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【BL】オメガの最強騎士は苦悩する  作者: 夕凪 瓊紗.com
第2章

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【24】建国祭の準備


――――建国祭の準備は慌ただしい。城の官吏王都の有力者、近衛騎士に騎士団員、様々な業種がごった返している。


「しっかし騎士団女性団員増えてね?」

「一説によるとあなたの影響だとか」

話し掛けてきた騎士を見てびっくりする。


「あ、公爵邸の時の」

小隊を率いて一番に来てくれたリーダーだ。

「そういやまだ名前を聞いてなかったな」

「ギルバートです。ロシェさま」

さすがに俺のことは知っていたか。


「さまはいいよ。城下で目立ったら気軽に酒飲めない」

「そちらですか。やはりあなたは面白い方ですね。ロシェ殿。うちの団長は辺境伯をたいそう慕っておいでで、女性団員の増枠も辺境伯騎士団に倣ったそうですよ」


「ああ、そう言うことね。その昔……俺が見習い団員やっててさ」

御歳8歳。下位貴族や平民の子なら小遣い稼ぎついでに雑用もやっててもおかしくはない。


「そん時にめっちゃ強い姉ちゃんに会ってさ、何で騎士団に入らないのか聞いたら女だからって言うんだ。俺は騎士団に女性がいる意義を辺境伯に熱弁した」

それはまさに警察官に女性警察官が存在する意義のごとく。


「そしたら辺境伯が折れて女性部隊が結成されてな、その姉ちゃんが辺境伯令嬢のマーガレット(あね)さんだったわけだ」

「マーガレットさまのご活躍は王都にも届いてますよね。今や女性騎士たちの人気の的です。その部隊の名はアマゾネスでしたか」

「そうそう」


「うちの団長も王都アマゾネス隊と名付けました」

マジかよ。


「……アてマゾネスって何です?」

まー、こっちにアマゾンないからな。


「アマゾンは『密林』。何かカッコいいだろ?そこに『ネス』をつけるとさらにカッコいい。姉さんに女性部隊の名を何にしようか案を出して欲しいと言われてぽーんと出してみたら姉さんがドはまりしてさ、それに決まった」


「偶然は偶然ですがなかなかいいではないですか」

「そう?俺その理論で姉さんに『オメガネス』ってつけられたんだけどどう思う?」

「辺境伯令嬢さまに名付けていただいたとは光栄ですね!」

全く曇りっけない爽やかスマイルで言いやがる。コイツ……めっちゃ言いやつだな。

ギルバートと話していれば何だか騒がしくなる。


「ああ、アーサー殿下が来るのか」

うちの親分が打ち合わせに来るから洗脳はしないようにと言ってきたんだった。……洗脳未遂についてもバレてるぅっ!


しかしそんな時だった。


「アーサー殿下が来られるんだ!」

「平民は下がってろよ」

「不敬だろ!?」

おどおどする騎士団員に怒鳴ってるのは明らかな貴族のボンボンの近衛騎士たちである。


「近衛騎士にあんなやつらがねぇ」

「ロシェ殿がそう言ってくれるだけでありがたい。少し間に入……っ」

「まぁ待て、ギルバート。俺に任せておけ」

「あのー……ロシェ殿?何かすごく悪そうな顔をしてますよ……?」


「そうかぁ?だぁいじょうぶ、大丈夫」

俺はすたすたと彼らの元に歩いていく。ボンボンたちはアルファひとりに腰巾着のベータふたりだ。


「おい、お前ラアァッ」

アルファのボンボンの肩を叩く。


「何だおま……っ、そのチョーカーはオメガ……?」

「だから?」


「ちょ……オメガで近衛騎士ってことはあの……っ」

「アーサー殿下の愛……っ」


「それ以上言ったらしばくぞ腰巾着」

「ヒイイイィッ!!?」

よし、腰巾着一匹陥落~~っ!

誰が愛人だ。アーサーのお陰でとんだ風評被害だ。


「や、ヤバイですよ、確かオメガの狂せんっ」

「は?たかがオメガだろ?」

ベータのビビり腰巾着に対してもまだまだイキのいいアルファのボンボン。


「へぇ……?たかがオメガかぁ……言い度胸だ」

ぐわしりとアルファの頭を鷲掴みにする。

「ひ……っ、放せ……っ、取れな……っ」

必死に抵抗するものの微動だに動かない俺の腕に暴れるボンボン。


「どうだ?草食動物から襲われる肉食動物の気分だろ?」

「は……?」

「俺ァずぅっと気になってたんだぁ……オメガの項はさも有名だが、アルファの項を噛みちぎったら、どうなるかってナァッ!?」

「ひぃ……っ、そんなのっ」

アルファのくせに項を抑え出すボンボン。その脅えように崩れ落ちる残る腰巾着。

へなへなと力が抜け崩れ落ちるボンボン。ようやっと俺の手が外れたのに抵抗もできないようだ。


「よーし、お前らァッ!貴様らがどんな罪を犯したか存分に味わってもらおうかぁっ!お前らみたいな問題行動起こす近衛騎士のせいでぇっ!俺のリュカさまへのウキウキお土産プロジェクトが白紙になったんジャアァァッ!!!」

3人は地面の上に正座させられ、ひくひくと泣きじゃくる。

因みにお膝の上にはおもーい石板を置いてやった。


「うっひっひっひっ!うひゃひゃひゃひゃっ!!!」

高笑いを決めていれば、不意に声が響く。


「その……何をしているんです?ロシェ」

「あの……ロシェさんったら……その、とても不思議な笑い方だけれど……大丈夫?」

アーサーはともかく……その隣のオメガの青年を見る。藍色の髪に水色の瞳、隣国に多い浅黒い肌。


――――何で王太子妃さままで来てんのぉっ!?


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