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プロローグ

小説を読んでるうちに書いてみたくなりました。

見切り発車です。

鍼灸院を開業して二ヶ月経った。

患者さんが来ない!!


「あーー、実費治療がいけないのか??」


院の戸締りをしながらブツブツと独り言を言い帰路につく。

最近見つけた駅までの近道は街灯が切れて暗く、今の自分の心境そのものだ。

路地をとぼとぼ歩きながらどうすればいいのかとため息混じりにT字路を曲がる。


ドン!!ガシャーン!!!!


「っっっっ痛!?」


飛び出してきた自転車にはねられ電信柱に体が打ちつけられる。


「ってーなおっさん!!」

こけた自転車を起こしながら罵倒してくる金髪プリン


「ちっ、バイトに遅れる!!」

急ぎ自転車に乗り猛スピードで走りだす姿を横目に

「無灯火で突っ込んできたのそっちだろ‥‥‥」

小声で愚痴りながら駅へと足を向ける。


改札を抜けるとガツン!!と後頭部を殴られたような感覚とともに脱力し

あぁ‥‥さっき頭ぶつけてたのかも‥‥‥

視界が薄れ、意識が遠のいてゆく。。。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ザーザー、ザーーーー

ドックン、ドックン、ドックン、ドックン


何かが流れる音とともに聞こえてくる心音。

どうやらまだ生きていることに安堵しながらも暗い世界を漂う。

あれからどれだけ経ったのだろう??


「もう‥‥‥がん‥‥て!!」


女性の励ますような声が聞こえてくる。

どうやら病院に着いたようだ。

不幸中の幸いか?駅で倒れたから対応が早かったのだろう。


うっすら光が見え始め、もやのかかった視界の中はっきりと聞こえる弾んだ声。


「おめでとうございます!!」


ああ??おめでとう???

イヤイヤどんな神経してんだよ!?

怪我人に対して嬉しそうに「おめでとう」とか頭おかしいだろ!!

しっかり顔覚えて後で文句言ってやろうと、重い瞼を必死に開き辺りを窺う。


「!!!!!」

目に映るのは巨人、木造の天井、電球はなく光る玉がふよふよ浮かんでいる


なにこれ??夢??


なんだかうまく呼吸もできないようで必死に息を吸い込む。

頭の中には『過換気症候群』と浮かび結構冷静な自分もいるようだ。


「はっはっはっはっ!!!‥‥アーー!!!!」


自分から発せられる甲高い声に驚愕し、どうなっているのかわからないまま意識を手放す。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



おかしな夢を見た。

ぼんやりとする意識な中、トイレに行こうと起き上がろうとしてもうまく力が入らない。

首も不安定で力が入りにくい。

駅でのことを思い出し、どこか障害が残ったのだろうと納得するがどうにも全身の感覚がおかしい。


視界が定まり遠くに見える天井。

自分を囲むように木製の格子が見える。

夢の続きなのかとも思ったが下半人の生温かさと次に襲ってくる冷えに

『あぁ夢ではなさそうだ』

と冷静に落ち込む。

アラサーでのおもらし‥‥‥

冷えた頭で今の状況を把握しようとするもわからない。

むくんだ腕、芋虫のように短い指、うまく動かない口、舌を動かしているのに歯に当たる気配がない。

急に不安が襲って泣けてきた。


「うぎゃー、うぎゃー」

甲高い鳴き声をあげる自分が未だに信じられない。


「あらあら、おもらししちゃったの??」

微笑みながらやってくる丸顔タレ目で堀の浅い女性。


認めるしかないのか

死んで生まれ変わったであろうことを‥‥

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