117.
白崎さん、お土産をあげるくらい仲がいい女性っていたんだなぁ…………
確かに白崎さんは顔もいいし、精確だって優しいから彼女とかいたっておかしくないだろうけど…………
なんでだろう、さっきから心の中のモヤモヤが止まらない
別に白崎さんとは彼氏彼女の関係じゃないんだし、白崎さんがお土産を誰にあげようが私には関係ないじゃないか
私には兄弟がいないからよく分からないけど、これってお兄ちゃんに彼女が出来た時の嫉妬とかに近いのかな…………
私にとって白崎さんは年の離れているお友達っていうよりも、血が繋がっていなお兄さんみたいに思っていたのかもしれない
前に読んだ本にも似たような場面が書かれていたし、たぶんこのモヤモヤはそのことだ
「おまたせ。はい、これあげる」
「ほぇ?」
白崎さんが戻ってきたかと思ったら、いきなりさっき買ったキーホルダーを私の手のひらの上に置いた
えっ、これって彼女さんにあげるんじゃ………………もしかして持っててってこと?
けどもう白崎さんはショルダーバッグを肩にかけちゃってるしさっきからこっちを見てニヤニヤしてるんだけど、いつ渡せばいいんだろう…………
「あの、これ…………」
「さっきはごめんね。前の席だと水が飛んでくることがあるって知っておきながら、なにも注意とか促してなくて。
すごい楽しみそうな顔をしてたし、気づいたらショーが始まってたりして言う暇がなかったんだ。だからそのお詫び」
「でもこれって彼女さんにあげるんじゃ…………」
「ん?彼女!?ははは、俺にそんな人いないいない。今まで彼女なんて出来たことないし、たぶんこれからもできることはないだろうから」
白崎さんの話によると、出かける時も登下校の時もいつもあかりさんと一緒にいるから、あかりさんが彼女なのだと思われることの方が多いそうだ
気づいたらあかりさんが白崎さんの彼女だという噂が学校中に広まっていて、あかりは俺の従兄妹だって言っても誰も信用してくれないので学校ではそういうことにしてるらしい
あかりさんもそこまで気にしていないらしいし、あかりさんの苗字が白崎なのでそれを証拠としたら、今度はもう結婚してるの!?っていういじられ方をしているらしくて諦めている
そして白崎さんに彼女さんなんていない、つまりこのキーホルダーは彼女さんの為に買ったのではなくて…………
「ほんとにこれくれるんですか!?ありがとうございます!!」
「ずっと見ててもどれがいいのか分からなかったからな。最終手段として本人に聞いたわけですよ。
けどこのことはあかりたちには内緒な。全員分買わされかねないから」
「はい、私たちの秘密です!」




