雨の日、ビニールハウスでは・・・
最後まで、お楽しみください。
私は一子、イチゴと言うあだ名。前にも言ったよね?
次の日、学校でうわさになりました。
『あるビニールハウスに行くと無料でイチゴがもらえるんだって!』
『へえー!今度行ってみよ!』
その時、ふと思いました。
こうなると、あの人は、無料で渡し続けて、
おじにあげる、イチゴがなくなってしまうんじゃないか。
それが、心配で心配で、授業中も集中できなかった。
そして、ついに、放課後。
急がなくては!私は、イチゴハウスに、
直行!友達も無視して、
とにかく、走った。
ビニールハウスにつくと、
自転車がいつも通りにある。
「よかった~。ふう」
私は一気に力が抜け、
その場に座り込んだ。
「それが、よくなかったりしてな。」
ビニールハウスのドアが
開くと同時にあの人が出てきた。
「どういうこと?」
私は、きいた。
「ある連中が来て、イチゴを
わけろと、言ってきた。
君が言ったんだろ?」
私は、一生懸命に首を振った。
その人は、おかしいなと、
一言つぶやくと、
ジョウロに入ったくさんの水を、
ゆっくりかけだした。
私もビニールハウスに入り、
一緒に観察した。
「・・・。」
その人は水をかけるのをとめた。
そして、手を首にやると言った。
「なんで、手伝おうと思ったんだ?」
私はなんとなく!と、答えた。
まだ、未熟な薄黄緑色のイチゴを見ながら。
「ねえ~!」
と言った。
その人は、大きなため息をつくと、
再び、水をかけだした。
私もまじまじと、
授業中よりも、
集中した。
「イチゴの種って、どんなの?」
私が質問するころ、
ちょうど水がなくなった。
「これが、イチゴの種!」
と、指差したのは、
イチゴ本体だった。
「どれ?イチゴ自体?!」
その人は大笑いすると、
イチゴのつぶつぶを、
小指を指して言った。
「これを埋めるんだ。
別に、イチゴ本体を埋めてもいいぞ?」
私は軽く首を振った。
もったいなくてできない。
私にとってのイチゴは、
食べるべきもので、
甘くて、時々、すっぱく、
人間のような、おいしさだ。
これだから、やめられないのだ!
「イチゴ、食って帰る?」
その人は私の顔をのぞいた。
その時、私の顔は、イチゴ色に染まった。
「?、どうした?」
私は、顔をそらした。
なんだか、心が騒がしい。忙しい。
なんだなんだ?この、
気持ちは・・・?
「お~い、聞いてるのか~?」
その人は再び、顔をのぞいてくる。
「きゃっ!」
顔をそむけようとして、
足を滑らせてしまった。
は、恥ずかしい。
みっともないところを見せてしまった。
「あははははは!」
その人はかん高く笑った。
悔しかったけど、
同じように、嬉しかった。
なんか、初めての感情で、
緊張してたのかな?
その時は、そんな感じでした。
「まあ、食べていけ!な?」
私は、言葉に甘えて、その人の家についていった。
うきうき、わくわく、遠足に行くような、
そんな、感覚。
家に着くと、一軒家で、大きかった。
「うわー・・・」
その人は、玄関に入っていくと、
手招きした。
なぜか、急いでいるようだ。
急いで、付いていくと、
がっちり、腕を持たれた。
「はい~?!」
「しっ!!」
その人は、口に人差し指をつけると、
突き当たりの角を左へ曲がり、
そして、再び、左へ曲がった。
もう、グルグルな感じです。
そこには、[健斗]と、書かれた、看板が、
ドアノブに、下がっていた。
そこに、押された私は、
その人と二人っきりになった。
元からだけど。
「・・・、はあ、大丈夫?」
その人は苦笑しながら言った。
「ごめんね。俺んちの家族、男しかいないから。」
私は、不思議に思った。
おじと、この人だけじゃなかったの?
そう聞くと。
「あ、俺の家族は、弟が1人、双子、俺ともう一人、
兄が3人、そして、おじ。計、7人なんだ。」
その人は、ドアから、一歩も動かず、
たったまま。
私は、正座して、その人の真正面。
「ちょっと、だまっててね。」
そういわれて、私は、
こくっと、うなづいた。
「お~い、健斗~?
この前貸した、CDは、まだか~?」
ドアの向こうから、声がした。
「分かった!」
その人は、あわただしく、
机の中を探していた。
ドアが勝手に開いた。
ドアの隙間から、
ちくちくな噛み、
でこ・眉・目と、出てきた。
その人は、入ってくると、
私と目が合った。
その人は、何度かぱちぱちと、
まばたきすると、私の目の前に正座した。
「?!」
私はどうしていいのか分からず、
机で探している人を見続けた。
CDを見つけたらしく、
あの人は振り向いた。
「あーー!勝手に入るな!!」
??
「わりい!この子、誰?」
「えっと・・・。」
かたまってる~。
よし、ここは、自己紹介。
「山下 一子と言います。」
私は、ぺこりと、
頭を下げた。
その人は、にっこり笑うと、
言った。
「と言うこと!」
しかし、私の真正面にいる人は、
何か悩んでいる。
「健斗、お前、知らなかったのか?
おっと、俺は、山本 分人って言うんだ。」
その人は、手を目の前に差し出した。
私もそーっと手を出した。
すると、分人さんは、
私の手をがしっと持った。
「あっ!!」
つい、声が出てしまった。
「?、何?」
その人は、あの人と、同様に、
顔をのぞいてくる。
うっとうしい。
手を引いた。
「兄貴、もういいだろ?!」
「はいはい、お邪魔でしたね。
じゃあ、彼女さんと仲良くな!」
分人さんは、くるりと後ろ向いて、
ドアから出て行ってしまった。
彼女さん?
それって、私のこと?!
そう、勘違いされたのだ。
「わりいな。あいつ、いつも、あーだから。
えーっと。俺は、健斗。改めてだな。
一子ちゃん?」
その人は、首に手をやって、苦笑い。
しかも、顔がほんのりピンクだ。
ああ、これは、まずい。
私は、いきなり立って、行った。
「あの、ここまで来て、
悪いけど、私、帰ります。でわ。」
勘違いされた上に、
気遣ってくれている。
これは、失礼だ。
私は、お辞儀をすると、
バックを持って、
ドアノブをつかんだ。
「ちょっと、待って!」
その人は、なぜか、走ってきて、
私とぶつかった。
私は、目を閉じた、
頭が少々くらくらした。
口に感触。
この感触は・・・?!
ひょっとして、これは?!
「・・・?!」
「っ?!?!」
私は、混乱してたのか、
目をぎゅっとつぶって、
健斗さんの、お腹を思いっきり
殴ってしまった。
「あっ・・・」
「ぐはっ!」
健斗さんは、
私の左に転んで、お腹を抱えている。
私は、初めてで、
意味不明だった。
ファーストキスは、イチゴ味?
最後までご視聴ありがとうございます。
コメント等もよろしくおねがいします。




