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聖剣使いの俺と無限魔力の妹で異世界生活してますがなんか思ったのと違う  作者: ペロロンチーノ


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8/8

聖剣解放?

 数日後。


 俺たちは再びギルドの掲示板の前に立っていた。


「……これ、どう思う?」


 桜が一枚の依頼書を指差す。


「“ゴブリン討伐・複数個体確認……」


 前より少し難易度が上がっている。

 前回のことを考えると少し戸惑う。


「いけそう?」


「……やってみるか」


 少し考えて、頷く。


「いいの?」


「ああ。いつまでも同じレベルじゃダメだしな」


「それもそうだね」




 街の外。


 前よりもさらに奥へ進む。


「この辺り……なんかちょっと空気違うな」


「うん」


 明らかに人や動物の気配が少ない。


 その分、魔物の気配が濃い気がする。


「(来るな……)」


 茂みが揺れる。


 そして――


「ギギッ!」


「……3体か」


 ゴブリンが三体、姿を現した。


「(いきなり多いな……)」


「どうする?」


「一体ずつやる」


「分かった、サポートするね」




 ゴブリンが一斉に動く。


「チッ……!」


 一体が突っ込んでくる。


「(まずはこいつ!)」


 踏み込む。


 剣を振る。


 ――ガキンッ!


「……っ!?」


 弾かれた。


「(硬い!?)」


 見ると、簡単な防具を身につけている。


「ギッ!」


 反撃が来る。


「くっ……!」


 受け止める。


 だが――


「(押される……!)」


 後ろから、もう一体。


「(まずい……!)」


 対応が間に合わない。



 


「――“ファイア”」


 横から炎が走る。


 ゴォッ!


 一体を吹き飛ばす。


「ナイス!」


「おにーちゃん、集中して!」


「分かってる!」




 だが、まだ二体いる。


「(どうする……)」


 今のままじゃ押し切られる。


 その時――


「(……あれ?)」


 ふと、剣に違和感を覚える。


 あの時と同じ。


 ほんのわずかな違和感。


「(これ……もしかして)」


 意識を向ける。


 聖剣へ。


「(力を……流すイメージ……?)」


 

頭の中になにやらビジョンが浮かび上がってくる。

 深く考えてる時間はなく、その通りにやるしかない




「はあっ!」


 踏み込む。


 そして――


 思い浮かんだように剣に力を流す。


 ――スッ。


「……?」


 振り抜いた瞬間。


 手応えが、軽すぎた。


「……え?」


 次の瞬間。


 ゴブリンの体が、ゆっくりとズレる。


 ――ズバッ。


 一刀で、斬れていた。


「(今の……)」


 今までとは明らかに違う。

なんの抵抗もなく切れた。




「おにーちゃん!後ろ!」


「っ!」


 振り返る。


 最後の一体。


 突っ込んでくる。


「(もう一回……!)」


 同じように、意識する。


 聖剣に力を通す。


 そして――


「はあっ!」


 振る。


 ――ズバッ!


 今度も、一撃。


 ゴブリンはそのまま倒れた。




「……はあ……」


 息を吐く。


「今の……何やったの?」


 桜が近づいてくる。


「……分からん」


 だが、確実に言えることがある。


「(切れ味……上がってたよな)」


 さっきまで弾かれていたのに、今は簡単に斬れた。


「もしかして……」


「聖剣の力、じゃない?」


「……多分な」



 


 剣を見る。


 特に変わった見た目ではない。


 だが――


「(使い方、分かってきたかもな)」


 身体強化だけじゃない。


 もっと聖剣の力を“引き出せる”。


 そんな感覚があった。




「すごかったよ、今の」


「……たまたまだ」


「またまた」


 桜が笑う。


「ちゃんと成長してるじゃん」


「……そうだといいけどな」




 周囲を確認する。


 もう敵はいない。


「依頼、達成だな」


「うん」




 帰り道。


「おにーちゃん」


「ん?」


「さっきの、もう一回できそう?」


「……どうだろうな」


 正直、感覚的なものだ。


「でも――」


 剣を軽く握る。


「できるようにはなる気がする」


「そっか」

「ならよかったね」


 桜は満足そうに頷いた。




 こうして俺たちは、


 また一歩、強くなった。


 妹に頼りきりだった戦いから――


 少しだけ、自分で戦えるようになって。


 そして――


「(聖剣……やっぱりすげえな)」


 まだ眠っている力。


 それを、少しだけ引き出せた気がした。

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