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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
31章.神殿消滅(1)壊滅的な何か

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31-1.神様の秘密を暴くのはやめてください(13) おっさんの恥ずかしい秘密(1)

だんだんと、終活の時期が近付いてきます……

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


”30-7.神様の秘密を暴くのはやめてください(12) 神様は探しに行かないと出てこられない?”の続き


~~~~~~~~

状況の説明

ルルに現れた過去の記憶と、エスティアさんとリナさんが、はじめておっさんを保護したときの状況を考えると、おっさんは、この世界に来ていたとしても”誰かに見つけてもらうまで、時間が止まっている。或いは、人と接触することが不可能であるという可能性”が出てきました。


そのため、城壁のサークルから、城下町のサークルを経て、森にある”オリアン神殿跡地(お堂のサークル)”、そして、大本命の”オーテル神殿跡地”、”カリオ神殿跡地”へと向かうところです。


おっさんを出現させるには、おそらく大鎧を持つ6人で行けば良いのですが、見張りや野次馬がついてきてで、200人ほどの団体になってしまっています。

そして、増えると移動速度が下がる。

なので、すごくゆっくり移動します。


さらに、『そんなことがありました!』……で済ませば良いのに、わざわざそのシーンが書かれます。

毎度のことながら、不要なら適宜、読み飛ばしてください。

~~~~~~~~


「なんで、こいつらまで一緒に野営してんだ?」


アイスが言うのも尤もだった。

予定外の集団が野営に参加している。


出発後1泊目。まだ、ダルガンイストから、たいした距離進んでいない。


女たちは馬車で移動するものの、随伴する護衛の兵は徒歩。

そもそもが、馬車の前を進む兵も徒歩なので、自動的にその速度になる。


同行する兵の数を絞って馬車で移動することもできるが、わざと徒歩に合わせているのだ。

後ろから付いてくる”非公式の監視役”が徒歩。

なので、それも考慮して徒歩の速度に合わせて移動しているのだ。

非公式の団体が脱落し始めると、休憩を入れて待つ。

非公式の監視役を振り切ると、かえって面倒なことになるためだ。


徒歩に合わせてもなお脱落する者は放置しても良いが、徒歩と言っても旅装備、軽装に合わせたら、荷物の多い者たちはゾロゾロ脱落する。

水は休憩時と、宿泊地では、護衛団が用意する。

食料も、非公式監視者には出すという条件で、荷を減らし、速度を稼ぐ。

徒歩で随伴可能な速度で移動し、その人数が寝泊まりできる場所で夜を過ごす。


食糧を配ると、非公式の監視者たちも、隠しもせず、食料を受け取る。

事実上の公認、どこの国の誰かまでは管理されていないが、公認で随伴しているのと同じだった。


ところが問題はその先で、本当にただの野次馬やら、方角が一緒だから付いてきたというような商人、町民や冒険者やらまで一緒に野営する。


護衛の兵は漏らす。

「こんなに大所帯じゃ、警備の邪魔になる」

「まあ、明日には減るだろう。ダルガンイストから、そう何日も付いてこられまい」

※フラグですね!


