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愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした  作者: ましゅぺちーの


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21 離婚成立

「離婚、成立!!!」



翌朝、私はベッドから起きて思いきり叫んだ。

嬉しくて嬉しくてたまらない。

昨日のあれが夢なのではないかと疑ってしまうほどだ。



(あぁ、こんなに気持ちの良い朝はいつぶりかしら……!)



オリバー様が無事に離婚を受け入れたので、私は今日にでも邸宅を出て行く。

私とオリバー様が離婚するという話は既に屋敷内に広まっているだろう。



朝、部屋に来た侍女が遠慮がちに声を掛けてきた。



「おはようございます、奥様……」

「言葉には気を付けなさい、もう奥様ではないわ」

「あ、申し訳ございません……」



私はすぐにでもここを出て行くために荷物をまとめた。



(あら、でもそんなに持って行くものが無いわね)



公爵邸の侍女たちが選んだドレスや宝石は持って行きたいとも思わない。

この屋敷に思い出など無いので、こうなるのは当然のことだろう。

結局、私の荷物は小さなカバン一つに収まるほどとなった。



(後は旦那様に手紙を書かないとね……)



私は適当な紙切れに「お世話になりました」とペンで殴り書きをした。

これ以上の言葉はいらないだろう。

思い付きもしなかった。

私がいなくなった後は喜んでローザ様たちを公爵家に迎え入れるはずだから。



「旦那様はもう邸宅はいないのかしら?」

「い、いえ……」



いつものようにすぐに公爵邸を出て愛人宅へ行っているのかと思ったが、どうやら今日に限って違うようだ。

侍女の反応からしてオリバー様はまだ邸にいるのだろう。



「ふーん……旦那様はまだ公爵邸にいるのね?」

「はい……」



こんな日に限って最悪だ。

私はさっさと邸を出て行きたいというのに。

既に馬車の準備は出来ているため、今すぐにでも出発出来る状態である。



「あ、そうだわ!」



あることを思い付いた私は、すぐにそれを行動に移した。



「エ、エミリア様……?どうかなさったのですか……?」



私は困惑する侍女のことなど気にも留めずに行動を続けた。

窓を全開にした私は部屋に備え付けられているカーテンを繋げて外に垂らした。



「な、何をなさるおつもりですか!?」

「ここから出て行くことにするわ」

「え、じょ、冗談ですよね……?」



慌てたような顔をして止めようとする侍女を無視して、私はカーテンを伝って下へと降りて行った。



「じゃあね!貴方もどうか元気で!」

「エミリア様!」



彼女の悲痛な叫びが聞こえてきたが、私は無事に地面へと着地した。



(ふぅ……)



実は私は昔かなりのお転婆でよく木登りをしてはお母様たちを困らせていた。

なので運動神経はそこそこ良いほうだ。

そのため彼女は知らないだろうが、この程度のことは朝飯前なのである。



(それにしても天気が良いわね)



空から降り注ぐ太陽の光に、私は思わず目を細めた。

最近暑くなってきているようだ。



(もう夏が来ているのね)



むしろちょうど良かった。

私の新たな人生のスタートを切るにはピッタリな日だ。



外へ出た私はすぐに用意されている馬車へと向かった。

私が今から乗るのはレビンストン公爵家の馬車ではない。

お兄様が用意してくれた伯爵家の馬車だ。



馬車の元まで行くと、見知った顔がそこにあった。



「お久しぶりです、お嬢様」

「あら、貴方もしかしてレミア!?」



馬車には御者の他に、伯爵邸で私の専属侍女だったレミアまでいた。

私とそれほど歳が変わらず、侍女というよりかは姉のような存在だったレミア。



(何て懐かしいの……!)



久々に見る彼女の姿に、思わず涙が出そうになった。

昔から何一つ変わっていない。



(あれ……だけどレミアは私が公爵家に嫁ぐと同時に結婚して退職したはず……どうしているのかしら?)



そんな私の疑問を読んだのか、レミアが詳しい事情を説明した。



「伯爵様からエミリア様が戻ってこられることを知ったのです。子供ももうアカデミーへ通う年齢になりましたし、またエミリア様を傍でお支え出来たらなと……」

「レミア!」



私は勢い余ってレミアに抱き着いた。



「私も貴方が傍にいてくれたらとっても嬉しいわ!」

「はい、お傍に仕えさせていただきます」



私の言葉にレミアはニッコリと笑った。



(嬉しい……またレミアと一緒に過ごせるだなんて……!)



「エミリア様、とりあえずここから出ましょう。一刻も早くこんなところ出るべきです」

「そうね、それに関しては私も同じ意見だわ」



私はひとまずレミアと共に用意された馬車に乗って公爵邸を出た。



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