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秘密の多い令嬢は幸せになりたい  作者: 完菜
第四章 幸せにつながる道

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96/106

【4-6】

改稿しました。

 キャスティナが、リサと楽しくおしゃべりしているとあっと言う間に目的のお店に到着する。まず始めに衣料雑貨が置いてある店で、ハンカチを選ぶ事にした。


 店に入ると、綺麗な大人の女性店員が出迎えてくれた。


「いらっしゃいませ。キャスティナ様。シェラード公爵様より伺っております。どうぞごゆっくりご覧下さい」


 そう言うと、女性店員は丁寧に頭を下げた。


 お父様が先にお店に連絡を取ってくれてたのか……。帰ったらきちんとお礼を言わないと。キャスティナは、ダグラスの気遣いが嬉しかった。


「ありがとうございます。婦人物と紳士物のハンカチを見たいのですが、どちらですか?」


 キャスティナは、店員に尋ねる。


「では、ご案内致しますね。まず、婦人物からでよろしいですか?」


「はい。よろしくお願いします」


 キャスティナは、店員のあとに付いて行く。こんなに丁寧に接客されると緊張する……。今は、公爵令嬢なんだから恥ずかしくない態度で挑まないと!とキャスティナは気合いを入れた。


 連れて行かれた先には、沢山の種類のハンカチが所狭しと並べられていた。若者向けから大人の女性向け。可愛らしい物からシンプルな物。ゴージャスな柄や貴賓漂う柄。こんなに多くの種類がある事にキャスティナは感動して、目をキラキラさせた。


「凄い。リサ。こんなに沢山種類があるのね!私、決められるかしら?」


 隣に控えるリサに、キャスティナは興奮して話しかける。


「どれも可愛くて迷っちゃいますね。キャスティナお嬢様は、どなたに買うつもりなんですか?」


 リサが、商品を見ながら訊ねる。


「取り敢えず、婦人物はお母様にかしら。紳士物は、お父様とアルヴィンお兄様に。本当は、エヴァン様のお義母様やお義姉様にも渡したいけど。そんなに時間ないし、それはまた向こうに移ってからにしようかな」


 キャスティナは、考えながら口にした。それに対してリサが答える。


「そうですねーお嬢様は、初めての刺繍ですし時間もないので。ハンカチの色を人によって変えて、糸の色は単色にしたらどうですか?シンプルですが、間違いないかと」


「なるほど。枚数多いし、そんなに凝った物だと時間かかるものね……。そしたら、ハンカチの色を選んで糸はハンカチに合った一色を選ぼうかな」


 キャスティナは、早速ハンカチを選び始めた。リサと相談しながら迷いながらもそれぞれに贈る物を決めた。お母様には、スミレ色で繊細なレースが施してある物を。お父様には、シンプルな白の物。アルヴィンお兄様には、薄い黒に濃い黒で縁どりされた物に決めた。


 無事にハンカチを選び、満足してキャスティナは店を後にした。


 馬車の中でキャスティナは、リサと良い買い物が出来たと喜んだ。自分で選んで買い物をしたのが本当に久しぶりで、キャスティナは舞い上がっていた。


 その後は、リボンを買いにリボン屋さんに行った。沢山のリボンを前に、キャスティナは目を輝かせてゆっくりと店内を見て回った。そして、水色と黄色のチェックのリボンを三本購入した。これは秘密だが、リズとリサに自分とお揃いでプレゼントしようと考えている。それぞれに、イニシャルの刺繍を施して。


