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ep.24


«………が、伊奈瀬那月を狙って動き出してるぞ。»




それはとある一通のメッセージだった、相手は誰か分からない。


ただ、なんで僕の連絡先を知っているのか、どこの誰なのか全く分からなかったが伊奈瀬くんを狙っている、その一言だけでまた何か起こるだろう、そう思った。



「何も無ければ、なんて無理か…。とりあえず伊奈瀬くんには気を付けるように言ってあの三人と生徒会メンバーにも伝えるか」



頭を抱えたくなるような問題が次から次へと――



だが、あの子は悪くない。

一人転入してきて頼れる人もまだまだ少ないだろうし、あの三人や生徒会メンバーだけではどうしても手が回らないこともあるだろう。


生徒会メンバーはただでさえ親衛隊がうるさいのだ、そうそう構ってもいられないし下手をしたら制裁なんかも起こりかねない。

そういう所にも注意を払っていかなければならないしそうなるともう僕一人じゃどうしようもない、それならいっそ誰かとくっついちゃえばいいのに。



なんて、伊奈瀬くんに失礼か。



自分がその相手に、なんておこがましいことは思わないけど本当に誰かとくっついちゃえばいいのになあ。



そうすれば周りは多少落ち着くだろう。



一人だから狙われる、なんて言い方は悪いかもしれないが守ってくれる相手が出来ることは周りへの牽制にも繋がるからいい案だと思うんだけど、まあそこは本人の気持ち次第だよね。



とりあえず、今はこのメッセージの相手が誰なのか。

どうして僕の連絡先を…は後でいいや。


あの子のことを守れるのならなんだってしてやるよ。



僕の人脈…


――舐めないでよね? ね、伊吹白乃先輩?







「ふふ、やっと…、やっと那月に会える。待ってたよ?那月。やっと俺のモノになってくれる気になったんだね、嬉しいなあ…」

「白乃さ…」

「うるさい!黙ってて!俺は那月と…那月を……」

「……申し訳ございません」

「ふふ、那月?かわいいね、かわいいよ。早く会いたいなあ」

(イカれてやがる、この人……)



薄暗い部屋の中で一人、画面を眺めながらブツブツと呟く人物を見て背筋が凍る。



ある人はこう言った ‹あの人はおかしい› と

ある人はこう言った ‹あいつは狂ってやがる› と

ある人はこう言った ‹もう手遅れだろ› と

ある人はこう言った ‹伊奈瀬那月という人物への執着がすごい› と



雪色の長髪に全体的に色素の薄い見た目、黙っていれば美人だと言われるであろうその人物は



――伊奈瀬那月に心酔している、ただの化け物だ




ああ、可哀想に。

この人に目を付けられたが最後逃げられはしないのに、まさかこの学園にやってきてしまうとは。

なんと不運なことだろう。

だが、そんなこと口が裂けても言えない。

俺はただ、この人に従うだけの存在だから。



「那月…、那月…。早く会いたいな、顔が見たいよ。早く、俺のモノになってくれるよね?ふふ…」



(ああ、何度見ても慣れないな。慣れたくもないが、伊奈瀬上手く逃げ切れよ…?忠告は、したからな)


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