第66話 フィールド特定・1
D01-62
「さて、ではさっきの続きだな」
しびれを切らしてヤズナが入ってきたので、食事休憩は終わりにした。
手をかざすとダンジョンコアの前に出てくる輝く板を、皆に良くわかるように大きくして床に置く。
イメージしてみたらできた。
それはダンジョン周辺の地図でもある。
個々のフィールドの境界線だけが判別できる白地図のようなものだ。だが念じることで情報を書き込み記憶させることもできるようだ。
一応カーソルをフィールドに合わせることで地名は判る。
ダンジョン周囲10km四方は本来の地上フィールド第1階層の領域だ。
それ以外を拡大していかねばならない。
「まずはここでしょう」
シルコワが指を刺す。
ダンジョンから北北西50km程にあるフィールドだ。
そこにカーソルを合わせると手長猩猩の里と出た。
おお、一発であてるとは、シルコワの土地勘は半端ないな。
オレはシルコワが指し示す手長猩猩関連のフィールドを青色に着色する。
手長猩猩の里0.96km2(1200m×800m)…手長猩猩が暮らす里。全盛期には、3000体はいたとされる。
手長猩猩の里山6km2(2km×3km)…里の裏側にあるなだらかな山。山菜や果物などが採れる。魔女が管理する薬草園などもある。
手長猩猩の里畑0.12km2(120ha)…里の食糧事情を鑑み、狩猟、採取以外の食料生産を考えた結果。芋や豆、葉野菜、根菜などが植えられている。
手長猩猩の里庭0.6km2(60ha)…シルコワが趣味で整えている枯山水な庭。
手長猩猩の里広場0.4km2(40ha)…大屋敷前広場。付近に花屋敷、上座屋敷もある。
手長猩猩の猿園0.2km2(20ha)…手長猩猩のペットであり、下僕でもある猿を住まわせている園。
手長猩猩の生産産褥室0.0002km2(10m×20m)…特に功績のあった者や、有力者がここに入ることを許可される。持て余した雌が待機する自由交尾室。
手長猩猩の揺籃室0.0001km2(10m×10m)…妊婦はここへ集って、乳呑み児をあやしながら安らかに過ごす。妊娠期間は約6ヶ月。
手長猩猩の祭壇0.01km2(100m×100m)…戦士の魂を送るための祭壇。シャーマンが管理。
手長猩猩の食料蔵×12蔵0.0024km2(10m×20m×12蔵)…備蓄食料が詰め込まれている。
手長猩猩の衣装庫×2庫0.0001km2(5m×10m×2庫)…一般の手長猩猩には縁のない場所。シルコワの私物や、花屋敷住まいのシルコワの妹たちの衣装。
手長猩猩の大倉庫×6庫0.06km2(100m×100m×6庫)…種々雑多な物が詰め込まれている。宝物や家具、酒甕などがある。
手長猩猩の武器庫×4庫0.0024km2(20m×30m×4庫)…役職持ちや幹部の装備が保管されている。手長猩猩は普段は伸びた爪を武器に戦うが、里が危険に晒される大捕り物があるときは、各々得物を使うこともあり、それは武器庫に収められている。
手長猩猩の花屋敷0.49km2(700m×700m)…シルコワの妹たちと呼ばれる、女魔性や長命種の女性たちが暮らしている。
手長猩猩の大屋敷0.09km2(300m×300m)…シルコワが住んでいた屋敷。役職持ちがここに勤務しており、ボスと長老ナルサギが詰めている。子供たちの学び舎も兼ねている。
手長猩猩の上座屋敷×3軒0.03km2(100m×100m×3軒)…長老たちの屋敷。リーダー、サブリーダーも詰めている。先の戦いで二人死んでいるので、2軒が空き家になっている。
手長猩猩の中座家屋×24戸0.0006km2(5m×5m×24戸)…役職持ちとその家族や、二世帯家族、三世帯家族が住む。周囲に認められた新合の雄雌のために新築されることもある。
手長猩猩の下座長屋×25棟0.0625km2(5m×50m×25棟)…核家族や独身者などが住まう。周囲に認められない野合の雄雌が暮らすこともある。
ガルバの餌場25km2(5km×5km)…豊かな土地。獲物のない手長猩猩がガルバの就寝時、留守のときにこっそり入って獲物を狩ることもある。