明日以降は、軽装の徒歩に合わせた速度で移動するので、旅装備の野次馬は付いてこられない。

そう予想する。


………………

………………


実際はというと、3日目にも、人が減るどころか増えているくらいだった。

「予想以上だな……」 リーディアが漏らす。

ある程度人が集まってくることは想定していたが、ここまでの規模になるとは思っていなかった。


ダルガンイストから1日の距離は、おもしろがって付いてくる者が居てもおかしくないが、離れるにつれ人は減る……はず。


そう予想していた。


野次馬は何日もついてくるほどの体力(財力)が無い。

ところが、増えたのは、その、想定外の同行者たちだった。


旅に慣れ、荷物の少ない冒険者は面白がって付いてくる。

そして、旅人も悠々付いてくる。

商人が、ほとんど空の馬車に、荷物載せて、小遣い稼ぎを始めたためだ。

どこから運んでくるのか、毎晩食料を仕入れてきて、旅人に売っている。

貧乏人相手で大した利益は無くとも、毎日なので、美味しい仕事だ。


「なんか、変なのまで混ざってそうだ。ちょっと俺見てくるよ」

そう言うとアイスは走っていく。


すると、続いて、アイス担当の警備が追いかける。

「アイスさま、お待ちを」


警備兵の中でも、アイス担当は負担が大きいことが知られていた。

いきなり動くので、気を抜けない。


アイスが遊びに行くのはいつものこと。


残った女たちも、毎日同じことを話す。

「トルテラ居るかな?」

「城下町だったら楽で良いけどね」


「でも、トルテラは消えると、だいたい森に居るから」

テーラは、森に居ると思っているようだ。


テーラだけでなく、皆、本命は森だと思っている。

おそらく森まで行くことになりそうだ。


========

旅は続く。


この道は、過去に散々通っている。

慣れているはずの道なのに、すっかり見慣れない風景に変わっていた。


荒れまくりだ。

先日の”ちゅうかまん迎撃戦”の見物客の渋滞で、道が埋まり、幅を広げて両脇に馬車が停車している状態でも馬車がすれ違える幅まで道が拡張されたのだ。

馬車の持ち主には、自分の所有する馬車が退避する分だけ道を広げる義務が発生した。

もちろん、尾根状の部分など、広げられない区間は存在するが、拡張可能な範囲では、安全にすれ違えるように道が拡張された。

これにより、片道だけだった区間もすれ違い可能になり、ボトルネックの解消にもつながった。


道沿いには、まだ、ところどころに、見物に来た人達が残っていた。

目的も無く、いつ帰るかという腰の重い連中だ。


元々、見物に来ただけあって、集団を見ると面白がってついてくる。


それもあって、女たちと一緒に森の方へ戻ろうとする集団に人が加わる。

これだけの人数が居ると商人がついてくる。

商人から見ると、安全で客もいる集団。暇ならついていく。


宿泊地には、食事用の水が用意されることもあり、便乗する者がますます増える。


この人数が夜を明かせる場所となると、どこでも良いというわけには行かず、かなり場所を選ぶ。


水は、少し離れた街道沿いの街から運ばれてくるが、このあたりの水は、井戸水でも茶色い。

ところが、女たちに用意された水は、透明だった。


「この水は?」

「城下町から運んできました」


ずいぶん遠くから運んできたことになる。


「道幅は、この先もずっとこんなに広がってるのか?」

「はい。城下町までは。その先も所々広くなっています」


つまり、城下町までずっと渋滞が繋がっていたのだ。

そして、皆で手分けをして道幅を広げたことになる。


「凄いな。これだけ道を広げるのにどれだけの金が必要か」


既に新通路の分岐を見たが、すっかり景色が変わっていた。

新通路は、旧密行路。

元は多くの人が行き来できる道では無かったが、手違いでグリアノスが作った新道だ。

この道を使えば、ダルガンイストを経由せずにランデルに行くことができる。


今宿泊しているこの場所も、元は荒れ地で、平坦では無かった。

馬車の退避エリアとして、一気に切り開かれた場所だった。


馬車が詰まって戻れなくなったので、道を空けるために広大な退避エリアが作られた。

必要に迫られて、その場にいた人たちが勝手に作った。

そのため、ほとんど金をかけずに道が作られた。


「これも皆、あの人の力だ」

