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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第三章

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水守の誓い ― 絶望の執行者〈ヴァルドラ〉

〈帝国東領・ブルーリヴァー峡谷〉

蒼い霧が晴れ、静寂が戻った。

帝国第七親衛騎士団の残兵たちは倒れながらも息をしていた。


帝国隊長:「……助かったのか……?」

ティル=アクエラ:「聖樹の水が、まだこの地を守っているようです。」


レイヴンは剣を下ろし、呟いた。

「ヴェル=オルグ――あれはまだ“試していただけ”だ。」


リスティア:「試す……? あの魔族が、私たちを?」

ヴェイル:「確かに、全力って感じじゃなかったな。

 まるで“研究”されてるみたいだった。」


ミュリオ:「はいっ、データ解析してたんですよ! 目が完全に“上から見下ろす観察者モード”でしたもん!」


風が止む。

不穏な静寂が谷を覆う。



---



“ザァァッ……”


ティル=アクエラ:「……水が逆流しています!」

リスティア:「また!? 瘴気反応、増加中です!」


霧の奥――黒い影がうごめく。

虚界兵シェイドソルジャー十体。

その中心から、漆黒の甲冑の巨影が姿を現した。


> 『我は――影の執行者ヴァルドラ。

 ヴェル=オルグ様の命により、この地を影に還す。』




ヴェイル:「また厄介そうなのが出てきやがった……」

ミュリオ:「いやいやいや、これ完全にボス級の気配ですよぉぉぉ!!」

リスティア:「構えます!!」

レイヴン:「……全員、陣形を保て!」



---



ヴァルドラが四本の腕を広げ、漆黒の鎖を展開する。

鎖が地を這い、触れた岩を腐らせ、霧を裂いた。


> 『“主の影”に抗うは、愚行なり。』




レイヴン:「“氷水双閃・流零断”!」

光の斬撃が黒影を裂く――が、すぐに再生。


リスティア:「なっ……!? 斬れてないっ!」

ヴェイル:「無限再生!? それ反則だろっ!」


ヴァルドラ:「“影に還る者”を斬る術を、人は持たぬ。」

ティル=アクエラ:「だめです!

 聖樹の加護が……この影には届かない!」


ミュリオ:「属性完全相性負けぇぇぇぇぇ!!」

レイヴン:「……っ、撤退する!」


リスティア:「でも!」

レイヴン:「勝てん。今は――生き延びることが最優先だ!」


彼が剣を振るうと、爆風が巻き起こり、水柱が視界を覆った。

その隙に一行は谷を離脱。


ヴァルドラがゆっくりと見送る。


> 『……逃げたか。

 だが、いずれ“影”は追いつく。』





---




荒れた山道を駆け抜け、霧の外れでようやく足を止めた。

レイヴンたちの前に、血に濡れた帝国兵の一団が立っていた。


帝国副隊長:「あなた方が……救援に来てくださったのですね!

 残り十名ほどが生き延びています……!」


リスティア:「谷の中はもう……。影の化け物が残っていました。」

ヴェイル:「まるで軍勢だったな。あれは“侵攻”だ。」

ミュリオ:「うう……研究者視点でも“ヤバさ指数1000%”ですぅぅぅ……!」


帝国副隊長は頷き、地図を広げた。

「我々は“聖樹水脈”を守る任務でした。

 だが、封印の一部が壊れ、虚界から何かが溢れ出してきたのです。」


ティル=アクエラ:「封印が……“影の流れ”に飲まれたのですね。」

レイヴン:「あのヴァルドラを倒さねば、封印の修復も不可能だ。」


リスティア:「レイブン様……また戻るんですか?」

レイヴン:「ああ。逃げただけでは、この地が滅ぶ。

 ――倒す策を、練る。」



---




帝国副隊長:「あの鎖の怪物は、どんな攻撃でも再生します。

 こちらの聖印兵装でも傷ひとつ付けられませんでした……!」


ミュリオ:「再生の原理は“虚界還流”です!

 あの鎖の中に、別空間へ魔力を逃がす仕組みが……!」


ヴェイル:「つまり、本体を斬っても“影に戻る”……」

ティル=アクエラ:「ならば、“光”か“聖属性”の力で封じるしかありません。」


リスティア:「でも、そんな装備……私たち持ってません!」

レイヴン:「……帝国の聖堂兵器庫に、聖樹由来の“封印槍”があると聞いた。」

帝国副隊長:「確かに、“ルミナ・シールド”が残っています。

 だが、今は瘴気で封鎖状態です……!」


レイヴンは剣を抜き、静かに言った。

「ならば、奪い返すまでだ。」



いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、聖堂奪還 ― 闇に沈むルミナ・シールド

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