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元ネタ
最終回です。
「鄙の海・・・」
「え?」
「今、この時だけ、鄙の海にいるみたい」
高階姉妹の耳は確かに潮騒を聞いていた。
「・・・・・」
(そう・・・私の心の中でも、今も鄙鄙の海の思い出が残っている)
鄙の君は反芻した。
別れ際、高階姉姫は思い出した。
「○○物語」
明らかに鄙の君の肩がぎくりとした。
「あなたが鄙の海で語ってくれた話・・・既にあった物語のパクリだったのね。それも一字一句そのまんまなんて、芸がないにも程があるわ。まあ・・・「蟲愛づる姫君」と「冬ごもる」の続きはあなたの創作もあったからチャラにしてあげるわね」
「それは忝い・・・文士と言う肩書の面目は保ったようですね」
鄙の君は苦笑した。




