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道化と冠  作者: 青螢
9/69

狂人撲滅宣言(いらっ☆

 はいはーい。本日約束の六日目でござーい。

 今日の目的はいろんなボス戦だよーっと。つってもあれな、最高ランクとかじゃなくてそこそこの奴。推奨レベルは八十後半くらいの。それで勝つか負けるか半々くらいだから、百は超えた俺とチートのハクだと梯子するにはちょうどいいくらいなんだわー。それでも二、三くらいだけど。

 あ、そうそう。運営さんは一応噂は嘘ですよ~って掲示板で出してたけど、噂は収束してないどころかフィーバーし始めた。大変だね!

 んで? 何があって今回はあんな物騒なタイトルになったかってぇと(メタ発言)、あれよ。これ。

「んふふっ、そんな怖い顔しないでおくれよ」

「そうですよー。僕らも協力してあげるって言ってんですからー」

「人が多い方が少しでも多く敵を倒せるわよぉ?」

 〈帽子屋の茶会〉の三人が乱入してきやがったわけでございますよコンチクショー。

 暇か? 暇なのか!? てか他のメンバーどうした!? 同じギルメン同士つるんでろよ!!

「つれないねぇ」

 にやにや笑いの帽子屋をどうにかしてのかしたい。嫌いじゃねぇけど苦手なんだよ!!

「ハクが怖がっちゃうでしょ!!」

 だしにしてごめんよ。でも否定されないはずだ!!

「狼クン、いいだろう?」

「……」

 ちょっと!! そんな顔近づけて! 嫌がってんじゃん迷惑がってんじゃん! 気づけよバカー!!

「ねぇねぇねぇねぇ。いいじゃないですか? ね?」

「いいじゃないのよぉ」

 うわぁぉ、美人二人にまで迫られてうらやm……じゃないわ! 当たってる当ててんのよ状態だし! そこまでないけど! 両脇二人! 自重してぇ!!

「……」

 あぁぁあ、もー、ハクもそんな助けを求めるような目でこっちを見るな! 自分で何とかしなさい! Noと言える日本人になりましょう!! ……日本人だよねきっと!

 あいつ精神年齢いくつだよ……。迷子のガキみたいな顔して、女の子にまったく興味を示さないとは……ガキか、ガキすぎんのか。それともそれを上回る恐怖なのか……。

 女の子って時々怖いもんね! アリス嬢はともかく兎嬢とかね!

「さぁ、君の返事一つで今日の私たちの行動も決まるのだよ。早く決断してくれたまえ!!」

 出ました帽子屋のトンデモ理論。まずなんで決めなきゃいけないんだよっていうね。

 さて、ハク気づくかなー。俺なんも言わんぞ……。巻き込まれたら怖いから←

「男二人で寂しくやるより、女の子いた方がいいでしょう? いいでしょう? ってことで僕たちもつれていってくださいよー」

「もちろんドロップ品は貴方方で分けてくださってかまいませんわぁ」

 兎嬢は自分のウサ耳でハクのほっぺを、アリス嬢は指で二の腕をつんつんし始める。

 それに対してハクサンは……石化しております!! そこらの非モテ男から暴言はかれるぞばかハク。

「でも欲しいものがあるんですよー。それ以外はホント、お金もいらないんで。お願いしますよー」

「お願いしますわぁ」

「お願いするよ」

 三人にずいずい迫られてハクはどんどん後退していく。

 俺は地味に置いて行かれそうになりながらちょっと尋ねてみる。

「何が欲しいんだ? そんなにか?」

 レベル上限とそれに近い上級者だろ? 今更何が……。しかも中堅レベルのお前らだけでいけんだろ。余裕で、って感じなとこに。

「気にしたら負けだよ」

「ただの理由づけのためのかよ……」

 本当に欲しいわけじゃないなこいつら……しかもそこそこのレアドロップか大量に、狙ってやがる。そっちの方が長くいれるからな。

「いやですねーそんなことないですよー?」

「そうよぉ、私たち、それがないと困るものぉ」

「じゃ、目的のもの言えるよな?」

「「「……」」」

 三人そろってバラバラの方向に視線をそらす。

 いっそすがすがしいほど隠す気ねぇな!!

「はぁ……ハク、どうする?」

「き、聞くのか?」

「嫌がってんのはさすがにわかっけど、どうやらそいつら、俺の言葉聞く気ねぇぞ。嫌ならちゃんと断れ。……でもま、いい機会だし、パーティ訓練でもしといたほうがいんじゃね、とは言っとくか」

「っ!?」

 んな、裏切り者ー! って視線むけられてもよぉ……ちょうどいいんじゃね? いや、俺もこいつらは苦手だけど、こういうのも社会だぜ、ハク……。

 最初とは矛盾してる気もするけど、めんどくさいから押しつけてやるっ。

「んふふ。狼クンの飼い主は了解してくれたようだ」

「じゃ、後はフェンリルさんだけですね」

「どうかお願いしますわぁ」

「…………りょ、了承……」

 ハクにはどうやら三人の迫力に負けてしまったようだった。まる。

 ……さすがに対人レベル三くらいのハクに、中級ランクのボスは荷が重かったようだ。

 と、まぁ、こんな感じで、本日のメニューに帽子屋パーティが加わったわけですが。……が!!


