問いに関しての答えは一つ。主を探しに来たのだ」

そう言葉を発した。


―――そしてまた記憶が途切れる。そこから数秒立ち、もう一つの記憶が再生された。


~創暦0年 0月0日 0時0分~


そこは恐ろしく何も無い場所であった。そう、文字通り何も無い場所。そこに一人、男が立っていた。男は周りを見渡し、何も無い事を確認すると左手を空間に翳す。すると一瞬で地面が出来、植物が生い茂る森と化した。男は自分の体に手を翳し、シャツとコートを創る。そして世界の遙か彼方(かなた)に世界を創り、そこに転移した。そして周りを見渡すと何も無く、立っている場所を見ると森が見えた。そこは先程創った世界の森であった。そして男は神を創った。最初は『全知全能の神・ゼウス』それに続き『創造神・サズダニヤ』『刀神・サオスリア』『剣神・ソーディア』『戦神・シリウス』『獣神・ギアバス』と創っていった。そして男は神々に告げた。


「なあ、皆。俺はこれから生まれてくる人間という種族に転生しようと思うんだ」

神々は驚き、男を止めた。だが男の決心は変わらなかった。そして男は誰にも告げず、神界から姿を消した。


―――そしてまた記憶が途切れ、目の前のホロウウィンドウが消えた。


「・・今のはなんなんだったんだ・・・?」

俺はホロウウィンドウのあった空間を見つめる。すると目の前の空間にノイズが走り、そこから少年が姿を現した。


「こんにちは、楓真くん。いえ、『創世神・ゼロ・トリニティア』様」

少年は頭を下げる。

(どういう事だ・・?)


「どういう事・・ですか?では今はっきり言います。貴方様は我々神を創ったその人なのです」

俺はその言葉を訊くと納得する。


「ああ、あのホロウウィンドウの動画は本当だった訳か」

その答えに少年は首肯する。


「って事は俺はこの世界を創った張本人な訳ね」

やはり少年は首肯した。そして少年は口を開いた。


「因みに此処は貴方様の『メモリアル・ライブラリ』でございます。そしてもう時間なので強制シャットアウトされますよ」

少年はそう告げると俺に手を振った。俺は最後に訊いた。


「君の名前は?」

「僕の名前は『戦神・シリウスです』」

そして俺の視界はホワイトアウトした。



楓真「次回!『第26話 学園生活Ⅰ』」


8/14 修正。

『メモリーライブラリ』から『メモリアル・ライブラリ』に変更

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