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幼馴染と婚約したけど聖女も好きになったので頑張って爵位を取り、二人の女の子と結婚したい件  作者: ふくみどり


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2/12

村の広場の激闘

ストーン村に到着したカムシスは、まず情報収集のため教会を訪れた。


「こんにちは、シスターさん。俺、カムシスってんだけど、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいか?」


「こんにちは、カムシスさま。本日はどのようなご用件でしょうか?」


「イヴァンスって子を探してるんだ。どうやら剣技がめっちゃすごいらしいんだよ」


「ああ、イヴァンス君ですね。今ならたぶん村長のお宅にいると思いますよ。ヘルミス村長のお家は、教会の横の道を上ったところです。ご案内いたしましょうか?」


「ああ、よろしく頼むよ」


カムシスはレイカシスターに案内され、村長のお宅を訪れた。


「村長さま、お客様がお越しです。カムシスという方ですが」


村長はレイカにお礼を言うとカムシスを家の中に迎え入れた。


「カムシスさん、本日はどういうご用件ですかな?」


「ああ、イヴァンスって子を見に帝都から来たんだ。なんでも剣技がすごいって聞いてね。

今この家にいるって聞いて案内してもらったんだけど?」


「イヴァンス君はクラリスと今しがた出かけてしまいまして。おそらく村の中心にある広場だと思います。

村の若者が集まって剣技や格闘の訓練をしているところでしょう」


その話を聞くとカムシスの目が輝いた。


「失礼ですが、カムシスさんは帝国騎士団のお方ですかな?」


「いや、俺は政府の者だ。軍務卿の部下ってところさ。

ちょっとイヴァンスの噂を聞いてな、その腕前を見に来たってわけだ。

広場で訓練してるなら、ちょうどいい機会だな。

悪いが、村長さん、そこまで案内してもらえるか?」


村の広場では、イヴァンスを中心とした剣技の模擬戦が行われていた。


そこへカムシスが、にやりと笑いながら近づいてきた。


「お、やってるね~。俺も混ぜてよ、その模擬戦!」


木刀を手に取り、一対一の模擬戦に軽々と割り込んできたのだ。

「ここで一番強いのは誰だ?」


ビソップが答えた。

「イヴァンスだよ。おっちゃん、負けても知らないぜ?」


「お? いいね~。帝都から来た甲斐があるってもんだ。

イヴァンス君、俺と一戦お願いできるかな?」


「おっちゃんと? いいよ。クラリスにいいとこ見せられる絶好の機会だからなwww」


「なんかさっきからおっさん、おっさん言ってるけど、まだ二十歳だぜ」


そう笑いながらイヴァンスを見るカムシスの目は、獲物を狙う猛獣のそれとなっていた。


「はじめ!」


ビソップの掛け声とともに、カムシスが勢いよく突撃する。


カムシスは剣を振り、前後に踏み込み、まるで嵐のような連打を仕掛けてきた。

しかしイヴァンスは、軽くステップを踏むだけで、

すべてをかわし、ほんのわずかに手を出すだけで反撃してしまう。


突きも斬りも、カムシスのスピードの割にわずかな隙をついては全てかわしてしまう。


「おおっ、こいつ……速いな!」


カムシスが思わず息を漏らす間にも、イヴァンスはにこやかに、しかし正確に反撃を返す。

木刀がカムシスの手をかすめると、思わず「おっと!」と声が出る。

その間にもイヴァンスは間合いを見極め、軽く足を動かすだけで連打をすり抜ける。


ついにカムシスは力尽き、息を切らしながら膝から崩れ落ちた。

しかし、顔には満面の笑みが浮かんでいた。


「ははは! まいった、まいった! 坊や、強すぎるぜ!」


「クラリス~!見てた!?この勝利をクラリスにささげるぜ!」


広場にいた村人たちも、思わず吹き出す。

「も~、イヴァンス! そんなこと、大声で言わないでよ~」

クラリスは顔を真っ赤にして、うつむきながら恥ずかしそうにしている。


ビソップは両脇に手を当てて苦笑しながら、

「相変わらずだな、イヴァンス」と呟いた。


カムシスは膝をついたまま、まだ息を切らしながらも、にやりと笑って呟いた。

周囲には聞こえないほど小さな声で――


「ふっ、見つけた、見つけたぞ……!」


こうして、帝国からの密偵による初の“真剣模擬戦”は、イヴァンスの圧倒的な勝利で幕を閉じたのだった。

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