一話 [広告したいジョーカー部]
うぃす、ちょらーっす。音韻です。皆さん初めまして。皆さん久し振りです。迅魂夢想の神姫謌以来ですか。恥ずかしながら帰って参りました。迅魂夢想の神姫謌とは正反対のギャグ小説となりました。読み切りとして掲載した[ジョーカー部]が帰って連載してくるとは………世も末ですね。生暖かい目で見てやって下さい。
「えぇっと、もう始まってんの、これ?」
「うーん、じゃぁ始めれば良いんじゃ無いですかね。部活」
「部長さん。そもそも小説なんて私達に出来るのかよ。こんな初心者に…………」
「わ、私は百合小説なら書きますけど、自分たちの部活を書けと言われましても………」
皆が口々に不満そうな意見を喋りだす。無理もない、先程連載が決まったばかりで疑問しか残っていない。
つかマジで連載するのかも危うい。
某小説投稿サイトで公表するにしても、俺達はまだ初心者に過ぎず、するとしても国語の感想文やらスワヒリ語の文字列を書く位だ。
「え? 書くのは赤司だから安心して!! そんじゃあ始めよー!!!」
『おー!!』
「軽く俺だけアウェーですよね!? 初耳ですよ部長!!」
「今日もジョーカー部、開始だよっ!!」
『おおーっ!!!』
「始まっちまったぁぁああああああああ!!!!!!!!」
―――――じょ~か~部! 第一話 広告したいジョーカー部――――
「小説の執筆は赤司に任せるけど、今回のジョーカー部の内容を丸々覚えないと駄目だからね」
「いやハードル高っ!? 無理ですよ部長。俺小説とか書くの初めてですし、そもそも覚えられないっすよ」
「じゃぁ叩き込めば良いじゃない。美智、やっておしまい」
「ほぉら拓。先ずは拳を一発鳩尾に入れるから仰向けになってくれ」
「まてまてそれは叩き込む事じゃない!! いやあながち間違って無いか………」
俺は二人の勢いに乗り、床に仰向けになる。
まぁ、正論言われちゃおしまいだよね。
「ちょ、先輩!! 自分の立場を見失っちゃダメです!! 先輩しかツッコミは居ないんですから!!」
そう言って可愛い後輩、冬美ちゃんが実の姉、美智に止めにかかる。
危ない危ない。冬美ちゃんが止めなかったら叩き込む前に腹に叩き込まれてたぜ。叩き込むだけに。
「赤司、その「叩き込む前に腹に叩き込まれてたぜ。叩き込むだけに。」みたいな顔ウザイから辞めて」
「なんでこう言う時だけ部長は鋭いんだよっ!? ………で、小説を書く上での広告とか無いんですか?」
「こうこく? 何で広告なんか要るのさ?」
部長が極当たり前の様に言ってくる。ふむ、広告が無いと人が読みに来ないのも知らないのか。
「部長さん。広告って言うのがなけりゃ、まず人が読みに来ないんですよ。その為にこの小説の広告を作った方が良いって拓が言ってるんですよ」
俺が言う前に美智が分かりやすく話してくれた。こう言う時だけ優しくてマジで大好き。
「ふーん。ネットに公開する訳だから人間がガッポガッポ集まるのかと思ったよ。それじゃあ早速作ってみよう!!」
という事で俺達の小説の広告を作る事になった。悪い気はしてたんだけどさ。
「よし、それじゃぁ広告を考えよう!! 言い出しっぺの赤司、何か言いなさい」
「ところてーん」
「よしOK。それじゃあ美智!! 提案プリーズ」
「まさかのボケガン無視ですかねぇ!?」
一人も見向きもしてくれない。毎回フォローを入れてくれる冬美ちゃんに至ってはゴミムシを見るかの様な慈悲に満ちている目を俺に向けている。
あれ、目からカルピスが。
「そうだなぁ。先ずは一人一人自己紹介で良いんじゃ無いか? 読者に覚えて貰って、話をスムーズに読みやすくした方が良いと思うんだ」
「おおっ!! 良いね美智!! 早速その作戦で行こうか!!」
「先ずは舞台となる私立玄縁学園ジョーカー部。私達の部活。それで部長の真樹乃 ひのき部長と、私の柊 美智、私の妹の柊 冬美。それで形成されているジョーカー部改めて演劇部だ!!」
「完璧じゃない!! よし、これで早速入稿よ!! 冬美ちゃん、手続き終わった!?」
「あ、あの、どうやら小説を持ってくれる担当者が居ないといけないみたいで………」
「そこら辺のロリコン糞ヘボネット駆け出し小説家の名前を借りなさい!! これで私達の晴れ舞台が!!」
「そうだぜ部長!! やっと世界に立てるんだ!!」
「ちょっと待てい」
やっと俺が喋りだした。お待たせ読者。俺の時代だ。
「何よ、赤司。邪魔だから引っ込んでなさい。あれ、そもそもうちの部活だっけ?」
「俺のここにいる存在全否定ですか。さっき無視したことも美智の自己紹介に俺の名前が入って無いのも許しましょう」
「じゃぁ何なのよ!! ほら、入稿よ入稿。入稿しに行ってきなさい」
「最初からあらすじに書けば良いんじゃ無いですかね!! ………で、どうすか?」
『…………………』
「えぇっと、皆さん…………!?」
『それだぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!!!』
こうして、ジョーカー部、初お披露目となったのだった。
なんか、すいません。