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奈落
人を楽しませようと思って書き始めたヴィヴィア建国記は人を楽しませるものではないので公開しない事にしました。
小説を書く前、物語なんて所詮ただの文字で、大した力もなく、限界のあるものだと思っていました。
けれど実際に書いてみて気づいたのです。ぼくの書く物語は確かに面白い。けれど、それは現実生活にまで影響を及ぼし、支障をきたすほどの力を持ってしまう。
だからこそ、公開すべきではないと感じています。
ヴィヴィア建国記を読み返すたび、ぼく自身が深く落ち込んでしまう。
世の中には、読む者の心を重く沈める、そういう本や言葉が確かに存在するのだと知りました。
ぼくは断言します――言葉は、時に悪である。
だからこそ、その力を理解したうえで使わなければならない。
言葉は、悪なのです。