”あの人の”……つまり、ある人物の存在によって起きた現象。

「トルテラの?」

「トルテラが聞いたら嫌がりそうね」


そんな話を聞かせたら”また居なくなりそうだ”と思う。

現時点で既に居ないのだが。


「アイスは、今日も行ったきりだな」

「アイス人気あるのよ」

それはリーディアも知っていた。


リーディアは一応貴族だ。元々貴族階級の出では無いし、自分で望んだわけでもない。

それでも、庶民との間に壁は感じる。ところが、女たちと一緒に居ると、さほど貴族扱いを受けなくなる。

他の女たちが、リーディアを貴族扱いしないためだ。

それでも、普通は壁ができる。

リーディアは、商人や、兵士とのかかわりはあっても、冒険者との接点はあまり無かった。

冒険者は、アイスがリーディアと気軽に話すと、リーディアを特別扱いしなくなる。


良いことかと言うと、必ずしもそうでも無いのだが、今は特に、それが良い方向に作用しているように感じた。

一般大衆から反感を買いにくい。


アイスは戻ってこない。いつものことだが。


----


その頃、アイスはと言うと、(毎晩同じだが)、オマケで付いてくる冒険者の集団と話をしていた。


「一番最初に拾ったの俺なんだよ。一回居なくなった時が有って、その時も見つけたの俺なんだよ。

 たぶん今回も俺が見つけるんだ」


アイスは毎晩同じことを言っているのだが、どういうわけか、皆、毎日同じことを聞いている。


冒険者の雰囲気を保ったまま、森の神様の(自称)妻で居られる存在に憧れる者も多かった。

アイスはアイスで意外に人気があった。


ある意味ヒーローだった。

というのも、他の妻たちは、根っからの下層の者は他に居らず、元々冒険者の仕事をしていたリナやエスティアは、むしろ、良い家の出で、テーラとルルも、貧乏暮しはしていない。

ずっと服を買いに行く服が無い状態であり続けているのは、アイス1人だった。


アイスは、文字の読み書きができないわけでは無いのだが、自分の名を”エリス”と書く。

そのため、文字が書けないと思われている。

普通なら、名前も書けないレベルとバカにされるところだが、アイスの場合はそうでも無かった。

※なぜかアイスが自分の名前をエリスと書く件は”14-13.女達の名はテラ。妻の名はテーラ”参照


~~~~~~~~


通常、文字の読み書きが不自由でも、自分の名前は書けます。

”自分の名前だけ読み書きできる人”も5%くらい、いるかもしれません。


住民票があるわけでも無いので、名前は変えることが可能です。

勝手に好きな名前を名乗っている場合でも、読みと文字は一致する(合わせる)のが普通です。

アイスの場合は、エリスと書いて、これでアイスと読むと言い張っているので、読むことも書くこともできないと思われていますが、名前がおかしいだけで、簡単な内容なら読み書きできます。


冒険者やってる人は学校なんて行きませんが、最低限の文字は読める人がほとんどです。

数字(或いは貨幣に対応する記号)と、専門用語と動詞合わせて30~50個くらい覚えるだけで、だいたいの意味が通るので。冒険者は、指示書が文字なので、特に勉強しなくても覚えます。

※基本は表音文字なので、多少なりとも読むことはできます


むしろ、町民の方が、文字不得意な人が多いかもしれません。文字を読み書きする機会が少ないので。


~~~~~~~~


身分違いの女たちが入り乱れているのも、庶民から敵意を持たれにくくなる原因となっていた。

(それでもなお、暗殺未遂は起きたのだが)

実際のところ、庶民の反感買って、暗殺未遂が散発する方が面倒だった。

敵が明確であれば、リーディアが手を打つことができる。

(リーディアは敵を倒したり、兵をコントロールするのは得意だが、民衆の掌握はあまり得意ではない)

むしろ大きな力で女たちを攻撃すれば、トルテラが出てくる可能性が高い。


今、困っているのは、ランデルが危機で、女たちは守られていると言う状況だからだ。


”ハスクバハル”が、女たちを直接の攻撃目標にしてくれれば話は簡単だったかもしれないが、”ランデル”と”ハスクバハル”の問題で、女たちは関係ない。


ランデルを救うためにも、トルテラの早期発見が必要だ。

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