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神様は意地悪だ  作者: 二階堂燐
1/6

悲しい現実

神様は意地悪だ。

なんで、こうなったのだろうか。

私は、いろんなことを頑張った。

家族に愛される努力をした。

婚約者に好かれる努力をした。

だけど、だめだった。

両親が好きなのは妹だけだ。

兄さんだって、そうだ。

婚約者は、とても素敵な人だ。私は彼に恋をしていた。

けれど、彼が恋していたのは妹だ。

どこで、私は間違えたのだろうか。

わからないよ。


「あなたは、なぜ自身の妹にひどい仕打ちができたのですか」


そう言って、私の婚約者は冷たい笑顔を私に向ける。

そんなことはしていない。そう言いたいのに、声が出ない。

いや、声が出たとしても私の声なんて彼らには届かない。


「なにも、言わないのですか」

「………」


私はもう、疲れていた。

涙すら、もう出てこなかった。

私は、婚約者の元に走った。

彼はひどく驚いたが私が何か妹にすると思ったのか妹を庇った。けれど、私の狙いは彼の剣だ。


彼の剣を奪うとそれを私は私に突き立てた。

なぜか彼は焦っていた。なぜ、そんな顔をするの。


みんな、みんな私のことなんてどうだっていいのだろうに。



_____________

___________







私はアルシュタリア家に生まれた長女だ。

父は厳しく母は穏やかな人だった。

兄は聡明で家族のことを愛していた。

妹はそんな家族に愛される、天真爛漫なお人形のように愛らしい存在だった。まるで、天使のようだとみんなが言った。


私は、妹が羨ましかった。いつも、いいなと思っていた。

妹や兄は父や母に似て美男美女であり綺麗な金色の髪をしていた。その反面、私は赤錆色の髪の毛、容姿も妹のように可愛くない。


いつも、私は周りに比較されていた。お兄さんや妹さんはあんなに両親に似ていて素晴らしいのに、と。


そんなの、私が一番よくわかっている。顔立ちはそこそこだと自負しているが妹には絶対に勝てない。髪の色も赤錆色だとよく笑われている。魔法だって、兄さんや妹のように上手く扱えない。


こんな私が、ある時、殿下の婚約者に選ばれた。だからこそ、みんな驚いたし、私も驚いた。

選ぶのなら、私なんかじゃない、妹のほうだろうとみんなの顔が物語っていた。


父は私に聞いた「本当にいいのか」と。

選択権なんて物与えられるわけもない。一度顔合わせと称して城に招かれた。


私は、その時、初めて王太子を見た。


「はじめまして。私はカイル・アルハリアです。」


王太子を天使かと思った。

この時のことを私はあまり覚えていない。緊張のあまり、なにかをもごもごとしてた気がするがわからない。

ただ、覚えているのは、手を握り穏やかに微笑んでくれたことだけだ。




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