火山道・影巨兵との激突 ― “第二の脈動”
〈帝国南方・ヴァルハイド火山道 ― 聖樹根域への入口〉
破砕音が山脈に響く。
黒い火山岩を押し割るようにして、影の巨塊が立ち上がった。
――“影の巨兵”。
三階建ての楼閣ほどの巨体。
腕は鉄柱のように太く、胸部には虚界の“目”が脈打つ。
帝国兵
「ひ、ひぃっ……なんだこの怪物は!!」
アリア
「強度は影獣の三倍……!
おそらく十二魔導将の眷属級……!」
セリオ(震えながら)
「で、でも……これでも……まだ“序の口”なんですぅ……!!
次……もっとヤバいのが来ますぅ……!」
レオンが剣を掲げ、静かに前へと歩み出る。
レオン
「まずはこの巨兵を叩く。
ここを抜けねば聖樹には辿り着けん。」
クラリス(剣を抜き、微笑む)
「旦那様、左から斬りますわ。」
イリナ(槍を回しながら笑う)
「じゃあワタシは右ね! 勝負だよクラリスさん!」
クラリス
「望むところです。」
帝国軍は息を呑んだ。
ライゼン(呆然)
「この状況で競争するのか……? なんという胆力だ……」
ミュゼ
「……あれが“不死王の側に立つ者”の異常性よ。」
---
クラリスが風のように駆ける。
氷の刃が火山の赤光を浴び、蒼い弧を描く。
クラリス
「――月氷連牙!」
巨兵の膝装甲が砕け、黒炎が散った。
イリナは高く跳躍、星光の槍を振り下ろす。
イリナ
「星穿突!!」
巨兵の右肩が弾け飛ぶ。
そして巨兵の注意が二人に向いた瞬間――
レオンが真下に潜り込み、蒼炎の剣を突き上げた。
レオン
「――穿て。アークレイ。」
蒼炎が影の胸核を貫く。
巨兵シャドウ・ジャガーノート
「――!!」
巨体が崩れ、黒い霧となって消え去る。
帝国兵
「つ、強すぎる……!
あの化け物を一瞬で……!」
ライゼン
「……噂以上だ。“ノエル殿”……いや――」
ミュゼ(小声)
「彼らがいなければ、帝国軍は今ここで壊滅していたわね。」
---
影霧が晴れた――その瞬間。
セリオ
「ひぃぃぃっ!!
き、来ます!! 今度は――“もっとヤバいの”!!!
火山の奥から……
で、でっかい“炎の影”が……三体……!!!
やだぁぁぁぁぁぁ!!!」
アリア
「炎……影の炎……
――レオンさん、これは“第二の脈動”です!」
イリナ
「第二の、って……何それ!?
え、もしかして前の巨兵は“ただの前座”ってコト!?」
クラリス
「落ち着いてくださいイリナさん。
旦那様、どうします?」
レオンは火山内部の気脈を眺め、短く答えた。
レオン
「――来るぞ。
“火炎守護者”だ。」
アリア
「やっぱり……! 始動したのね、“聖樹イグニアの熱脈”が!」
ミュゼ(震え声)
「守護者級……それは帝国軍ですら対応が難しい……!」
ライゼン
「ノエル殿……先陣は任せられるか?」
レオン(剣を構える)
「最初からそのつもりだ。」
イリナ&クラリス(同時)
「行きます!!」
セリオ(泣き声)
「い、行かないでぇぇぇぇ!!!」
いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、火山道・地獄の側面戦線
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