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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
17章.重機娘とデート編

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17-10.アイスとお姫さま

だんだんと、終活の時期が近付いてきます……

挿絵(By みてみん)


※基本土日祝日更新です。

スペランカーレベルに心の弱いおっさんの、とっても残念なお話です。おっさんが興奮しても凹んでもすぐに倒れてしまうお話なのです。生温かく見守っていただけると助かります。



題名が加齢臭で宣伝は終活で中身はパンツの話。こんなのどうやって収拾つけるんだよ!と思う方も多いかと思います。それは至って正常な判断かと思います。

面白いかつまらないかは読者様が判断することですので判断できませんが、一応、加齢臭も終活もパンツも繋がった話を最後まで投稿する予定です。お付き合いいただけるととても嬉しいです。

挿絵(By みてみん)


アイスのひざまくらで、みかんのでかいやつ、バガバガを食べている。

アイスは、また丸ごと食わせようとするので、ひとふさずつにばらしたやつで手を打った。


「トルテラは俺のひざまくらが大好きなんだ」 アイスが嬉しそうに言う。

アイスは胸は貧弱で、あんまり女の子っぽいところは無いのだが、無邪気で意外に可愛く感じることも多いのだ。


でも、バガバガ剥くとき、汁が飛んで目が痛い。

あと、いつまで経っても、バガバガフィーバーが終わらない。たぶん、もう3個食った。

次で4個めだと思う。


「俺のおなかは”もち肌”だから、トルテラが大好きなんだ」 アイスが凄く嬉しそうに言う。


「もち肌って何?」 ルルが聞く。

「柔らかくて美味しそうって言う意味なんだよ」 アイスが余計なことを言う。


「適度に付いてると美味しそうだよな」

”適度”これが大事だ。ちゃんと、説明入れる。


「おなかの肉が好きなの?」 ルルが食いつく。

だから適度と入れたのに。

なんか、絶対おかしな方向に勘違いしてると思うのだ。


「ねえ、ひざまくら換わって」 ルルが言う。


俺はもう、バガバガには飽きたのだが、さらにルルのひざまくらでバガバガ食いまくる仕事が増えそうだ。


俺は逃げたくなってきた。


さっきから、なんでバガバガ食いまくってるかと言うと、リーディアが抱き着いて離れないからだ。


リーディア早く起きるんだ!! 俺をこのピンチから救ってくれ!!


そんな俺の願いが天に届いたかのようにリーディアが目を覚ます。

「皆もう起きてるのか早いな……ああ、ここはラハイテスの……」

「よく寝られたか?」

「ああ、毎日こうして寝たい」


相変わらず安眠効果抜群らしい。

こいつら6人居るから毎日は無理だけどな。


リーディアも起きたし、いつまで経っても終わらないので、俺は脱出する。

「よいしょっと、じゃあ起きるか!」


「私のひざまくらは? 柔らかいよー? もち肌だよー?」

ルルが言う。いや、腹の肉を摘まんだら逆効果だから。


とはいえ、なんか美味しそうな感じだ。

もち肌……少し惜しい気もするが、脱出のチャンスを探すのはけっこう難しいのだ。


「ルル、また今度な」


おかしいな。俺は腹の肉マニアだったのか? なぜ急に?


とりあえずトイレに行く。

「トイレ、トイレ……」


あれ? よく考えたら、俺のトイレ無い?


しまった、ストーンサークルのやつは、迎撃訓練に備えて、小屋撤去してしまった。

兵士用に行くと大変なことになりそうだし……


「女用の方なら、俺が建てといたけど」 アイスが言う。


女用じゃサイズ的に厳しそうだが、小なら行けそうな気もする。


「悪いが、アイス、布で隠してくれるか」


「大丈夫だよ。前だけは隠れるから」


「俺は、背中を凝視されるのも嫌なんだよ」


「仕方ないなー」


アイスに尻尾巻いてた布を持っておいてもらう。

この世界では立ションは珍しいらしく、見られてしまうので背面を布で隠してもらう。

少なくともルルは見る。だから隠す。


狭い。そして、凄く難易度高い。


「どうだ?」 アイスが話しかけてくる。


やめてー!立ション中に話しかけないでー。おしっこ出なくなっちゃうー!

いや、どうだ言われても、むしろ俺が聞きたい。


アイスは覗かないと思うので安心だ。ルルだと安心できない。


この世界には下水とか無いので、トイレが厳しい。

だいぶ慣れたが、それでもだいぶ抵抗がある。


だが、ここならストーンサークルのすぐ横なので、キラキラ圏内なので安心だ。

勝手に浄化されるのでいつも清潔。


やっぱりきれいなトイレを使いたいのだ。


「やっぱ、俺はストーンサークルの近くのトイレを使いたい」 そう言うと


「トルテラは気にしすぎなんだよ」 とアイスが言う。


そうは言われても、俺はキラキラ無しの女と同じトイレ使うのは抵抗あるんだよ。


何とか無事ミッション完了。


「ありがとう、助かった」

すまん。アイス、女の子にやらせちゃいけない仕事だと思うが、他に頼れる人間が居ないのだ。

男滅多に居ないし。


とりあえず、再度俺用のトイレを設置してもらうことにする。

上に周りから見えないように目隠しに小屋を設置するだけだが。



このまま戻ると、ルルにバガバガ食わされるので、少し時間をつぶしていく。


「少し暇潰してから戻ろう」

「いいけど。じゃあ聞いてもいいか?」


「なんだ?」


「トルテラはお姫様が好きだったんだな。

 やっぱり、お姫様憧れるよな……」


アイスもお姫様に憧れる? 凄く意外な感じがした。


「俺も子供の頃、どこかの国のお姫様だったらってよく想像してたんだ。

 だって、働かなくても食えるだろ」


だが、理由で納得した。

「なんだ、食い物のことか」


「なんだって言うけど、子供が食べてくのは大変なんだぜ」

いつもお気楽なアイスにしては、珍しく苦労話だ。


子供の頃から一人で生きてきたのだろうか?

