目覚めました
目が覚めたら、いつもと違う感覚に、微睡んでいた意識は急浮上した。少し身動きするだけで、ザリザリと何かがこすれる音がし、息をする度に突風のように風が巻き起こる。
『なに、これ?』
自分の声にも驚き、ぱちぱちと何度も瞬きをする。少しだけちらりと下を向けば地面が遠く、鱗としかいいようがない、銀色に光るものが見えた。背には、翼のような感覚もある。もしかして、もしかしなくても、
『うぇっ!?ドラゴン化してるの、これ?』
低く響く声が、気の抜ける声を出した。
少し経ち、落ち着いたのか、身動きしない1匹のドラゴンが静かにそこにいた。周囲を見れば、茶色の土の塊で出来たもの以外は見当たらず、暗い。洞窟の中だということがよくわかる。が、狭いので、少しでも動けば崩れてしまいそうだ。
『…なのに』
ドラゴンが身震いさせる。すると、洞窟内も合わせるかのように振動し、パラパラと土が落ちる。
『これでも女の子なのに、何故こんなー』
このドラゴンは、中身は女の子。彼女は普通の女子高生だった。特徴の少ない、女の子だったはず。
『ドラゴン...か。でも、ドラゴン自体は見てみたかった』
少し嬉しそうに言いながらも、そわそわと狭い空間で自身の姿を確認している。
『転生なのかな?どう見ても、普通のドラゴンに急に乗り移ったようにしか思えない』
深く考え込んでから、諦めたかのようにため息をついた。
『ま、とにかく楽しむかな』
...。楽しむにしても、洞窟内でどうすれば良いのだろうか。
『ゲームみたいだし。…ドラゴンとしてやりきれるかな?』
こんな淡い気持ちを抱く主人公とこの世界は回ることになる。
しばらく経ち、彼女はあることを朧気に思い出した。自分の姿を見ていると、見覚えのある姿だと気づいたのだ。




