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私と彼の恋模様  作者: 辰野
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108/224

108.

 何があったのか、と聞かれてもそこまで難しい話ではない

 ただたにナンパしてきた人の中の私のイメージをぶっ壊せばいいだけのこと


 こういう奴らは大抵、ただ綺麗だからって近寄ってくるだけでそこまで深い思いがあって近寄ってきているわけではない

 なら見た目とは想像もつかないような言葉を発せれば大抵の人は引きつった笑いを浮かべながらここから離れていく

 視界の隅に直人が戻ってきているのを確認していたのでいざとなれば彼氏役に仕立て上げればいい話だ

 これまでにも近くに直人がいるときにこういう作戦をとったことは何度かあるし、血が繋がっていても従兄妹という関係なので瓜二つなわけではない

 自分の身ぐらい自分で守れる


 「ま、あんなのを追っ払う方法なんていくらでもあるからそこまで気にしてないんだよね」

 「ほんと、こういう時だけあかりがかっこよく見えるよ。いつもはただのバカだとしか思ってないけど」

 「よっしゃ、歯を食いしばれよ直人」

 「冗談だって。そんなに怒るなよ」


 か、かっこいぃ…………

 あかりさんかっこすぎるよぉぉぉぉ…………

 あんなに綺麗だから痴漢とかナンパとかされてるんじゃないのかなって初めてあった頃は思っていたけどまさかそんな撃退法があったとは……

 そういうのはあかりさんが美人だからできるんだろうけど今度いろいろと教えてもらおっかな

 いつ私のときみたいなことがあるかも分からないし、教えてもらって損はない

 前に海音ちゃんにちょっとだけ空手を教えてもらったりしてたけど、なるべく手札は多い方がいいよね

 海音ちゃんまでとは言わずとも私も強くならなくちゃ

 精神面はもうだいぶ強くなったからいいとしても、私自身が強くなったわけじゃないし


 「で、ちなみにどんなこと言ったんですか。あかりさんのイメージをぶっ壊すような言葉ですよね」

 「えっとねー…………簡単に言えばヤンキーの真似をしたって言えばいいのかな。私って見た感じヤンキーってイメージはないでしょ。だから低い声であぁん?!とか言えば大抵の人は逃げてくよ」

 「…………背筋に冷たいものが走った気がします。こっわ~~」

 「そうだぞ、だからコイツだけは怒らせないようにな」

 「おい!!」

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