〜あとがき〜
最後まで『デジャブの先で、君にもう一度』を読んでいただき、本当にありがとうございました。
この作品を書こうと思ったきっかけは、私自身の経験でした。
逃げたくなる日もあった。
限界を決めたくなる日もあった。
誰かのせいにしたくなる日も、自分のことで精一杯になってしまう日もありました。
皆さんにも、そんな日はあったでしょうか。
私は、そんな日があってもいいと思っています。
弱さも迷いも、その時の自分にしか分からない、本物の気持ちだからです。
だからこそ、考えるようになりました。
「それでも、人は何のために立ち向かうのだろう。」
この物語は、その問いから生まれました。
そして、ここまで読んでくださった方の中には、
「結局、あのデジャブは何だったの?」
と思った方もいるかもしれません。
未来から届いた記憶だったのか。
誰かが与えた、人生をやり直すための機会だったのか。
それとも、まったく別の何かだったのか。
その正体は、あえて描いていません。
この物語で描きたかったのは、「なぜデジャブが起きたのか」ではなく、
「もし同じ瞬間がもう一度訪れたとき、自分は同じ選択をするのか」
という問いだったからです。
デジャブは、湊の人生を変えてくれる力ではありません。
「本当にこのままでいいのか」と、自分の選択を見つめ直すきっかけでした。
人は過去を変えることはできません。
でも、次の選択は変えられる。
湊も特別な力で幸せになったのではなく、目の前の人と向き合い、自分自身で選び続けたことで、少しずつ未来を変えていきました。
私たちもきっと同じです。
もし、この作品を読み終えたあと、ふとした瞬間に、
「今日の自分は、未来の自分が笑える選択をしているだろうか。」
そんなことを一度でも考えていただけたなら、この物語を書いて本当に良かったと思います。
最後に。
『デジャブの先で、君にもう一度』というタイトルの「君」は、読む人によって違うのかもしれません。
家族かもしれない。
恋人かもしれない。
友人かもしれない。
もう会えない、大切な誰かかもしれない。
あるいは、過去の自分自身かもしれません。
この物語を読み終えた今。
あなたが思い浮かべた「君」と過ごすこの瞬間を、少しだけ大切にしていただけたら幸いです。
最後まで、本当にありがとうございました。




