第十四話 二十歳のカフェ
どうしよう。紅茶欲が止まらない。この近くに美味しい紅茶が飲めるカフェがあると知っているから行きたすぎる。
午前の仕事は二時間程度で終わった。あまりにスムーズで次まで二時間ある。移動時間をひいても余裕がある。
ううむ、行っちゃうか? あそこランチも美味しいんだよなぁ。サラダが特に。
「いたたた」
お腹の調子が悪いです。昨日、激辛汁なし坦々麺を食べたせい。「結構辛いですよ」という忠告を無視して頼んだら死んだ。喉も痛い。胃腸にダメージを受けているため食欲がない。でも、食べないと午後の仕事に影響がでる。空腹で仕事はしたくない。あー、なんて我儘な。
紅茶は飲みたいし、メニュー見て考えよう。紅茶だけでもいいんだから。
時刻は十一時前。開店時間に到着できそうだ。
到着すると、すでに二組のお客さん。人気だよね、このカフェ。店員さんも優しくて好き。
席に座り、メニューを見る。チリコンカンヌードル美味しそー……胃腸がッ。苺パフェ美味しそー……今の胃腸には重たい?
サラダとスープのセットがいいだろうか。うむ。
飲み物を選ぼう。紅茶のつもりで来たが珈琲も美味しいのだ。カフェオレボウルにたっぷり入れてくれる。黒糖で甘味をつけ、シナモンが振られたオリジナル珈琲が美味しいんだよねぇ。
優柔不断なので悩んだらおしまいである。
でも、カフェイン刺激強いかな。紅茶の方が優しそう。前にも飲んだアイリッシュウイスキーの香りがする紅茶。あー、これ飲みたい。ロンネフェルト紅茶だし美味しいの。飲み物はこれに決めた。
しかし、この紅茶にランチメニュー。タプタプになりそう! スープも飲みたいけど、紅茶欲が!!
スイーツを見た。本日のスイーツ? レジ横にある焼き菓子のことらしい。見えるアレはスコーンかな。この紅茶にスコーン絶対美味しい。抗えん。
店員を呼ぼうとしたら、すぐにお姉さんが来てくれた。このカフェ仕事できる人達だから好き。もっと家から近かったら入り浸るのに。
「この紅茶と、本日のスイーツ。何がありますか?」
詳しくはスタッフまでと書いてあった。
「えっと、確認しますね」
お姉さんはレジ横を見に行った。
「紅茶のスコーンと……」
ん?
「もう一度見ていいですか?」
「?? はい」
たくさんあるのだろうか。見に行きましょうか? すぐそこだし。
「珈琲シナモンスコーンと」
ほう。気になる。
「…………えっと」
「…………?」
困ったお姉さんはスコーンが乗った皿ごと持ってきた。わわわ! 見に行きますのに! す、すみませぇぇん。
見せてくださったスコーン二種。
「あと、しし柚子のスコーン。栗とアンコのスコーンがあります」
そりゃ覚えられませんな! しし柚子とは!? んー、食べたいのは……目の前に見せられたアンコが挟まれたやつ。ビジュアルがいい。
「アンコと栗のやつでお願いします。あと……」
もう少し食べたい。手軽なスイーツをもう一つ。
「シフォンケーキを」
メニューの写真から分かる。絶対美味しい。
ガッツリスイーツを頼んでしまった。あとで塩辛いもの食べたくならないといいけれど。
「お待たせしました」
運ばれてきた紅茶の甘い香り。
ああ、これで良かったっ! 内心嬉し涙である。
スコーンとシフォンケーキは同じお皿に盛られ、生クリームがかけられている。シフォンケーキにはジャムも。やったぁ。ここのジャム食べてみたかったんだよね。店内で販売されているのだ。
「自家製ジャムはグレープフルーツです」
グレープフルーツかぁ……。珍しいの嬉しいが、酸味が苦手なのだ。マーマレードは好きなんだけどね。
さて、いただこう。
まずは紅茶。ガラスのカップに注ぐと湯気にアイリッシュウイスキーの香りが舞う。ああ〜! 好き!
この甘い香りはミルクが合うだろうが、まずはストレートで。美味しい紅茶なので砂糖はほんの少し。
ゴクリ。
うめぇっすわ。絶対スイーツ合う。
スコーンからいこう。ホイップクリームがかかっているのでフォークで割る。うおっ。中に丸々一個栗が! すげぇな。一口分とって食べる。アンコにクリームが合うぜ! 栗も甘い。甘露煮にしているのだろう。栗だけで売れる。
メニュー開発は店長ですか? 毎度思うのよ。天才。
紅茶がグビグビ進む。ホットで頼むと二杯分飲めるのだが、三杯で飲みたいので少なめに入れていた。あっという間に一杯目完飲。
二杯目を注ぐ。味見。少し濃くなっている。ミルク入れますかな。お、ミルク温かい。うれしい嬉しい。砂糖は気持ち多めで。
グビッ。ぷはぁ! ほわんとする。重低音で「あーーーー」言いたくなる。沁みるっての。
シフォンケーキを切る。プレーンだ。黄身の黄色が綺麗である。クリームと食べる。繊細だ。優しい。クリームも優しい甘さなので調和している。
そこに紅茶の程よい渋み。くぅ。
「お陰様で今年でハタチになります」
他のお客さんと店員が話している。知り合い? 常連なのかな。
「二十周年ですかぁ」
あ。ああ! カフェが二十年目なのか! すごいな。美味いもんな。居心地いいし。
アットホームな雰囲気。会話の邪魔にならない店内BGM。整頓され綺麗なキッチン。明るい店員さん達。
これからも続いてほしい。
シフォンケーキをジャムと一緒に食べる。おお、このジャムいける。甘すぎずグレープフルーツの爽やかな酸味。主張はするがいてほしい程度の苦味。果肉感。
何かジャム買って帰りたいな。苺、オレンジ、栗。種類も豊富。重たいから今度身軽なときに。
三杯目を注ぎ、ミルクと砂糖を入れた。気持ち甘めに作る。うふふ。香りよし、甘みよし、濃厚。ニマニマしてしまう飲み物だ。
「いらっしゃいませー」
おや、もうテーブル席が埋まってしまった。カウンターも残り少ない。
時間を見る。そろそろ店を出なければいけないな。
携帯を閉じ、残りのスイーツと紅茶の余韻を最後まで楽しむ。
チャージ完了。午後の仕事も元気にこなせるぞ!
「サラダとスープお待たせしました〜」
気になっていたメニューが運ばれていく。次はランチメニュー食べたい。胃腸の調子を整えて、また来ますッッ。
お読みいただきありがとうございました!
今回お邪魔したのは「Cafe小町」さんです。
ジャンク丼なる野菜とポテトチップスが乗った丼を見たときは驚きました。お店で食べられるだと!? 美味しいのでオススメ。
作中にでたロンネフェルトの紅茶、好きすぎて自宅用に買いました。最高です。
次話、リベンジ甘味




