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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第三章

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南境の手続き ― 第二都市アストリアにて

〈アルヴィス王国南方・第二都市アストリア〉


アルシオンから数百リーグ――

陽光あふれる南方の大地に、王国第二の大都市〈アストリア〉があった。

貿易と職人の都。

香辛料の香り、機械仕掛けの商車、異国語の喧噪――

ここは王国と帝国を繋ぐ“交易の門”だった。



---

行政庁でのやり取り


クラリスが書類を整えながら言う。

「旦那様、帝国に入るには“南境通行証”が必要です。

 発行窓口は、アストリア行政庁にあります。」


アリアが窓口の混雑を見て小声で呟く。

「……かなりの行列ね。

 でも今日は“帝国使節団”が滞在してるらしいわ。」


イリナ(目を輝かせて)

「それって! 早く発行してもらえるチャンスじゃないですか!」


セリオ(小声)

「ボ、ボク……役所系って胃が痛くなるんですぅ……」


クラリスは手帳を閉じて告げる。

「旦那様、手続きの間は外でお休みを。

 少々時間がかかりそうですから。」


レオンは穏やかに頷く。

「わかった。では外の様子を見ておこう。」



---


大理石のホールに、赤い外套を纏った男が立っていた。

帝国の紋章が刻まれた金の徽章。

彼こそ、帝国使節団筆頭――

ライゼン・ヴァルハルト卿。


隣に控えるのは、黒髪に赤い瞳を持つ女性魔導士、

ミュゼ・ファランカ。


ライゼン

「アルヴィス王国の冒険者一行……と聞いている。

 帝国への入国目的は?」


クラリスが深く一礼。

「王国よりの命にて――南境火山地帯の異変を調査に参りました。」


ミュゼが鋭い視線を向ける。

「異変……“紅炎の脈動”のことか?」


アリア

「やはり、帝国も動いているのね。」


ライゼンは顎に手を当てた。

「我々も聖地イグナリアの調査に向かう。

 ――だが、帝国の領土に入るには“同行条件”がある。」


クラリス「……条件?」

ライゼン「帝国軍の監視下で行動することだ。」


イリナが一歩前に出る。

「問題ありません! 一緒に戦えば、きっと何か分かります!」


ミュゼはイリナの槍に目を止める。

「その槍……“星紋”を持つ。

 七星騎士団の装備ね。」


イリナ

「はいっ! イリナ・フェルディア、星槍アステリア所属です!」


ライゼンは短く笑い、印章を取り出した。

「面白い。勇気ある者たちだ。

 ヴァーミリオン・ゲート通行を許可する。

 ――明朝、出発だ。」



---



宿の窓から、アストリアの夜灯が赤く輝いていた。

街路には行商人の声と、遠く火山風の唸りが混ざる。


クラリス

「旦那様……帝国の協力、信じてよいのでしょうか?」


レオン

「どんな国でも、目的が同じなら歩み寄れる。

 だが、油断はしない。」


アリア

「“紅炎の脈動”――聖樹イグナリアの封印が軋んでいる。

 次の“影の根”はそこにあるわ。」


イリナ

「じゃあ決まり! 明日から炎の国へ突入ですね!」


セリオ

「ぜっ……全然テンションついていけませんぅ……!」


レオンは微笑みながら外を見やる。

遠く、夜空の向こうに赤く揺らめく光。

まるで炎の聖樹が――

彼らを呼んでいるかのようだった。

いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、炎と水の門 ― 二つの誓い

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