非日常LIFE お花見
悪世無橋≪およなばし≫は桜の絶景スポットとして僕の住んでいる
咲夜町では有名な場所であると同時に自殺の名所としても有名な場所
である。
悪世無橋に着くと桜の絶景スポットと言われるだけあってたくさん
の花見客が桜を見に来ていた。その花見客のほとんどはカップルで、
そのカップルたちとすれ違うたびに何だか見せつけられている様な気
がして妬ましい気分になった。その気持ちを察したのかどうかはわか
らないが急に千春が僕の手を握ってきた。
「おいっ、急になんだよ!?」
「手をつないだら少しはカップルぽく見えるかなと思いまして」
「手をつないだところで道行くカップルにお前の姿は見えてね~よ」
「あっ、そうでしたね・・・テヘへ」
千春は少しだけ微笑んでコツンと自分の頭をたたいた。
「気を使ってくれてありがとな」
「気なんて使ってませんよ。ただ私が手をつなぎたかったから手をつ
ないだだけです」
「そうかい、そうかい」
橋の真ん中まで来るとそこから見える桜の景色をとても嬉しそうに
眺めていた。でも僕には少し千春の横顔が悲しそうな顔をしている様
にも見えた。しばらく橋の真ん中で足を止めそこから見える景色を眺
めていると、ふと千春が顔を横に向け何かを見つけたのか急に走り出
した。千春が走っていった方を見てみると橋の手すりから身を乗り出
して今にも橋から飛び降りようとしている人の姿が見えた。それを見
て僕も千春の後を追った。しかし千春はその飛び降りようとしている
人が正確に見える距離まで近づくとそこから先には進もうとせず立ち
止まっていた。僕が少したってから千春に追いついてなぜ立ち止まっ
たのかと聞くと「あっ・・あの人・・」と驚いたような声で飛び降り
ようとしている人の方を指差した。千春が指差した先を見てみると、
そこにはどこかで見たことがある様な長い刀を背中にしょったホスト
風の男がいた。その男は橋の手すりから身を乗り出し酒のビンを右手
に持って大声で何かを叫んでいる。
「ざけんじゃね~よこの橋はいつから糞リア充どもの巣窟≪そうくつ
≫になったんだよぉぉ~。俺は桜を見に来たんだテメーらのいちゃ
ついてるとこなんて全くもって見たかね~んだよ。それによく見た
らブスばっかじゃね~かぁ。橋の端から端までブスばっかじゃね~
かぁ。いつからこの世はブスの惑星になったんだよぉ。これなら男
の娘の惑星の方がまだましだぁ。畜生ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~」
その男は一通り叫び終わると急にあたりを見渡し始めた。そして近
くにいた僕たちに気が付いたようでこっちの方に足ををフラつかせな
がら近づいてきた。その男と僕たちの距離が短くなっていくたびに僕
はその男が誰なのかを確信した。そう飛鳥龍二だ。でも今僕が見てい
る飛鳥龍二は、昨日会った時とは少し雰囲気が違っている。その原因
は龍二が右手に持っている酒のビンを見てすぐにわかった。多分、飛
鳥さんは酔っぱらっているのだろう。まったくいい大人が朝っぱらか
ら酔いつぶれてるなんて実に情けないことだ。おまけに大声をだして
観光客に迷惑までかけている。情けないという言葉は今のこの人にはぴ
ったりの言葉だ。飛鳥さんは僕たちの前で立ち止まって話しかけてきた。
「よぉ~ヒーロー気取り少年また会ったな」
「できれば僕はもう会いたくなかったですけどね」
「そんな冷たいこと言うなよぉ~お兄さん泣いちゃうよ」
「かってにどうぞ」
「君は鬼だね。てか君まだその地縛霊の女の子連れて歩いてるんね~」
と言って飛鳥さんは僕に向けていた視線を千春の方に向けた。また千春
は僕の後ろに隠れるのかと思ったけど、今回は怯えていないようだっ
た。それは昨日一回あっているからなのか、それとも今の飛鳥さんは酔っ
ているからなのか理由はわからないけどとにかく今日の千春は怯えて
いないようだ。
「まだって昨日会ったばかりじゃないですか一日じゃさすがに無理で
すよ」
「やっぱり僕が手伝ってあげたほうがよさそうだね。今ちょうどイラ
イラしててさぁ気晴らしにその娘、退治させてよ」
と言って飛鳥さんは右手に持っていた酒のビンを地面に置いて背中にし
ょっていた刀に持ち替えた。そして刀のサヤから刀を取り出した。こ
れじゃあ昨日と全く一緒の状況だ。すると横にいた千春が急に僕の前
に移動した。そして僕に背中を向けた状態で話かけてきた。
どうも超一般市民です。この小説を書き出してからもう6回目の更新となりました。正直僕みたいなど素人が書いた物が誰かに読んでもらえるはずがないと思っていました。でも毎回更新するたびに何人かの方が読んでいただいていることを知りとても嬉しかったです。こんな完璧自己満足の糞みたいな話ですがこれからもすこしずつ更新していこうと思いますのでよければこれからも暇つぶしでもなんでもいいで読んでやってください。




