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非日常LIFE 見方?or 敵?

 その女性は黒いパンツスーツを着ていて白いカッターシャツの上には黒いベストを着用していた。カッターシャツの胸元はざっくりあいていて袖は七分丈くらいになるまで織られている。髪はロングで銀色をしていてその髪は背中あたりまで伸びている。近くで見るとそれはそれは美人な女性だった。でも、この人も飛鳥と同じでやはり武器をしょっていた。この女性がしょっていたのは長い槍だった。


そして、その女性は僕たちを見てニコッと笑って話しかけてきた。


「その娘が昨日、龍二が見逃したっていうヒーロー気取りの少年と地縛霊かな?」


「そうですけど。やはりあなたもあの人の仲間なんですか?」


僕は切らしていた息を整えながら、この銀髪の女性が飛鳥さんの仲間だということはもうわかりきっていたことだが一応聞いてみた。


「まぁそんなところかな」


「じゃあ、あなたも千春を退治しにきたんですか?」


「いや今日はちょっと別の用事があってここにきたんだ」


「じゃあ見逃してくれるんですか?」


「見逃すもなにも、私は生霊退治専門の便利屋だから地縛霊な んて興味ないよ。そんでもってその別 の用事ってのはあのバカを止めることね」


 と言ってその銀髪の女性は飛鳥さんの方に向かって歩き始めた。飛鳥さんと銀髪の女性の距離がだんだんと近くなっていく。でも飛鳥さんは酔っているためこの銀髪の女性が誰なのかまだ気づいていないらしく銀髪の女性との距離がなくなるくらいまで近づいてもまだ気づいていないようだ。それどころか飛鳥さんは「どけぇぇ~糞アマぁぁ~」と叫びながら銀髪の女性に斬りかかった。僕は思わず目を瞑ってしまった。当たり前のことだが目の前で人が斬られて辺り一面が血の海に染まるところなんて見たくないし一生のトラウマになるだろう。目を瞑ってから状況を確認できないまましばらく無言の間が流れた。僕は恐る恐る目をあけてその状況を確かめてみるとそこには血の海どころか血の一滴すら見当たらなかった。そして銀髪の女性に目をやるとその光景に思わず驚愕してしまった。その理由は振り下ろされた飛鳥さんの刀は銀髪の女性に右手の人差し指一本で止められていたからである。同じくその光景を見た千春はすかさず


「四季殿、四季殿。この光景前にもどこかで見たことあります よ私。もしかしてあの人、でっ・・伝 説のスパーサイヤ人か もしれませんよ」と目を光らせながら呟いた。


「なわけねぇ~だろうが」


 刀を人差し指で止められたところで飛鳥さんはやっとその銀髪の女性が誰なのか気づいたようだった。そして震えたような声で「たたたたたたばねちゃん」と呟いた。


「私に斬りかかってくるなんていい度胸してるね飛鳥君?」


「いやこれわ不可抗力といいうか何というかだな・・・」


「ふぅ~ん。どっちにしろ私に斬りかかってきた罪は大きいわよ。たっぷりお仕置きしてあげるから心 臓洗って土下座してまってなさい」といって銀髪の女性は悪戯な笑みを浮かべる。

 

「ちょっ・・それはつまり殺されるってことですか?まぁまぁ、一旦落ち着こうよ束ちゃん」


 飛鳥さんの言葉を無視して銀髪の女性は人差し指で刀を止めたまま僕たちの方に振り向いて「ねぇ君たち。えぇっとそう言えば名前まだ聞いてなかったね」


「春夏秋冬四季です」


「伯桜千春です」


 僕と千春はそれぞれ名前を名のった。


「いい名前だね二人とも。私は鬼ヶ島束おにがしまたばねって言うんだよろしくね。私のことは  気軽に束さんて呼んでくれていいよ」


 そう言ってニコっと微笑んで束ねさんも自己紹介をした。鬼ヶ島束その名前からして強そうな名前だ。さっき人差し指で飛鳥さんの刀を止めたこともなんとなく頷ける。


「ところで君たち人ってミゾオチにパンチくらって何発まで耐 えられると思う?」


「ん?あれれ束ちゃんもしかして今から僕そのミゾオチにパンチをくらう実験体になったりしないよ  ね?」


「うん大正解!そんな飛鳥君には素敵なご褒美を差し上げます」


 と言って束さんは左手の拳を飛鳥さんのミゾオチにめり込ませた。飛鳥さんはミゾオチにパンチをくらうとそのまま地面に倒れ込んでのたうちまわりながら今にも死にそうな声で「あぁぁ~」とめいている。束さんはその光景を見てまた悪戯な笑顔を浮かべた。この人怖すぎる。飛鳥さんなんて比にならないくらいに。絶対敵に回したくない人だと僕は確信した。


「四季君、千春ちゃんゴメンネ答え聞く前にこの馬鹿、私のパンチ一発でえちゃった」


「いえいえ。とにかく助けていただいてありがとうございました」


「礼にはおよばんよ。またこいつが何かしたらすぐ私に言ってね。試したい拷問道具いっぱいあるか  ら」


 と言って束ねさんは地面でのたうちまわっている飛鳥さんの手を強引に引っ張ってそのまま引きずりながら去っていった。やっぱりこの人怖すぎる。そして僕たちは束ねさんに助けてもらい無事に家に帰ることができたのだが今日の花見は今まで生きてきた中でいろんな意味で一番思い出に残る花見となった。


















































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