第68話 シルコワの提案
D01-64
「主様、提案があります」
「なんだい、シルコワ? 」
「私の妹たちにはこの地に詳しい者が多くございます」
-「ダンジョンルームに呼んでもよいでしょうか? 」
「うーん、シルコワのことを信用していないわけではないけど、遠慮してほしいかな」
-「無いとは思うが、興味本位でダンジョンコアを壊されるかもしれないし…」
「では主様の眷属にしていただけないでしょうか、皆、有能な者たちです」
「お待ちなさい、シルコワ」
-「あなたの妹たちということは、皆、魅力的な女性たちなのでしょう? 」
-「そのような者たちが、ご主人様と沙耶の間に入り込んできては困ります」
-「もう少しお二人の絆が確かなものになってから、提案してください」
うーん、ヤズナはそんな風に考えていたんだな。
ヤズナからは時節、熱い視線や経路を通じて、熱い熱情を感じていた。
ただ直接、接してみるとそっけなかったりしたので、オレの疑念がバレたのではないかと、ヒヤヒヤしていたのだが。
そうか、オレと沙耶さんに遠慮していたのか。
シルコワの方は健気というか、オレの要望を全力で叶えようとしてくれている。
二人の献身には頭が下がる思いだが、今は我慢して貰おう。
沙耶さんとのことは、彼女の覚悟も解るが、上手く行かなくても、縁が無かったね、くらいの気持ちでいる。
だって考えてもみなよ、普通に考えて雑誌に特集が載るような有名人が恋人になるとか、ありえないでしょ。
そんなことを真剣に考える奴は妄想癖のある奴だけだ。
まあ、今の状況が既に普通ではないのは解っているつもりだ。
予防線なのかもしれない。
中々普段持っているバランス感覚を突き崩せない。
傍に居ても緊張せずに話せているから、距離は近づいているのだろうとは思う。
だがまあ、システム上仲良くした方が良いから、とか周囲が望むから、とかそういう理由でくっつくのは嫌だな、とは考えている。
前言を翻すようだが、かなり彼女とのことは真剣に考えているのかもね、オレの中で。
シルコワの提案については大きい紙か布かに、フィールド地形を写してもらって、そこに情報を書き込んできて貰うことにした。
シルコワには絵心もありそうなので、写すのは任せた。
少し手間だが今出来る最善だと信じよう。




