第十三話 ビアフェス
仕事先の方々に挨拶を終えフリーになったので、本日は去年から目をつけていたイベントに突撃だ。
一人で行く予定じゃなかったのに、なんだかんだ一人で行くことになった。
クラフトビールのイベント。前売り券買っておきました! 電子チケットを見せて入場。
入場してすぐ、炭酸水を配っていた。
「これ、貰っていいんですか?」
お兄さんに聞く。
「今から入場ですか? 会場の中に冷えたものもあります」
し、親切ーーーっ。
会場に入って冷えた炭酸水をもらった。あ、飲むときに貰えばよかったや。お馬鹿。
気を取り直して、いざビアフェス!!
「うおっ……」
天候は雨なのに賑わっている。これ、一人で来てよかったか!?
お酒の力だろうか。どこか穏やかな雰囲気。なんだろう。会場全体時間の共有と言おうか。
思い出す漫画「もやしもん」のビール回。皆楽しそうであった。
クラフトビールは好きだが詳しくはない。色々ありすぎて分からない。おすすめビール表とかありませんか? とりあえず飲むしかない。
ふむ。一杯目を何にするか。見て回ろう。
オツマミ店もある。知っている店が一店舗あった。燻製いいな。人気らしく売り切れていた。
ああ、どれも気になる。ハイビスカスビールってなんですか! 酸味は苦手だから……苦手そうだけど試飲したいです。
「はっ」
足を止めた。アップルティービールとな!? その横に林檎と酒粕のスムージーエールの紹介が!?
スムージーエール! あったら飲みたかったやつ!
絶対に飲もう。
内心キラキラしていると店舗のオジサンが声をかけてきた。
「気になるのありますか?」
「こ、これ。スムージーエール好きで……。あと、アップルティーのも気になります」
「アップルティーのがスムージーのやつです」
あ、そうなのか。悩む必要なくなったな。
「酒粕って……」
「苦手ですが?」
「そんなことはないんですけれど」
会場の雰囲気に飲まれてたどたどしいな自分。はっきり言え。シラフだろう。
「酒粕あまり強くないですよ」
ほう。とりあえず一杯目飲みたいし、この接客のまま頼んでしまえ。
「一杯ください」
「はい。では、スタンプ押しますね」
「スタンプ?」
パンフレットにスタンプを押してくれた。
「四つ集めると良いことがあります」
「良いこと?」
あ、答えてくれない。
「どうぞ」
見た目はリンゴスムージー。ビールを受け取った。すぐに飲みたいが会場設置のテーブルを……。こぼすし。
二滴零れた。ああ、見ました!? ごめんなさい! まだ酔ってないです!
人混みを避け、テーブルを探すがない。空いていない。
仕方ないので柱の近く、邪魔にならない場所で一口。
「くぅ」
うめぇ。酒粕と林檎の調和。これは好き。ビールっぽくない。
ハッ。一杯目にデザートビール飲んじゃった。
二杯目を探して歩く。
「何杯目ですか?」
立ち止まった店舗の男性に声をかけられた。このイベントで聞くにはいい声かけ文句だろう。
「二杯目です」
「今から二杯目?」
「はい」
ビールは三種類あるらしく説明してくれた。うーん、しかし興味があまり湧かない。
「リンゴを使ったビールで」
気になるが!
「一杯目甘いの飲みました」
「じゃあ苦いのは……」
おお。売るの上手い。【四万温泉エール】か……。温泉の響きがいいな。もういいや。悩むより飲め。
ということでビアフェスのために仕込んだというビールをもらった。
今度はテーブルを使いたい。団体さんの隅っこ空いていたのでビールを置かせてもらう。団体さんは気にしないようだ。お邪魔しますねぇ。
どれどれ。飲んでみよう。
ペールエール。心地の良い苦味。これ美味いやつ。オリジナル新作とのことだが、これからも販売してほしい。あとで蒸留所を検索してみよう。
適当に選んでも美味しかったりする。この出会い。イベントに来て良かった。
三杯目。名前詳しくなくても知っていた。伊勢角屋麦酒さん。一度通り過ぎて戻ってきました。
「ポップ好きでしたら、これオススメです!」
明るいお姉さん。素敵です。
【ポップにゃおん】をセレクト。名前が可愛いから選んだ。
こちらもよく冷えている。ゴクリ。確かにポップの香りが素晴らしい。フルーティーで苦すぎず飲みやすい。
テーブルが空いていたので飲んでいると、係のお姉さんがビール片手にテーブルを拭いてくれている。飲みながら仕事できるの楽しいだろうな。普段は許されない特別感。
「ここ、戻ってこられますか?」
んお?