「アイス、両親は?」


「母さんは、いなくなっちゃって」


「いなくなった?」


「帰って来なかったんだ。

 母さん居ないと俺の力じゃ十分運べなくてしばらくしたら追い出されて」


どうやら、何かを運ぶ仕事をしていて、お母さんが居ないと仕事にならなかったということだろう。

俺は両親と言ったが、父親が居ないのは普通なので、スルーされた。


「俺はもうすぐ死ぬんだなと思った」


「死ぬ?」

いきなり死ぬ? 比喩?


「ろくに食べて無いのに追い出されて、仕事も見つからなくて。そうすると子供は死ぬんだ」


餓死か……


「大芋は無かったのか?」


森ではいくらでもとれる大芋。あれがあれば餓死はしない。


「俺が住んでたとこには無かった」


森から離れた場所に住んでいたようだ。


「なんとか、親方のところに入れてもらって、働けば食べられるようになって。

 俺みたいな子供雇っても儲からないのに、親方が雇ってくれた。

 俺の名前も親方が付けてくれたんだ。でも、みんなエリスって読むんだよ」


ああ、あの綴りか。アイスが書く文字だと、エリスと読める。


「親方が付ける前は違う名前だったのか?」 聞いてみる。


「前に言わなかったか? みんなテラなんだよ」 アイスが答える。


確かにそんな話はあったが、俺には意味が分からなかったのだ。


「テラ?」

「違うよ、テ、ラ」


ん? 一緒だろ?

「俺には一緒に聞こえるんだよ」 そう言う。


前のときと一緒だ。結局最後はテーラになる。


アイスが凄く嬉しそうな顔をしている。


仕方なく言う「テーラ」


「そう。トルテラはテラって言えないから、テーラって呼ぶ。

 トルテラの妻の名前はテーラなんだよ」


「妻の名前がわかってるのか。で、テーラは一人かと思っていたのに、他にも居たってことだな」

「みんなテラ。ルル以外は」


ああ、そういうことだったのか。


アイスは不幸な子供時代を送っていたんだな……


「今は十分食べられるから、お姫様じゃ無くても大丈夫だな」


「だめだよ」 アイスが否定する。


「ん?」


「だって、キレイな服着られるし」 アイスが言う。


意外だった。アイスも、そう言う服に興味あるのか……


「アイスもきれいな服に興味あったのか」


「俺は服はどうでもいい。けど、トルテラが好きになってくれるから」 アイスが言った。


俺が、お姫様好きだからだ。

ただ、本当は、俺は、あんまりきれいな服より、普通の町娘の服が好きなのだが。


「じゃあ、きれいな服買いに行くか」


「トルテラが好きなやつが良い」 アイスが言う。


「俺は、普通の町娘の格好が好きなんだよな」

お姫様好きとは矛盾してしまうが、お姫様好きは単に服着ればお姫様とかそういうものではない。


「エスティアのやつ?」


「あれは良いな」

記憶を失う前の俺が買ったものらしいが、確かに俺好みだった。


「ルルとテーラみたいなやつは?」


「ルルとテーラのやつもかわいいな」


「ルルの堅苦しいのも好きだろ」


「おお!あれも良いな。」


「そうか……俺も、そういう服欲しい」


「そうだな。アイスは冒険者服似合ってるけど、

 町娘のやつも持っていて良いと思う」


「じゃあ、今度買いに行こう」

「尻尾に乗って買いに行きたい」


「そうか。じゃあ、尻尾に乗って買いに行くか」


「約束だぞ」


「ああ」 了解の意味で言う。


何もしなければ数十日。俺の寿命は短い可能性が高い。

中華まん迎撃に成功すれば、ずっと長いかもしれないが、服の一着くらい買ってあげたい。


「じゃあ、お礼に、俺のパンツ姿見せてあげるよ」


出た! 相変わらず、パンツ見せがお礼になると思っている。

俺的にはむしろ厄介、俺が困ることなのだ。


「いや、お礼とかいいから」

と言いつつ、なんか頭にアイスのパンツ姿が浮かんだ。

ぐはっ、く、なんかちょっと見たい……

何故だ、俺は今まで、見ると困るから見たくないと思っていたはず……

なぜ今になって……


「嬉しくないのか?」


なんて答えれば良いのか。

「いや、俺、見ると倒れるから」


「倒れても大丈夫だよ。俺が面倒見るから」


そうじゃ無いんだけど、うーん。


「じゃあ、約束だぞ」


断り切れなかった。

何故だ。何かがおかしい。腹の肉もそうだし、パンツ姿もそうだし、何故俺は惹かれてしまうのだ?

今までそんなこと無かったのに。


俺は疲れているのかもしれない。

ちゃんと寝よう……いや、寝て起きて寝て起きてトイレに来た。


いや、それでも疲れてるのかもしれない。


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