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入学したのに⑤
けれども、その雫は冷たさも水の液体感も一切感じなかった。
見えるものは、ほとんどが半透明。
噂で聞くホログラムというものなのだろう。
「別の世界に……きた?」
地元との差に唖然とする。
今まで持っていた常識が全て通用しないだろうと、その時思った。
ただ真新しい、そんな言葉では足りない。
目の前で泳ぐクジラも、半透明の看板も、どのような原理で動いているのか、見えているのか分からない。
空を見上げ、考えを巡らせていると、
「マギアス学園の学生の方はこちらにお願いしまーす!」
と声を張り上げるスーツ姿の女性がバスの前で手を振りながら、見回していた。
「あ……」と、漏らしながら荷物を持ってバスへ走った。
◇
入学から約二か月。
今日も寮の食堂でいつものように好きなものをトレイに乗せて朝食を取ろうと席に着く。
人生で初めての制服に初めての勉強。
初めてのことだらけで戸惑いながらも、現在まで生活してきた。
ただ、一つの問題を除いて。
「あらあら、ボンじゃない。そこ、私たちが使いたいんだけど」
声のした方に目を向けると、赤い少女と黒髪の少女三人が立っていた。
少し苛立ちを見せながら、圧力をかけてくる。