テーブル取りでパンフレットを置いているのか聞かれた。こちらに来る前からあったので知らない。そもそも一人で来ている。
ブンブンと首を振っといた。
「うぃー」
綺麗に拭かれたテーブルに絵に書いたような酔っ払いが来た。見ると若い男性。ベロベロじゃん。え? 帰れる?
HELIOS変態ホイホイという渾名がある。大人しそうな見た目だからだろう。残念。反射的に顔面殴っちゃうタイプである。とはいえ事件は起こしたくない。ひとまず警戒だ。
ちなみに変態ホイホイ、これは遺伝のようだ。他の身内も笑う経験をしている。
酔っ払いに絡まれたくない。あれ……なぜこっちを見ている。近い。テーブルに二人しかいないのに。視線がグサグサ刺さる。寂しい人なんだろうなぁと空気で感じる。
隣のテーブルに移動し「うざい♡」と意思表示。睨みつけないだけ優しいものである。すると消えていった。酔っ払いでも分かったらしい。しかし、無事に帰れるといいのだけれど。
それにしてもビール美味しい。ツマミがなくとも飲める。
一口飲んで余韻を楽しむ。これがいい。プシュー言いたくなりますね。
飲んでいると放送が流れた。店舗紹介かと聞いていたが……。
「皆さんで乾杯しましょう!」
なんて素敵な。会場が一体になる。
「乾杯ーーーっ!」
一人なもので。小心者なもので。心の中で乾杯して一口飲んだ。ノリ悪くてすみません! 両隣は乾杯しているのに!!
「チピチピチャパ!」
隣のカップル、彼女が歌い出した猫ミーム。可愛い彼女だな!? 勝手に癒される。
「今、五杯目……」
隣の男性組が話ている。うーん。こちら三杯目。いい感じにほろ酔いだが、まだ飲みたくなるな?
ラスト一杯狙おうではないか。スタンプ四つ溜まるといいことが起きる。
四杯目。酒のスーパーマックスさんの蜂蜜ビール。ビールの名前は見忘れた。
存在は知っていた蜂蜜ビール。飲んでみたい。デザートに最適。
「どれ気になりますか?」
お姉さんに聞かれた。
「蜂蜜のやつ。飲んだことないんです。甘いですか?」
「甘いですけど、舌に残らないですよ」
ほう。もう決まりだろう。
「じゃあ、これを」
注がれたビールは少なかった。原価高いのだろう。
〆におでん食べたかったが……ゴクリ。甘い。美味しい。おでん合わない! このままビールだけいただこう。
蜂蜜の炭酸ジュースのようだが、しっかりとアルコール。香りはビール。こりゃ美味い。
放送が流れる。水分補給忘れないよう注意喚起だ。
水分補給……。配られた炭酸水は「富良野ホップ炭酸水」だ。前にも飲んだが久々である。これ美味いんです。また市販でお目にかかりたい。
個人的にはエルダーフラワーの炭酸水も好きで、一度箱買いしたことがある。
ふむ、蜂蜜ビール。少なめで丁度良かった。甘いのでたくさんは飲めないのだ。
四杯飲んだのでスタンプ四つ。四つ集めるとステッカーを貰えるらしい。七つでガラガラ抽選。
七杯はキツイなぁ。許容範囲ギリギリライン。吐いて帰りたくはない。
「楽しかった」
ビアフェス来て良かった。今回の雰囲気を考えると、誰かと来ても楽しめるだろう。「うまい!」と声に出して喜びあいたいものだ。
本番ドイツなら一人でも喜びあえるのであろうか?
これから暖かくなればビアガーデンも開催される。一人で行けるのだろうか? さすがに怖い怖い。
フフーンとほろ酔い気分で帰っていった。
お読みいただきありがとうございました!
今回は参加しましたのは......名前忘れました。
とにかく! ビアフェスでした!
四杯でとどめたのは、このあと行きたい店があったからです。フラフラで行くわけにはいかず、ほどほどにしました。
現在クラフトビールブームは落ち着きました。
しかし、夏になると爽やかに飲み干したくなるのでしょう。
次話、どれ投稿するか悩み中です。




