第1話 この俺が異世界転生した
PV差を見るため、カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
俺は今、神と名乗る者の前にいる。
「私はそこらにいる女神。あなたは二十歳という若さで不運にもトラックに撥ねられ死にました。可愛そうだから異世界転生させてあげます」
どうやら目の前にいる者は女神で、俺が想像していたよりも多くいるようだ。
もはや自分が現世で死んだ事なんてどうでも良かった。そももそも今はこうして意識もあるし、死んだと言われても実感がない。
いや、それも大事だが…異世界転生だって!?
あの!有名な!アニメとかでよくある異世界転生者に俺はなれるっていうのか!!ってことは、もしかして…。
俺は唾を呑み込み目の前の女神に問いかける。
「異世界転生する前に、何かチート能力とかってもらえたりします?」
俺は思い切って核心を聞くと、女神は以外にもあっさり
「ええ、ひとつぐらいなら我がまま聞いてやらないこともないです」
という気前の良い返事を貰えたが、さっきからこの女神の話し方が凄い上から目線。まあいい、転生したらこの女神はもう無関係になるだろう、ここは我慢だ。俺は我慢が出来る男だからなっ!!
「じゃあ、若くて強い状態のまま不老不死で金持ちモテまくり人生イージーモード!っていうひとつの願いを聞いて欲しい」
ひとつの範囲が分からないが、俺はこれでひとつ扱いにしたい!通れ!!この願いよっ!!
「はんっ!!甘えるんじゃないよっ!」
バチコーーーン!!
ぶたれた!!女神にぶたれた事なんて人生初めてだっ!!くそっ!!俺は願いが叶わなかった事でブチ切れそうになるも、何とか堪えた!!そして、どんな願いなら叶えられるのかを聞いた。
「不老不死とかは無理です、能力を得るということは対価が必要となり、あなたの寿命を削る事になります。例えば、金持ちというのであれば、金額に見合っただけの寿命が減りますし、強い状態というのも、やはり強さに比例して寿命が減ります」
なるほどな。
となると、長生きしたければ、そこまで強くない能力や環境を選んだ方が良いということか。しかしそうなるとどうするか。
俺が悩んでいると、
「ご安心下さい。ちゃんと異世界での言語、文字、その世界での最低限のルールや知識はあなたの分かるようにしてあります、外見とかもその世界に合うようにします。なのでもう結構なリソース食ってるんですよ」
俺が懸念していたことを見透かしたように女神は答えてくれた。
つまり異世界転生して直ぐ困る事はなさそうだ。その上で更に何かひとつと言っても、その異世界がどんな世界が分からない以上、どうしようもないな。
俺はそう思い、転生先の世界を聞く事にした。
「あなたが好きそうな世界です」
と前置きし、中世風の文明、魔法あり、モンスターあり、冒険者として生きていくのもあり。
確かに俺の好きそうな世界観ではある。しかしゲームとかと違って、相手の強さとかが分からないと困る。
「相手の強さ情報とか見れる能力ってのはどう?」
俺は欲しいと思った能力を取り合えず聞いてみたところ、可能という事だった。更に詰めて行き、
「じゃあ、相手の強さ、弱点、種族、性別、身長、体重、名前、好みの食べ物、嫌いな食べ物、好きな事、パンツの色まで分かる?」
取り合えず思いついたものを言ってみると、そこまでの情報量となると、寿命が80%削られると言うことだ。
くそっ!!何を削ればいい!!対象のパンツの色は外したくない、外したくないが――っ!!
「じゃあ、相手の強さ、これをレベルという数字で見れるようにして、あとパンツの色が分かるってのはどう?」
「それだと、寿命が50%OFFになります」
「なら、相手のレベルだけ見えるなら?」
「それだけなら、寿命が一日減る程度です」
おいっ!!パンツの色の情報のリソースでかすぎないか!?
いや、まあいい。
俺の寿命が何年かは分からないが、取り合えずそれで妥協し、俺は異世界へと転生することとなった。
………。
目を覚ますと、俺は草原に立っていた。
辺りを見渡すと、街道らしきものが近くにあり、奥には森や山もある。海は見えないということは内陸か?