 二人とも喜んでくれるかしら?と胸がワクワクした。


 そして最後に、刺繍糸を買いに手芸屋さんに向かった。そこで、白、ピンク、青紫、黒の4色の糸を購入した。


 買い物が全て終わって馬車の前まで来た所で、リサが使用人仲間に頼まれてた物を思い出した。


「キャスティナお嬢様、申し訳ありません。買い忘れた物があって、少し馬車でお待ち頂いてもよろしいですか?」


 リサが申し訳なさそうに、キャスティナにつげる。


「大丈夫よ。馬車で待ってるわね。ブリュノ、悪いけどリサについて行ってあげて」


 キャスティナが、当たり前の様に言う。


「キャスティナお嬢様。ブリュノさんは、お嬢様の護衛なんですからダメですよ!」


 リサがビックリして、キャスティナに声を荒げた。


「でも、馬車まで少し歩くし人も多いから心配じゃない。私、ちゃんと馬車の中にいるから大丈夫。ブリュノ、ね?お願い」


 キャスティナが、ブリュノに向かってお願いする。ブリュノは、キャスティナにお願いされて断り切れない。仕方ないとばかりに、ブリュノはキャスティナを馬車に乗せる。


「絶対に馬車から出ないで下さいよ」


 っと、キャスティナに念を押す。馬車に待機していた従者にも、キャスティナが中にいる事をことづけてから、ブリュノはリサと手芸屋さんに戻った。


 キャスティナは、馬車の中で今日の買い物が楽しかった事を振り返る。またこうやって、買い物に来たいなっと思い、窓の外の景色を見ていた。すると、小さな少女が花売りをしているのが目に入った。紳士が一人、足を止めて花を一束買っている。少女が嬉しそうに、花とお金を交換していた。


 花を購入した紳士は、少女の頭をポンポンと叩くと購入した花を手に立ち去って行った。キャスティナは、その光景を見ながら花を買ってくれた人がいて良かったとホッとする。花を売っている少女は、大抵は貧しい家の子供でそのお金で家族数人を養っているものだ。

 

 きっと、今日はあの紳士のお陰でご飯が食べられるはずと少女に視線を送っていた。すると、少女が自分のカバンにお金を入れていたのだが、コインを数枚落としてしまった。落としたコインを拾っていたが、一枚の硬貨が少女から少し離れた所に落ちて拾い漏らしている。遠くから見ていたキャスティナだからきっと気づいたのだろう。


 キャスティナは、どうしようと考える。あの一枚のコインは、あの子にとったら命と同じくらい大切なはず……。拾って渡してあげたいけれど、外に出ないと約束したし……。迷っている間にも、少女は今日の花売りはお終いにするのか荷物を片づけ初めている。


 でもやっぱり、見て見ぬ振りが出来ないキャスティナは馬車の外に出る。従者が気づき声を掛けてきた。


「お嬢様。どうかしましたか?」


「あの子が、お金を落としたの。すぐ戻るから」


 そう言って、キャスティナは駆けて行ってしまう。


「ダメです!お嬢様っ!一人で行かないで下さい!」


 従者が、焦って叫ぶがキャスティナは行ってしまう。馬車から離れる訳にもいかず、従者はオロオロしていた。


 キャスティナは、きょろきょと周囲を見回しながら落としたコインを探す。


 少女に近づき、話しかける。


「こんにちは。さっきね、お金を落としたでしょ?多分拾い漏れてたコインがあるはずなの」


 少女は身なりのよい令嬢が、一人で駆け寄って来た事に驚きながら答える。


「え?本当ですか?」


 少女が、驚いてキャスティナと一緒にコインを探し始める。暫くすると、キャスティナが落ちていたコインを発見した。


「ほら、やっぱりあったわ。良かったわね」


 そう言って、キャスティナは少女にコインを渡した。少女は、ホッとしたようにコインを受け取る。


「わざわざ、本当にありがとうございました」


 少女が、キャスティナに深々と頭を下げる。キャスティナは、お礼を言う少女に笑顔を向けて馬車に戻ろうと路地の前を通る。通った瞬間、何か分からない黒い影がキャスティナを路地裏に引き込んだ。キャスティナは、びっくりして黒い影の顔を見る。見知らぬ男と目が合った。


「自分から一人になるなんて、ラッキー」


 そう言われた次の瞬間、キャスティナは白い布で口を塞がれ意識が遠のいた。

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