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外出しよう

あれから10日ほどが過ぎたが何度試しても『鑑定』は使えないようだ。

熟練度か気合が足りないのかと、寝ても覚めても『鑑定』をしようとしていたため他のことは試していない。

神様にもお願いしてみたが無視され続けるのでそろそろ『鑑定』は諦める時が来たのかもしれない。

所詮0歳、他の子と比べればこの10日を無駄にしたというほどではない。


今は両親に連れられて外に出ている。

何か大事な用があるみたいでお出かけだ!

外に出る機会は何度かあり、今の俺にはこの世界を知ることができる楽しい娯楽と言える。


この数日でわかったこともある。

我が家は錬金術を生業にしている。父親は偉大な錬金術士なのだ!!

錬金術と言っても石ころを金にはできなず、化学実験みたいなことをしているところを何度か見せてもらった。

米俵ほどの鉄鉱石を変な模様の台に起き、何かつぶやきながら手をかざすとコブシ大の鉄ができるところを見たときには興奮しすぎて母にオシメを変えてもらったのは内緒だ。

決してうれションなどではない!断じてない!!

0歳児に苦情は受け付けない。ただあの日から母さんは仕事場で子守をしなくなった。


両親の会話から察するに1日24時間で、1週間は7日というのは変わらない。

1ヶ月は30日、12ヶ月で1年と暦はほとんど地球と変わらないようだ。


この世界にはやはり魔法がある、うちでは夜になると光る玉を生み出す『ライト』という魔法を使っている。

この『ライト』という魔法は不思議なことに使う人によって色が違う。

両親とご近所さんの窓から漏れる明かりの色が違うことで気づいたのだ。今の所分かっている色は青、赤、黄、白の4色を見かけたが、なんで色が違うのかはよく分からない。

ちなみに母は白を、父は黄色を出していた。

綺麗な光が数件の家から溢れ、ちょっとしたデートスポットにでもなりそうだ。


何度か母に連れられ外出してここは山の麓にある『ハクロ』という町で、十数年前に徒歩20分ほどのところにダンジョンができてから村起こしができ、最近町になったそうだ。

あと数年もすれば領主が視察に来るんじゃないかと噂をしていた。

魔物除けのために城壁があるのだが、魔法のある世界だというのに木製の門を使ってるのでなんだか頼りない。

住民の多くはアジア系の人種によく似ている。たまに堀の深い人ヨーロッパ系の人や色黒のアフリカ系の人も見かけるが多分冒険者というやつだろう。生活様式は日本風のものが多いが所々洋風で風情のかけらもない。おそらく戦争やらで文化が混ざってしまっているのだろう。


この世界の本屋を母の背中越しに覗いたことがある。

遠目から見た感じ使われている文字は日本語で、ほとんどがひらがなとカタカナでほんの少し漢字が使われている。

ちょっと高いがそこそこ綺麗な紙でできているし、複写技術があるのか同じ本が何冊も置かれていた。


そうそう忘れるところだった!!

名前が判明したのだ。

『サワダ ムツキ』というのが俺の名前だ。

母はエリ、父はナオヤという純日本風の名前で地味に嬉しい。

転生したので洋風の噛みそうな長い名前なんじゃないかとヒヤヒヤしていたのでありがたい。

なんせ覚えやすいのがいい!!


さて教会と神社を見かけた。

というか今そこに向かっている。

同じ敷地に建っていてなんとも気持ち悪い構図なのが印象的だ。

鳥居を潜るとなんと隣同士に立っているのだ!!

意味がわからん。

そして今日ここで祝福の儀という誕生を祝う儀式をしてくれるんだそうな。

似非宗教感があってなんか嫌なんだが‥‥‥

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