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私と彼の恋模様  作者: 辰野
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110/224

110.

 「白崎さん、お魚!お魚が泳いでますよ!!」

 「そりゃ水族館だから泳ぐだろうよ。いいからもっとこう穏やかに…………」

 「あっ、こっちの方には小さなクラゲがいますよ!!かわいい~~」

 「楽しんでくれるのはありがたいんだがもう少し静かに見てくれないかな」


 水族館の中に入ってから私と白崎さんのペア、あかりさんと海音ちゃんと浜口くんの二組に分かれていた

 元からお魚が好きだったわけではないけど、実際に見てみるとなんと可愛らしいことか…………

 私は早く次のお魚が見たい、このお魚はもっと見ていたいとマイペースに動いていたのだが、あかりさんが次、次!って感じでどんどん先に進んで行くので収集がつかなくなってしまったのだ


 それであかりさんは海音ちゃんと浜口くんが一緒について行って、私と白崎さんはじっくり楽しみながら進んでいくことになった

 最終的には1時間後に始まるイルカショーに間に合えばいいので私たちの歩みもだいぶゆったり気味である

 最初は白崎さんに合わせてもらって申し訳ないなとは思っていたけど、白崎さんも悪くは思っていないようで白崎さんも自分のペースでゆっくりと見ている

 迷子になるほど人が混んでいるわけではないのでお互いが見える範囲で行動しているのだ


 「それにしても、このサメ大きいですね~~。あそこにはウミガメもいるし私もお魚になったみたいです」

 「本当に魚になったら即効で食べられるだろうけどな」

 「もう、そういう現実的なこと言わないでくださいよ。もっと幻想的なこと言ってくれてもいいじゃないですか」

 「幻想的ね…………嵐にあって船が沈没したらこういう景色を見られながら死ねるかもな」

 「全然幻想的じゃないし!!というか話が重すぎるんですけど!?」


 っとまぁこんな冗談を言い合いながらその水槽の中の光景を楽しみながら進んでいる

 水族館の楽しみ方は人それぞれだと思うけど、私は魚個人ではなくこうやって水槽の中の全体を見て楽むのが好きそうだ

 ここは水槽の中だけど、まるで私が海の底から見上げているように思えるから

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