空を見上げると綺麗な青空が広がっており、太陽は真上にあるものの、本当にここが異世界なのかどうかが分からない。
次に自分の身なりを見ると、少し古臭い服、そして腰には鞘と袋があった。
袋の中身を見ると、硬貨が入っていた。
あの女神の言う通り、この世界の知識があるので、これが3000Gあるのも理解できた。そして直感的にこれでは1か月も持たないのも理解できた。
次に鞘から剣を抜いてみると、まるで新品のように傷1つない。一般的な剣であることもやはり理解できた。
そこでようやく異世界に来たのだと実感が湧いてきた。
街道の先に目をやると、街が見える。
取り合えず街に向かい、何があるかを見なければならない。
数十分歩いて、ようやく街に着いた。
街の門のところには『レギュンの街へようこそ』とあったので、この街はレギュンという街なのだろう。
次に向かったのはギルドだった。何となく街の中心近くにあるのを理解していた。
街中を歩いていると、人が多く活気もあり賑やかな街、恐らくこの国の中でな上位の街ということも自然と理解できた。
やがて、少しお洒落な二階建ての大きな建物、その建物の上には、その建物が何かを示すシンボル、太陽のマークが描かれてあった。
「ここがギルドだな」
まるで何年もこの世界にいるかのような錯覚に陥りつつも、中へと入っていくと、冒険者らしき人が十数名。
俺はその人たちを横目に、受付へと向かう。
「あの~、冒険者登録したいのですが」
俺が受付の人に声をかけると、名前とクラスを聞かれた。
そういえば名前を決めてなかった、前世での名前はここでは浮いてしまう。
そこで俺が前世好きだった作品のキャラクターに『ジークフリート』という英雄がいた。ジークは『勝利』、フリートは『平和』という意味だったはず。
今の俺の強さは良く分からないため、平和を願って『フリート』と名乗った。
この瞬間、俺はこの世界での名は『フリート』となった。
次にクラスは剣を持っていることから、戦士となった。
最低限のルールと知識しかないため、他にどんなクラスがあるかが分からない。あとで調べておく必要があるな。
「お待たせしました。これがギルド証となります。ランクはEランクからになっており、あそこにあるボードで依頼を見つけてください。また何か分からない事があれば、気軽に聞いてくださいね」
と、受付嬢から親切な対応をされたが、これも商売のひとつなのだろう。ギルド証を作ってもらうだけでも200Gも掛かってしまった。
ギルド証をマジマジと見る小さなプレートに紐が付いている。首にかけるタイプだろう。
次はどうするか、取り合えず依頼を見てみる事にするが、Eランクの依頼となると、パンの配達、行方不明になったペット探しと言ったものが多く、とても冒険者らしい感じがしない。
俺の想像している冒険者は、もっとこう、剣と魔法でモンスターとバチバチに戦って、殺るか殺られるか!!
って思っていたのになぁ~。
ドンッ!
「あ、すみません!」
俺が依頼探しに夢中になっていると、同じく依頼を探していたと思われる女の子とぶつかってしまった。
ショートヘアと動きやすそうな短パンが特徴的で、かなり可愛い。
そういえば、俺の能力ってどう見えるんだろう?
少し気になり心の中で『アナライズ』と唱えると、相手の頭上にLv6という文字が浮かんだ。Lv6がどのぐらいの強さか分からないため、俺は自分のレベルを見ることにしたが、どうやって見ればいいのだろうか?
取り合えず自分の手を見て能力を使ってみる。すると手の上にLv7という文字が出た。
俺の能力は相手となっていたが、自分にも発動したってことは、女神からのおまけと受け取っておこう。
他の冒険者たちを見ると、Lv13とかLv21とかが見えた、大体がレベル10台。これが一般的な冒険者のレベルだとしたら、俺も目の前の女の子もレベルが低いということになる。となれば――っ!!
「あの、もし良ければ俺とチーム組みません?」
頼むっ!!名も知らない女よっ!!どうかどのチームにも所属していないでくれぇぇぇ!!
俺が必死に心の中で叫んでいると、
「え!?いいんですか?私もちょうど、他の冒険者の方と一緒したいと思ってたところなんです!あ、すみません、私の名前はトゥルニー!戦士です!」
彼女はそう名乗った後、俺の名を聞いてきたので俺も名乗り、戦士だと告げた。
こうして俺は、この新しい世界で初めての仲間ができた。