「あれ、壁一人?」

 パーティ戦闘の基本は壁役と攻撃と後方支援の三つだと俺は思うわけよ。前衛は壁と攻撃。後衛は攻撃と後方支援ね。

 俺ら『魔術師』って基本後衛なのよ。防御力もないし、魔法って攻撃力は高いけど撃つまで時間がかかるのが普通だし、その間動けないのが多いしね。撃った後も硬直時間長いのもあるし。だから守ってもらわないと、ってのが前提としてあんの。

 だから俺はそれを守りつつ、敵をひきつけたり攻撃したりするのが前衛さんの仕事だと思ってんの。ま、若干『魔術師』としての守られて当然感があるかもしれないけどさぁ。

 で、でよ? そうなるとパーティには前衛と後衛、できればバランスよく配置するのが当然じゃない? いや、『魔術師』二人でいろいろやってた俺が言うのもあれだけど……。

 壁役が三月嬢一人ってドユコトー!?

「私もなろうと思えばなれるわよぉ。大丈夫よぉ」

 アリス嬢がかわいらしい声で言ってくる。そこじゃねぇ!!

「どっちも女子ジャン!! んで男三人とも魔術師なんだー!!」

 一番弱い俺が言ってもな! あれなんだけどね!! ってか、リア女子がこん中で何人いるかしんねぇけど!!

 アリス嬢が若干顔を曇らせて、それを三月嬢がフォローに入ってきた。

「ちょっとちょっと、アリスをいじめないでくださいよー」

「え、わっ、ごめんなぁ。アリス嬢? いじめたつもりはなかったんだけど」

「あ、だ、大丈夫よぉ! 頑張るから心配しないでねぇ」

「や、俺もフォローできると思うから、あんまり無理はしないでな?」

「はぁい。ありがとぉ」

 んんっ! さて、一段落ついたところでパーティメンバーの紹介です。

 俺(後方支援&攻撃)、ハク(後方範囲火力)、帽子屋(後方支援)、三月(壁)、アリス(攻撃&壁)。

 この無駄な後ろの豪華さね。レベルカンスト二人もいるぜ? なんだかなぁ……。

「この僕が! 壁一つ満足にこなせないとでも思っているんですか!?」

「いや、そうは言ってねぇけどよぉ。男って女の子守ってなんぼっしょ?」

「あらら~、時代錯誤な騎士道精神ですねー」

「おや? そうかい? 今でも騎士はたくさんいるじゃないか?」

「帽子屋さん、それ全部ゲームの中の話でしょう? まったくー、帽子屋さんはマッド・ハッタ―なんですから」

「それ言ってることなんも変わってないぜ?」

 キャラ作りだ。スルーしてやれ。つまんないけどな。

「ハクー? だいじょぶか?」

 ダンジョンの入り口についてからまったく話さなくなったハクのことも気に掛ける。

「……」

 あら、遠い目をしていらっしゃる。

 まま、ボス戦まで頑張ってくださいな(投げやり。


 うーん、今日も結構な時間遊んだなぁ! うんうん、満喫満喫。さて(現実に)帰ろう。

 え? 結局帽子屋とのバトルはどうなったのかって? カットだよカット! 思い出したくもない!!

 んー? 別に作者のやる気の問題じゃないぜ? 思い出したくもないからカット!!

 ただただあいつらはしっちゃかめっちゃかやってくれたってことでございますよ!! 腹立つなー!!

 聞いてよ!! 帽子屋のやろう、挑発行為なんだろうけど、敵にまったくダメージはいらない攻撃ばっかしてやがんの!! やりすぎなわけ!! おかげで敵は後衛(こっち)に殺到!!

 壁役の三月はその殺到した分をさばききれなくて、途中であきらめやがった!! 「自業自得ですー」とか言って壁役止めて攻撃に走ったの。おい、俺らまで巻き込まれるからやめろっつぅの!!

 アリス嬢はね、色々頑張ってくれたんだけどね、でもね、全然追いつかなかったんだよ……。

 まともに協力してくれたのはアリス嬢だけってなに? 唯一の良心だね! って、そんな話じゃねぇ!!

 てか、帽子屋が一番悪いんだよ!! なんなのあいつ喧嘩売ってんの?

 だからボス一匹倒して一ダンジョン制覇した後にきっちり言いました。

「非協力的な仲間はいらん!! やる気ないならどっかいけ!! てか、今日はもう近づくな狂人ども!! アリス嬢はほんとごめん。ありがとう!!」

 んで帽子屋には全力で、溜め無しで打てる中で一番強い魔法をぶっ放しておいた。溜め無しだと威力がだいぶ少ないのしかないのが悔しいけども。

 三月嬢は一応女性だからやめておいた。今時古臭い騎士道精神(笑)ですけど何か? 文句でもありますか?

 アリス嬢には丁寧に、申し訳ないけど帽子屋と一緒は無理。ときっぱり言って、二人を連れてお引き取りいただいた。

 ハクには平謝りね。嫌がってたのにちょっと薦めた俺が悪かった。ハクは怒ってなかったけどあからさまにほっとしていた。

 ……うん、本当にごめんなさぁぁああああい!!

 もうっ、もう二度とっ!!

 あんな奴らと一緒にパーティなんて組んでやるかこの野郎ぅぅうううううううう!!

 はいはーい、ちょっと腐女子が通りまーす。苦手な方はご注意を。

 なんで帽子屋さんたちが無理にでもついて来ようとしたかというと……。

三「むふふっ……!!」

帽「三月……その不気味は笑い方をやめたまえ」

ア「またなんか書いてるのぉ?」

三「そうですよ! 無表情無自覚美人と軽めの優しい保護者気質平凡!! あぁ、どっちが攻めでも素晴らしいですねー! hshs」

帽「……何の呪文だ?」

ア「さ、さぁ……?」

三「これでおかずにもご飯にも困りませーん!!」

ア&帽「??」


クロ「へっくし!」

ハク「どうした?」

クロ「なんか悪寒が……」

ハク「大丈夫か?」

クロ「……なんか変な噂……ってか餌食にされてる気がする……」

作「ご愁傷様!!」

ハク&クロ「!?」

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