mission1 『現実を認識せよ!』
更新しました。
少々、ギャグ的な要素も入っている内容になっていますが、そこはあしからず……。
~早朝・霞の部屋~
朝早くから遠くでチュンチュンと雀の鳴く音がガラス越しに聞こえてくる……。
「ふあぁぁ~~~ぁっ……もう朝か……」
眠り眼を右手で軽く擦り、首を軽く左右に振って首の骨をボキボキと鳴らすと例によって俺こと月城霞はベッドからゆっくりと起き上がった。
「……何か昨日は妙に懐かしい夢を見ていた様な気がする……」
そんな事を思い出しながら俺は窓際に立つとカーテンを左右に移動させると朝独特の何処かひんやりとした空気とポカポカとした陽気な雰囲気を醸し出している太陽が輝いていた。
西暦2018年4月12日……世界は10年以上前から大して技術的な進歩もなく、未だに日本も無能な政治家の掲げた馬鹿げた法案や制度を無意味に繰り返していた。
「……以上、お天気コーナーでした♪」
折角、珍しく休日の早朝から早起きが出来たので、とりあえず無駄に二度寝だけはすまいと、さりげなく近くにあったTVのリモコンに手を伸ばしチャンネルを変えるとニコニコ顔のお天気お姉さんが今まさに天気予報を終えた所だった。
「……チッ。」
天気予報を見るタイミングを微妙に逃してしまった俺は僅かに苛立ちながら昨日の夜から事前に充電していた自分の携帯を使って今日の天気を確認した。
「……おっ、今日は1日中晴れか」
「今日のアンラッキーな星座は天秤座の貴方!?」
不意に携帯で今日の天気予報をチェックしていた俺の耳に朝のTVではお馴染みの“今日の占いのコーナー”の結果が聞こえた。
普通ならガン無視といく所だが天秤座は……俺の産まれた月の星座だ。
どういう不幸に見舞われるのか……何にせよたかが占いだと半信半疑な気持ちで俺はTVに視線を移した。
『昨日の情事が全ての不幸の原因です。不幸は長く続き、先が見えません……困った事があったら迷わず親しい友人に相談しましょう。“ラッキーカラーは黒”……ただし下着限定ですので勇気を出して身につけよう☆』
(……何だ?この意味不明な助言は……下着限定のラッキーカラーって、この占いって女性限定?)
しかも昨日の情事って……生まれてこのかた未だに【童貞】を貫いている俺にはまず関わりの無い内容だ。
そんな虚しいにも程がある事を考えながら俺は気分を一新しようと顔を洗いに洗面所へと向かった。
そして、洗面所に到着した俺がさりげなく洗面所にある鏡に視線を移すと……。
『…………………はい?』
そこにはいつもの見慣れた顔の面影は無く、何故か金髪で黒い瞳をした美少女が映し出されていた。
(あぁ……俺は夢を見ているのか……)
自分の思わぬ姿を見た俺はとりあえずコレはまだ自分は夢の中に居るのだと断定し、洗面所にある蛇口の水を開き両手で水を掬い上げると自分の顔に水をぶつける様に顔を洗った。
……冷たい。
夢ならばこういった感覚は無いものだと聞いた事がある俺はこの異常事態に焦りを感じ始めた。
ガンッ!ガンッ!!ガンッ!!!
(これは夢、これは夢、これは夢)
次いで俺は洗面所の壁に額を数度打ち付けて痛みによる夢からの脱却を図った。
しかし……壁に打ち付けた頭はそれに比例する様に痛かった。
そうして改めて洗面所の鏡に顔を向けると、そこには水で顔が濡れ額が赤くなっている先ほどの金髪黒瞳の美少女の姿があった。
「そんな……そんな馬鹿なぁ!?」
プルプルと声を荒げながら俺はようやく自分の身体の異変を受け入れ、思いっきり叫び声を挙げた。
何故なら今まで気づかないフリをしていたが変わってしまったのは何も顔つきだけではなかったからだ。
胸にはふくよかな双乳が俺の動きに反発してプヨプヨと揺れ動き、昨日の晩まで俺の股関に内臓されていた筈の自慢のアームストロング砲は何処かへと撤去されていた。
しかも先ほど叫んで気付いたが、俺の声も女性独特のソプラノ調になっている。
「何コレ、どうなってんの!ドッキリ?宇宙人の肉体改造?それとも水を被ると女になっちゃうふざけた体質ぅぅぅぅ!!」
どうしてこうなったのか原因も分からず、現実すらまともに受け入れられなかった俺はパニックに陥り、奇声を挙げながらひたすらバタバタと自室を動き回った。
ドンドンドンッ!!!
「お~い霞ぃ……朝っぱらから騒がしいけど何かあったのか?」
バタバタと無駄に動き回っていたその時、隣の部屋の住人であり、昔からの友人の一人が異変を感じ取ったのか心配して駆け付けてきた。
(あの声は大輔か……まずい、こんな姿を見られたら事だぞ……)
しかしその時、俺の脳裏に先程のふざけた内容の占いの結果が頭を過った。
(確かあの占い、困った事があったら親しい友人に相談しましょう……って言ってたけど……)
アイツらを信用して今、俺の身に起こっている事を全て話して元の姿に戻る為に協力してもらうか……あるいはこのままこの部屋に閉じ籠って身体が元に戻るのをひたすら待ち続けるか……。
一瞬の間の内に迷いに迷った結果、俺は意を決し、部屋のドアの前に移動すると鼻を摘まんでドアの向こう側にいる友人に話し掛けた。
「大輔……悪いんだが、翔一達をココに呼んできてくれないか?」
「今からか?別に構わないけど……何かお前、声のトーンがおかしくないか?」
何気に鋭い指摘をしてくる友人に俺は冷や汗をかいた。
「その事についても詳しくお前達に話すから……とにかく翔一達を集めてきてくれ」
「……?良く分かんねぇけど分かった」
そう言って友人は小首を傾げながら一旦、俺の部屋の前から姿を消した。
その様子をドアの覗き穴から確認した俺はすぐさまドアのロックを解除すると部屋を移動してベッドの上で毛布にくるまり、全身を隠した。
……これは一つの賭けだった。
俺は昔からの友人であるアイツらに現在、俺の身に起こったこの異常事態を知って貰い協力を仰ぐ道を選んだ。
アイツ等なら必ず助けてくれる……そう信じながらアイツ等が俺の部屋に集まるまでの間、俺は悪い意味で高鳴る胸の鼓動に抗い続けた……。
いかがでしたでしょうか?
今回は少々、長めに書いてみましたが基本的には更新が滞らないペースで執筆していく予定ですので文字数にも話数によっては差が出るかもしれませんがそこの所はご了承下さい^^;
PS.ご意見・ご感想は随時募集中です☆