エオリア王国正騎士対応長期滞在用待機宿舎0.0025km2(500m×500m)の計20フィールド(建造物等は複数の場合でも纏めて1フィールドと換算)あり、総面積は33.1296km2。
うん、まだまだだよね。
そのうち、25km2がガルバの餌場となる。
ガルバとは、「リザルト・2」でヤズナに撃退されていたLv115、手長大猩猩の名前である。
実は奴は、手長猩猩の中では二体しかいない、名前持ちのネームドモンスターの一人だったのだ。
ガルバは他の手長猩猩と比べて巨体なので、里内に住んでいるわけではなく、里付近に縄張りを持ち、そこで寝起きしているらしい。
それがガルバの餌場(5km×5km)となる。
なお、(……)内は平均幅と最長距離である。
実際のフィールドはそれぞれ違った形状をしているが、面積を計算する上では解りやすいので、方型で計算されている。
それからダンジョンと手長猩猩の里を繋ぐフィールドと、後はダンジョン御輿が通れるのは開けた場所なので、そのためのフィールド等が、最初に入れておくべきフィールドとなる。
里への道程(合計597.035km2)
ヘラズ大森林322km2(23km×14km)…里手前。手長猩猩の主狩猟場。大型の草食獣やそれを狙う肉食獣などがいる。森林虎狼の群れの縄張りなどもある。手長猩猩の親戚である夜行性の猿人、星見猩猩がいる。
フイフト雑木林21km2(7km×3km)…ヤズナと手長猩猩たちの主戦場跡。小動物が多く暮らす。あまり危険な生物はいないが、樹木の幹辺りに蛇が潜んでいることもある。
ラクシバ森林90km2(15km×6km)…猿天国。様々な猿種がいる。
ホラクの小川0.035km2(2.5m×14km)…シルコワとヤズナが飛び越えた小川。川魚程度は捕れる。川幅5mを越える場所もある。夜には水難事故で子供を亡くした、水難バンシーが出ることもある。
ワユバ密林108km2(12kmx9km)…肉食植物ナジャークが徘徊する。共生生物であるサミダレミドリアゲハの群生地。
クフォラオス落葉樹林56km2(8kmx7km)…秋が見頃。まばらに静穏樹が生え、賢者蝉が確認されている。
御輿道(合計656.8km2)…ダンジョン御輿が通れる開けた場所。
ナーゼッパ平原494km2(26km×19km)…草食獣や肉食獣がいる。群れで移動し、目の前の障害物を蹂躙し、地ならしする甲獣マッドネスがいる。
ノーマク湿原48km2(6km×8km)…中型の爬虫類天国。
ガルガジッタ河川8,2km2(50m×164km)…ホラクの小川の主流。淡水鰻他、淡水魚がいる。大鰐、河馬、鮫類、蛟、ノコギリ鮭、テッポー蛙、電気鰻、刃魚、ケルピーや、亜人ナーガ、亜人マンダレイ、亜人ラミアなどがいる。
ガルガジッタ河川敷3.28km2(20m×164km)…大型の沢蟹や大型の河亀がいる。亜人リザードマン、亜人フロッグマン、亜人スネークマン、亜人ザリガニ人、女系亜人種・蠍女、アヒル鳥人、白鳥人などがいる。
道程周辺(合計250km2)
ベルナール密林154km2(11km×14km)…亜熱帯密林。虎や魔獣トラファルガーがいる。
ドールトン遺跡1.6km2(2000m×800m)…石柱が何本も立っている。枯れた遺跡ともいわれているが、隠しギミックが多いことでも有名。
マイト山96km2(12km×8km)…岩石猪やその亜種である奇岩の大猪がいる。800m級のロック鳥がいる。60m級のマイトグランバードも散見されている。
なお、ドールトン遺跡は塗りつぶせなかった。
地上に点在する遺跡や各施設の一部はダンジョン扱いとなる。
稼動しているダンジョンはダンジョンコアなり、ダンジョンマスターを制圧することで支配下に置くことができる。
休止しているダンジョンは新たにダンジョンコアを設置するか、ダンジョンマスターとなりえる眷属を配置することで稼動する。
さらに一層一層制圧し、領域固定する必要があるようだ。




